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#11 映画「名探偵ピカチュウ」をブランディングトレース(ブランド戦略分析)

今回は、ハリウッド映画「名探偵ピカチュウ」のブランディングについて、独自のフォーマットを用いて分析してみました。

映画概要

日本では昨日、地上波放映されていたのでご覧になった方も多いかもしれませんが、映画公開されたのは2019年5月10日で、興行収入は約4.33億ドルと言われています。元々は3DSのゲームが原作となっていますが、ポケモン初の実写化ということもあり、上映当時大きな話題になりました。

メインターゲット

ポケモンの凄さの一つは、幅広い年代層の心を捉えて離さないところだと私は思っていますが、中でもメインとなるターゲットは下記だと想定します。

年齢:20代〜30代の男女/子供
・ゲーム原作ユーザー
・ポケモンに懐かしさを感じる世代
・ポケモンGOユーザー
・ポケモン好きな子供
・ピカチュウのファン

映画のセールスポイント

初のポケモン実写化映画でありながら、かつ、原作はオリジナルではなく「名探偵ピカチュウ」であり、しかもハリウッド映画化というツッコミどころ満載の映画だった印象です。

・ハリウッド映画
・ポケモンを初の実写化
・ゲーム作品を元にしている
・ピカチュウの中身はおっさん
・渡辺謙出演

キーキャッチコピー

セールスポイント盛りだくさん、下手なマーケターがプロモーションを担当すれば、ごちゃごちゃでビジーな広告になりかねないこの映画ですが、そうならないところがさすがです。彼らがチョイスしたのは、

「見た目はカワイイけど…中身は”おっさん”!?」

「ピカチュウがハリウッドデビュー!」

シンプルにこの2つです。

ここは特筆したいポイントですね。最大の特徴とも言える「実写化」は恐らく映像を見ればだれでもわかるポイントなので、コピーの方はあくまでも、「劇場に足を運びたくなる」ようなポイントに絞ったのではないかと考えます。

プロモーション方法

メディア露出に加え、自前の様々なコンテンツをミックスして既存のファンにリーチできることも、ポケモンというブランドの大きな強みですね。7種類のCMも、キーコピーのコンセプトを踏襲し、「ピカチュウのかわいさとおっさんのギャップをチラ見せするもの」と「ハリウッド映画のスケールの大きさ」を表現するものをメインとしつつ、様々な魅せ方をしていてさすがです。

・テレビCM(7種類)
・公式webサイト
・ポケモンGOとのタイアップイベント
・Huluにて特番配信
・ポケモンショップで半券キャンペーン
・一部劇場で上映イベント

webサイト戦略

Lead energyは「Action , Emotional」です。とにかく、「見に行きたい!」「なんか面白そう!」と思ってもらうことを第一にしているのがわかります。

サイトへアクセスしたら、まず動画が再生し、その後動画アーカイブへ移動します。
→おそらく映画の場合、文字で説明するよりも圧倒的に動画で見せるのが一番訴求効果が高いのだと考えられます。

考察

私自身、ポケモンのマーケティングには兼ねてから尊敬しておりましたが、今回改めて映画をベースにトレースしてみて、戦略的で勉強になりました。自前のコンテンツを多数持っているポケモンですが、コンテンツごとにファンの年齢層が違い、それぞれに適切なコミュニケーションをしていることも特筆すべきポイントだと思います。

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