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オランダのなつやすみ

こんにちは、りさです。
夏休みに入ってから早1カ月。すっかりリラックスした日々を満喫しています。

この記事を書くにあたって、1年前はどんなこと考えてたかな、と昔の記事を流し読みしていました。なるほど、こういうことで悩んでたんだな、喜んでたんだな、と懐かしい気持ちになりました。些細な日々の記録も、あとから眺めてみると意味のあるものに見えてきます。そんなわけで、なんてことのない今考えていることも書き残しておこうと思います。

この夏休みの前半になにをしたか、そしてあと1カ月の間になにをしたいか。

夏休みにしたこと

①本を読む
学期中は寝る前の数十分程度しか自分のための読書の時間をとれていませんでした。いまや好きなだけ読書ができる!!といっても、それほどはかどっていませんが。

最近読んだのは、
 1. Sapiens: A Brief History of Humankind, Yuval Noah Harari
 2. Less is More: How Degrowth Will Save the World, Jason Hickel
この2冊です。
一冊目は日本語版もベストセラーになった『サピエンス全史』の英語版です。日本語で一度読み魅了されたこの本ですが、洗練された英語と500ページ近くあるボリュームのせいで読了までなかなか時間がかかりました。具体的には、半年くらい。笑


二冊目は"Degrowth"すなわち「脱成長」についての本です。著者であるJason Hickelさんは、大学の特別授業でもお話してくれた経済人類学の学者です。簡潔にいうと、とてもおもしろかったです。激しい論調で資本主義が糾弾されている感じの本かしらと思っていましたが、いい意味で期待を裏切られました。本の構成は"Sapiens"の筋立てに近く、人間の歴史を紐解きながらなぜ今の世界の形があるのかを説明しています。なぜ今わたしたちが方向転換をしなければいけないのか、膨大なリソースをもとに理論的かつ(いい意味で)感情的に語りかけてきます。

さて、脱成長が指す成長とは、いま世界が資本主義のもとひたすらに希求されている「経済成長」のことです。経済成長と地球環境の破壊が強く紐づいていることは、歴史を観れば明らかです(*)。経済成長の指標とされているGDPは上昇し続けることが社会にとってよいこと、というのが通念です。SDGsのGoal 8でも明記されています。
しかし、それは本当に正しいのでしょうか。2019年時点の世界全体のGDPは1960 年と比較すると約 60倍になり、これだけ見れば世界には十分な富が蓄積されているはずです。しかし、貧困問題は一向に解決せず、格差は広がっていくばかりです。
なぜでしょう。問題の根幹は、破滅的な経済成長を前提とする現在の資本主義の形にあるとこの本は指摘します。続きが気になる人は読んでみてね。

* 注釈
UNEP(国際連合環境計画)や各国では経済成長と環境負荷のデカップリング(両者を切り離すこと)が高らかに目標に掲げられていますが、これは実現性が低いことが指摘されています(本文より)。また、一見先進国は部分的なデカップリングを達成しているように見えますが、他国(いわゆる発展途上国)から資源を搾取していたり汚染の肩代わりをさせていたりする点で、包括的な意味ではデカップリングとはかけ離れた現実があるといわれています。

今読んでいるのは、
The Righteous Mind: Why Good People Are Divided by Politics and Religion, Jonathan Haidt です。
人間の道徳心について、科学的なアプローチで解説している本です。誕生日プレゼントでもらいました(どんな意図があるんだろうか、笑)。まだ読み始めて間もないですが、登場人物が多くて頭があんまり追いついていません。これからおもしろくなりそうです。

②論文を読む
まだあんまり読めていませんが、自分の興味関心のエリア(Circular Economy, Degrowth)に関する論文をたくさん読みためておきたいなと思っています。簡単にたくさんの論文にアクセスできるのは大学生の特権ですね。

③オランダ語を学ぶ
オランダに来て11カ月。ずっとやらねばと考えていたオランダ語と向き合う時が来ました。7月は4週間の集中コースで、週3日オランダ語の授業を受けていました。たまに対面、たまにオンラインという感じで。基礎の基礎という感じで、コースを終えた今も相変わらずの低レベルですが、オランダ語を実際に練習できる機会がもてたのはプラスになりました。

ちなみに、SPEAKという団体の提供するコースを受講しました。移民や学生が現地に溶け込むことを目標にしている団体ということもあり、格安で受講できるのがありがたいところです。初めてのクラスとしてはとても良かったと思います。

今はDuolingoで自主勉強をしています。Duolingoはゲーム感覚で言語が学べるアプリです。きちんと言語が習得できるようかなり高度にプログラムされていて、一見ゆるふわな感じですが、なかなかあなどれません。

④旅をする
7月末には1週間ほど彼氏とベルリンに行ってきました。旅をするという感覚が久々で、とてもリフレッシュできました。つい最近ドイツがオランダへの入国制限を強めたのですが、ぎりぎりセーフで規制がまだそれほど厳しくない時に入国できました。テストを受けてドイツ政府に事前に入国登録して…と手続きはしたものの、旅の間でそれらの書類がチェックされることはありませんでした。列車の旅は比較的規制がゆるいのかもしれません。


帰国して一日はさみ、月曜日には友だちとブリュッセルに日帰り旅行に行ってきました。アムステルダムから出ているバス(往復26€!)で3時間弱、わりとすぐです。きれいな街並みとムール貝を堪能してきました。あとなぜかバンクシー美術館に行きました。なんだったんだろう、あれ。バンクシーが見たら泣きそうな、ひどく資本主義的な施設でした。思いつきがそのまま形になったようなspontaneousな旅でしたが、とってもよい思い出になりました。

今週末は仲よくしてもらっているオランダの家族と一緒にオランダ北のFrieslandへハイキングしに行ってきます。泥のなかを歩くらしいです。どんなハイキングやねん。

これからしたいこと

①本と論文をもっと読む
まだまだ積読になっている本が3冊ほどあります。この夏休みを逃したら次はいつ読めるのかわからないので、読了したいところです。

また、論文も同じくまだまだたくさん読む必要があります。十分にインプットすることで来期からの授業にいかせるはず、ということで読めるだけ読んでおきたいです。具体的には、うーん、10本読めるといいな。

もっと旅をする
友人となんとなく旅行の青写真を描いているところですが、チャンスがあればスペインに行くかもしれません。親友がカタルーニャ出身なので、彼の実家におじゃまできるかもしれません。もし実現したら留学史上最高にハッピーな経験になりそうです。

ありがたいことに2回目のワクチン接種が完了し2週間が経過したので、移動の面で制約が少なくなりそうです。とはいえ、新学期がはじまればどこかに行く時間もあまりなさそうなんですが。

③絵を描く
もともと絵を描くのが好きで、こちらに来てからはより頻繁に描くようになりました。最近は誕生日を迎えた友だちのプロフィールを描きました。基本的にLeonaldoというお絵描きソフトでちゃちゃっとやっています。

たまに更新するので、見てみてください:https://www.instagram.com/lisarai724/?hl=ja

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やりたいことだけでなく、やらなきゃいけないこともいくつかあります。
まずはビザの再申請と授業料の振込み。これはどうにか対応できそうです。
二つ目は家探し。今はオランダ人の女の子とすてきなアパートをシェアできていますが、契約が9月末までなので新しい場所を探さないといけません。そしてユトレヒトのこの時期の部屋探しは熾烈…。どうか見つかりますように。

ではではみなさん、お元気で。


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