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「つながりの回復」を目指して。母子生活支援施設の退所世帯にギフトをお贈りしました!

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、社会の様々な場所で多様な困りごとが発生しています。とくに生活困窮世帯への影響が大きいことは、テレビなどで報じられている通りです。親の負担増が虐待等、子どもへの不適切な関わりにつながりやすいことも知られています。

そこでLiving in Peaceは、そうした生活困窮世帯の経済的困難・精神的孤立を改善すべく、「母子生活支援施設を退所した世帯」を対象に、食料品や家事代行サービスなどのギフトをお贈りしました。

◆母子生活支援施設とは?

母子生活支援施設(以下、母子施設)とは、深刻なDV被害や生活困窮、メンタル不調などの困難を抱えた母と子が、厳しい状況のなかであっても離ればなれになるのではなく、一緒に生活しながら危機を乗り越え、ふたたび社会に船出していくことを支援するための児童福祉施設です。

全国に約230カ所あり、約3,330世帯の母子(子どもの数で5,000人以上)が入所し、生活しています(平成28年調査時点)。

<児童福祉法第38条>
母子生活支援施設は、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。

◆多くの困難を抱えたまま退所し、社会で孤立する母子たち

母子施設に入所する母子は、入所時点で多くの困難を抱えています。

経済的に見ても、子どもがいる世帯全体の平均所得が696万円であるのに対し、シングルマザーの平均所得は181万円と非常に低く、なおかつ母子施設に入所する母親のうち80%は非正規雇用であるなど、非常に不安定な状況に置かれています。

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表:母子生活支援施設に入所されたお母さんの就労収入(月)
出典:全国母子生活支援施設協議会公式サイト

では、退所時点ではこれらの課題が全て解決されているのでしょうか。

理想は「課題が解決した時」が「退所の時期」になることです。しかし残念ながら、母子施設の入所期間は多くの自治体で原則2年となっており、約4割が入所時の課題を解決しないまま退所しているという現状があります。

つまり、母子施設を退所した世帯のなかには、多くの困難を抱えたまま退所し、社会的養護の「外」に置かれて孤立してしまっている母子が少なくないのです。

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図表:母子生活支援施設の退所期限および退所時の未解決割合
出典:母子福祉部会紀要(平成29年度)

◆コロナ禍でさらに深刻化する「貧困」と「孤立」

このように多くの課題を抱える母子施設退所世帯ですが、新型コロナウイルスによって、さらに下記のような影響を大きく受けていると想定されます。

経済的困難:子どもを預けられないことによる就労困難、コロナショックによる母親の給与カット、失業など
精神的孤立:家の中で子どもと過ごす時間が増える、行政や民間のサービス(「子ども食堂」など)を利用できなくなる・繋がりづらくなるなど

◆ギフトを通じて「つながりの回復」を!

そこでLiving in Peaceは、先進的な取り組みを行っている都内の母子施設にご協力いただき、施設退所世帯(約30世帯)を対象に下記のような目的でギフト(ChanceMakerギフト)をお贈りすることを決めました。

① ギフト(宅食や家事代行サービス)による金銭的・身体的負担減
② 施設とのつながり(ソーシャルキャピタル)の回復、精神的孤立の緩和
→世帯の抱える生活問題について『頼れる人』の数を増やす。

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ギフト案内チラシ。好きなギフトを選択して受け取ることができるようになっている。左下のスペースには、施設職員からのメッセージが記入される。

◆ギフトに対するお母さんたちの反応と嬉しい変化

ギフトお届け後に行ったアンケートでは、お母さん方から次のような声をいただきました。

<アンケートより一部抜粋>
「サプライズで嬉しかった。届いた商品もとても良かった。」
「選択肢が豊富でどれも助かるものばかりでした。」
「クーピーペンシルのセットがとても良かったです。絵を描くのが好きな中学生の子供が大喜びしています。ありがとうございました。」

また、ご協力いただいた母子施設の職員の方からも、「入所時から施設を頼りにしているようには見えず、退所後も全く連絡を取っていなかったお母さんが、現在抱えている悩みについて初めて相談の連絡をくれた」というエピソードをうかがうことができました。

これは一例ですが、こうしてギフトを通じて施設とのつながりが回復し、困った時に相談をしようと思うきっかけを提供出来たことは大変喜ばしいことであるように感じています。

◆より良い支援に向けて

今回の緊急支援ギフトを終えて確かな手ごたえを感じることが出来た一方で、同時にまだまだ解決すべき沢山の課題があるということがアンケートからうかがうことができました。

たとえば、生活の中で困っていること、そして困ったことがあった時に頼れる人がいるかを尋ねたところ、「家計」「子育て」について困っている世帯が多く、そのうち困った時に頼れる人のいない世帯が半数程度を占めていることが分かりました。

また、頼れる先が「ある」と答えた世帯の中でも、頼れる先としてソーシャルワーカーの方や区のサービスなどを答えた方は少なく、そうした機関とのつながりが少ないという課題が浮き彫りになりました。

少しでも多くの世帯の困難を解決し、親子の笑顔を増やせるよう、こうした様々な課題一つ一つに対し真摯に向き合い、今後も活動を続けて参ります。

執筆:栗田遥 1994年生まれ。2019年よりLiving in Peaceに参画。本業で一般企業に経理として勤務するかたわら、Living in Peaceでは実親子支援チームのカタリストとして活動している。趣味は食べ歩き。

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