見出し画像

China / UPTOWN RECORDS

個人的アジアトップ3には入るレコード屋の話を。

Uptown Recordsは上海の住宅地みたいなところにあって、まずたどり着くのが大変です。そもそも中国はグーグルマップが使えないし、百度は外国人には優しくない。ビルの前をいったりきたりして、ようやく発見した店名の書いてある小さな張り紙(トップ画像の張り紙)が唯一の目印でした。当然、これ以外の看板とか何もなし。しかも入口は生活感がある、というか正直なところ小汚い雑居ビルで、ビルに入ってからもすぐには店が見つからない。雑居ビルの住人に何となく聞いて、暗く汚い階段を下りた地下に店はあります。

ところが、お店には肝心のレコードがない。あるのはよくわからないTシャツとかバッグとかの小物類のみ。なんだここは、、と思ってそのまま帰ろうとしたのですが、隣に古着屋があったので念のため聞いてみると、「こっちだ」と言われた先には何の変哲もない防火扉みたいな鉄のドアが。そのドアを開けたところに、いきなり整然と大量のレコードがありました。

レコードはすぐには見切れないほどの量があり、欧米のインディから日本のポップス、もちろん中国などアジア圏の音楽までふんだんにありました。店員さんも英語で接してくれるしいい感じ。例えばLaurel Haloのレコードを手に取ったら、「ちょっと前に上海にもライブに来たんだよ」とか教えてくれるような感じ。上海は超都会なのに、それまで殆ど英語が通じなかったので、英語で色々解説してくれたのがとてもありがたかった。中国は中国だけで完結できるから、英語はいらないんだよなって肌身をもって実感したこともいい経験にはなったけど。

そんないい感じの店員のお姉さんがお勧めしてくれたレコードがこちら。五条人というアーティストのレコードでした。わかりやすく尖った感じの音楽かなと思いきや、聴いてみるとそうでもない。でも中国でこういうインディな感じで音楽を続けること自体が日本の環境とは全く違うかもしれないし、インナーノーツを見たら歌詞が全部英訳されてたりとか、気概を感じました。やっぱり尖ってた。

中国人のお客さんも途切れず来ていて、地元の人たちにも根付いた隠れ家レコード屋になっているようでした。それにしてもなんで扉で隠してたんだろう。中国だけに何となく察したふりをしてしまったけど、店員さんに聞いてみればよかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?