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ネイティブと比べて落ち込むな!


今日はなんとなくうまく通訳できなかったな~と、クヨクヨしてしまったり、今日、外国の人と話した時の私なんとなくイケてなかった・・・と反省してしまうようなこと、語学をやっている人であれば誰でも1度はあるのではないでしょうか。


仕事でも、留学でも、学習の過程でも『なんかダメだったな~』『テンパったな~』と思うような経験、あるかと思います。


外国語を母語レベル、つまりネイティブスピーカーレベルで話せる場合はまた違うのかもしれませんが、純日本人、いわゆる『純ジャパ』である私は、通訳の現場の後に『あ~~なんかうまくできなかった!』と、クヨクヨすることも少なくありません。


現場を離れてからクヨクヨするのはまだ良いのですが、現場でまた通訳に従事している時に『あれ?なんかうまくできてなくない?』と思い始めたら、もう大変です。

不思議なことに、このクヨクヨは連鎖するもので、いつもなら問題なくやりとりできることも、気持ちが焦ってしまってうまくできなくなってしまう。


そして家に帰って、『自分って、語学全然できないのかも・・・』と落ち込んでしまう、なんてことも。


私は、そういう時期がありました。

語学力を向上させて、この状況を打開するしかないと思い、勉強に励んだ時期もありました。


それはそれで大切なことなのですが、あることがきっかけで、現場でうまくいかない、クヨクヨしてしまうという負の連鎖を断ち切ることができたのです。


これから頑張りたいと思っている、または今頑張っている通訳者さん、外国語の環境に身を置く方、学習者に是非読んでいただきたいエピソードです。


とにかく本当にクヨクヨしていた


のです(笑)

自己採点で言うと60点くらいの現場がありました。

その時は、いつもの2倍くらいの人が参加する現場で、ただでさえ通訳者の仕事は脳みそ耐久レースなのに、いつもより重圧を感じてしまったのです。

(脳みそ耐久レースの話はこちらです。)

いつもより緊張していたこと、重圧を感じていたこと、環境が違ったこと・・・そういった理由もあったのかもしれませんが、なんでもないところで小さなつまずきがあると、不思議とつまずきが連鎖してしまうのです。


原稿を読んで一度噛んでしまうと、なぜかその後も続けて噛んでしまうようなかんじと似ているかもしれません。


その日は家に帰って本当に、本っっっ当クヨクヨしていました。


もう過ぎたことはしょうがない・・・
今日、何がいけなくてどうすべきだったのか・・・
仕事の悔しさは仕事で取り返すしかない・・・


そんなことを自分の仕事ノート書きながら、なんとか自分を慰め、励ましていました。


それでもやはり『仕事の悔しさは、仕事で取り返すしかない』と強く感じました。


翌日から時間を見つけては通訳の現場を見学し、ベテランの通訳者さんから学べることをたくさん学ぼう!と決めたのです。


他の言語の通訳者さんから学んだこと


翌日から、時間を見つけては外国人事件の裁判の傍聴に行くことにしました。


裁判所に入ってすぐの場所に、当日の公判スケジュールが貼られているのですが、毎日少なくとも1件以上は外国人事件の裁判が行われています。


司法通訳などに携わる機会のない方は驚かれるかもしれませんが、日本ではそのくらい外国人犯罪が多いのです。

通訳の現場を見学したい方や、暇で裁判見てみようかなーという方は、気軽に誰でも入れるのでおすすめです。


最近では中国、ベトナム人の犯罪やカンボジア人などによる犯罪も増えていますが、やはり英語、スペイン語圏の方による公判も多いです。


中国、ベトナム、カンボジア・・・
英語、スペイン語・・・

どの現場でも、ほとんどが40~60歳くらいのベテランの通訳者さんばかりで、通訳の言葉選びからタイミングから、学ぶことが非常に多くありました。


でも!!!

でも!!!!!!笑


気が付いたのです。
大事なこと、大きな違いに気が付いたのです。


中国語、ベトナム語、カンボジア語などの通訳者さんは、みんな日本人ではないネイティブ。中国人、ベトナム人、カンボジア人。


英語、スペイン語の通訳者さんは、

みんな!!日本人!!!


だから何?と思われるかもしれませんが(笑)

また、中国語などの言語は、対中国人、対ベトナム人、対カンボジア人など、国と地域が限定されているのに対し、英語等に関しては、通訳の対象がアメリカ人などの英語圏またはスペイン人などスペイン語圏の人よりも、圧倒的にその他アフリカ系、アラブ系であることが多かったのです。

言ってみれば、中国語などはネイティブ対ネイティブで通訳が行われているのに対し、英語系などは非ネイティブである日本人対独特な訛りまたは第二言語としてその言葉を話す外国人のやりとりだったのです。


そういった状況から、英語系などの現場ではお互いにいわゆる完全な英語を話すネイティブではないため、『え?もっかい言って』『よく聞き取れなかったんだけど』みたいなやりとりが繰り返される場面も少なくありませんでした。


もう、目からウロコでしたね。


私は、一度聞き返されたり、自分が聞き返す場面があったりすると『あっ、なんか伝わってない?』『あっ聞き取れない、どうしよう』とテンパってしまっていましたが、なんだ、私がただ通訳する相手や比べる相手がネイティブしかいなかった。それだけだったのです。


もうネイティブと比べない!


私がクヨクヨしていたのは、ネイティブしか比べる相手がおらず、ネイティブと比べていたからなのだと気づきました。


ネイティブと比べてもしょうがないよね。
だって私、日本生まれの日本育ち、両親も日本人の純ジャパだもん。


できる限り自分の能力は高め続ける、準備も怠らない。
だけど現場でわからなかった時は、聞き返したり調べたり確認したり、そういうことを恥ずかしがらずにやろう。コンプレックスに押し潰されるのはもうやめよう。


そう思いました。


けど、もしかしたらベテランの先生たちにも、これまでそれなりに苦労や悩みがあったのかもしれません。

ベテランの通訳さんにも、わからなくてテンパったりクヨクヨしたことがあったのかもしれません。ネイティブ通訳者、日本人に関わらず、色んな経験を経て今があるのかもしれません。


余談ですが、私は、日本人で中国語通訳に従事している方に出会ったことがありません。


通訳者として、専門的に活動され、それでお仕事をされている方に。


こういった悩みと解決策も全部一人で導いていますが、『日本人の中国語でゴハンを食べている人』の友達、先輩がいれば、こういった悩みや経験を話したいなあ・・・と常日頃思っています。


フリーの通訳・翻訳者3年目ですが、同じ境遇の方に出会ったことがなく、寂しいですね。英語を話す方とは知り合う機会もあるのですが、中国語はなかなか(笑)


日本人で中国語の通訳をやっていて、友達になってくださる方を募集しています!もしいらっしゃいましたら、コメントください!と最後に書いてみました(笑)


とにかくですね、自分は自分なりに頑張っていこう!というお話でした。

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