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<不定期連載>読書会について本気出して考えてみた。|第5話「読書会の苦労と課題」(田中佳祐・竹田信弥)

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田中「回文が得意なライターの田中です」竹田「本屋の竹田です」
田中「今回は、読書会の苦労と課題について話していこうと思います」
竹田「ちょっとカタいテーマです。たしかに、結構数やっているので、いろいろ大変なことはありますね」
田中「ねすまりあはことなんへいたろいろい、でのるいてっやすかうこっけ、にかした」
竹田「それ、東京ホテイソンのやつ! さっきみてたからって」
田中「あれ面白いですね。冗談はおいといて、竹田さんは一番の苦労はなんですか」
竹田「ダントツで集客ですね」
田中「イベント全般に言えますが、これからはじめようと思う人も、いまやっている人たちも、共通した課題です」
竹田「僕たちはどうやって解決しているんでしたっけ」
田中「そもそも、僕たちは解決してはいないくて、集客数以外を目的にやっているので、考え方が違います」
竹田「たしかに、最初からふたりで本の話をしましょう、というところから始まりましたもんね」
田中「これだけでは、読んでいる人たちが怒り出しそうなので、僕たちの話をする前に、集客で成功していると思われるひとたちについて、僕の目線から話しましょう」
竹田「そうですね。僕たちのイベントでも、しっかりおえるところをおさえることで、しっかり集客できているイベントもありますね」
田中「しっかり集客していそうなイベントは、関係を構築しているところですね」
竹田「具体的には?」
田中「参加者の人が、次回友達を連れてくることが起きていたり、参加者の人が運営に関わって次のイベントを作ったり、テーマを設けて前回来た人がまた来てくれたりするところです」
竹田「当事者性を導入しているということですね」
田中「0から集客するのは労力がかかりすぎるので、1度参加してくれた人や自分の身の回りの人たちと協力してやっているとろこは、成功している気がします」
竹田「僕なんかは、関わる人が多いと、それもプレッシャーになっちゃんですよね。ひとりでやりがち」
田中「向き不向きはあると思います」
竹田「じゃあ僕たちは?」
田中「成功しているかはわかりませんが、連続する読書会という同じ作者の本を数ヶ月にわたって読む企画は、うまくいっていると思います。同じ読書体験をしている人たちが集まるので、関係性を築きやすい。また、途中から参加するひとも、先に集まっている人たちが、どういう目的で集まっているかわかるので、初対面でも共通の話題があって参加しやすいのではないかと考えています」
竹田「なるほど。ただ、さっき僕たちの読書は集客を目的にしているない、とも言っていいたと思うんだけど、何を目的にしているんですかね?あえてききますけど」
田中「自分一人では読めない本を課題本に読書会をすることで、挑戦するきっかけをつくっていますね」
竹田「つまり、僕たちの読書会はいかに多くの本と出会うかを目的にしているわけですね」
田中「その方が、本が売れるので、本屋さんがやる意義があると思っています」
竹田「人数が多い読書会も、集まりづらいテーマの読書会もどちらにもひらく意味がある」
田中「僕が挑戦したいから、というのが強いですけどね」
竹田「少し、最初のテーマとずれている気がするんですけど」
田中「いやいや、ずれてないです。そもそも集客を目的とした活動なのか、そうではないかのか、目的を理解しないと、苦労や課題が大きくなってしまいますよね」
竹田「あー、そういうことか。ついつい集客が目的だと思ってしまうけど、そうじゃない目的があったっていいわけですね」
田中「そうです。僕の場合は、宗教の読書会を友人ふたりでやっています。人数を増やしたいと思っていません。集客とは別の目的があるわけです」
竹田「言われてみれば、僕はお店をやっているのいで集客がよければありがたいっちゃありがたいのですが、実はそれが一番ではなくて、読者を増やしたいという思いがある。本屋はこれから本を読むことをサポートするべき、という考えがあるので、力を入れて売った本の読書会を開催したりしてますね」
田中「河出の「日本文学全集」を全部読む読書会なんかはその例ですね」
竹田「アフターケア的な役割」
田中「どうして読書会をやりたいのかを整理すると苦労や課題に対して適切に解決する方法が見つかるかもしれません」

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