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ペットの被毛(毛)と皮脂のはなし

人だけでなく犬や猫を含めて、ほとんどの哺乳動物は身体に毛が生えています。動物のからだの表面をおおっている毛のことを被毛(ひもう)と言います。動物種によって長い毛、短い毛、ふわふわな毛、ツンツンと固い毛…など毛の種類はさまざまですし、毛の量も豊富なものから、ほとんどないものまで多種多様です。
みなさんのペットはどんな被毛をしていますか?

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■毛とは

毛は、皮膚の表面角質化してできた皮膚の付属器官です。
動物達の毛は全身のほとんどをおおっていて、皮膚の保護保温防水などのからだを守る役割があります。

毛は、毛根の一番下の部分にある毛嚢(もうのう)でつくられます。毛嚢には毛母細胞という細胞があり、たくさん分裂して外側に向かって成長します。細胞はメラニンという色素を取り込みながら成長しますが、毛の色はメラニンの有無や種類(黒、茶)と量によって変わります。やがて分裂した細胞が死んで固くなり(角質化)、押し出される形で「毛」がはえます。

毛は、ずっと成長し続けるのではなく、一定のサイクルで成長と抜け落ちることをくりかえしていきます。このサイクルの長さは、種類や生えている部位によって違います。このサイクルのことを毛周期(もうしゅうき)といいます。

下記の図で示している毛の構造はヒトのものですが、基本的にペットの毛も同じ構造になります。1つの毛穴から何本の毛が生えているかは動物の種類によって異なります。

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被毛の数は動物の種類と暮らしている環境によって異なります。
寒い地方や海に暮らす動物の被毛は、とくにたくさんの被毛が集まって生えています。例えば、ラッコは1㎠あたり15万本もの被毛が生えていて、被毛の奥まで水に濡れないばかりか、毛の間にたまった空気が海水に浮くことを助けています。

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■被毛と皮脂の関係

皮膚の皮脂腺から分泌される油のことを皮脂(ひし)といいます。皮脂は皮膚や毛の表面おおって柔軟性を与えたり、乾燥を防いだりして健康な皮膚を維持するために様々な役割をしています。
動物たちが雨などで濡れてもカラダをぶるぶると振って簡単に水をはじくことができるのは、被毛が皮脂によってコーティングされているからです。
油でコーティングされたたくさんの被毛が集まることで、毛の表面が濡れてしまっても、毛の根元まで濡れることはありません。
そのため、少しぐらいの雨ならはじいてしまいますし、水の冷たさに体温を奪われにくくなります。

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■被毛と皮脂のケア

被毛は毛周期を繰り返して一年中抜けているので、抜け変わる被毛を放置してしまうと、毛玉や縮れ、蒸れの原因になってしまいます。また、皮脂がたまりすぎたり、皮脂が多くでる犬では被毛や皮膚の負担になる場合があります。
猫の場合は、自身の身体をザラザラの舌でなめて毛づくろいを行いますが、その際に抜け毛も飲み込んでしまい、胃にたまった毛が毛玉となって吐き出される行動もみられます。

古くなった被毛や皮脂を取り除き、健康的な被毛と皮脂の状態に管理してあげることも必要です。そのためには、被毛を整えるブラッシングをおこなったり、皮脂を落としすぎない程度の定期的なシャンプーや、被毛に付いた汚れを落とすためのこまめなケアが必要です。

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