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特徴って何ですか

『みんな嫌いな公民』というサブタイトルで、授業づくりの考え方を書いています。

授業の設計図、学習指導案(授業案)に授業のねらいとして「特徴を理解させる」と書くことがある。
アメリカの大統領制の特徴を理解させる。
日本国憲法の特徴を理解させる。
では、特徴とは何だろうか。他とは異なるそれを成り立たせる、際立つ部分や含まれる性質が特徴であり、特徴をとらえることが、大枠や骨格、根幹をとらえることである。

特徴は切り口

あの人の特徴は何?
この問いは答える側に委ねられている。
いい声だよ。度胸があるよ。優しいよ。
腎機能が低下しているよ。肥満だよ。

親しい人を紹介するのと、医師が診断するのでは、何をあの人の特徴としてとらえるかは異なる。特徴は?と問えば、一対の答えがあると考えがちだが、答える側の立場次第で決まる。

授業で何かの特徴を扱うなら、授業をする側のスタンスにふさわしい答えとしての特徴を選ぶ必要がある。見る角度や切り口、側面と言ってもいい。公民科教育のスタンス、目指すものがわからないと、授業で扱う内容の切り口は見出せない。

公民科教育には、生徒たちの公民的資質を涵養するという目的がある。すべての単元は公民的資質の涵養のためにある。公民という言葉は馴染みがない。公民と似た言葉を探すと、市民とか一般市民になる。もっと簡単に言い換えると、大人だ。

大人は子どもじゃない。
大人は何でも自分でできる。
大人は子どもを育てる。
大人は働く。

成人して有権者になる。
責任能力や判断力を持ち行動する。
子どもを守り育てることができるようにする。
生きていくために必要なものを得る。

公民的資質を涵養するとは、生徒を大人にするということである。生物学的な成熟や発達ではなく、別の言葉にするなら、生徒を社会人にするとも言える。

日本列島に暮らして生きていく上で、社会人として、大人として、携えておくことが望ましい知識や力が、公民的資質である。

アメリカの大統領制の特徴として、
日本国憲法の特徴として、
身につけさせるべき知識とは、一体何だろうか。


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