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今日が水平線に落ちる頃

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散文、詩、ドローイングなど
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#短編小説

夜の森は闇よりももっと深くたどり着いてかすめるのは魚。

夜の森は闇よりももっと深くたどり着いてかすめるのは魚。

夜の公園で私は暗闇に足を取られた。満ち潮のように眼の中に群青色を取り込み眼球の奥は冷たい火花が飛んだ。夏の夜。

今、この足を踏み入れたところから世界がひっくり返ったんだ。そう思った。私は近日にいろいろな感情と相撲を取って、自分の中の長テーブルに大層な燭台が並んでたくさんの人たちが会議をしていたのだ。それは夜を歩くことによって行われる。疲労感に夢遊に近いものを感じて見えないものたちに挨拶をして進む

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