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本に支えられている人生

 私は、子供のころから本が好きだったようだ。
毎晩10冊近く読み聞かせをしないと、眠らなかったようだ。
この年になってみると、両親の苦労が伺える。
しかし、根気強く読み聞かせをしたことで、ますます本好きになったようだ。
そして、今に至る。

 小学生のころ、女子に良くある仲間外れの対象になったことがあった。約1か月くらい一人ぼっちだった。
悲しかったし寂しかったが、休み時間一人ですることもないので図書館に入り浸っていた。
マンガ偉人伝を全制覇するという目標を掲げ、約一か月間で図書館にあるマンガ偉人伝を全制覇した。
全制覇したころには、一人ぼっちで寂しい気持ちも無くなっており、まだまだ他にも読みたいと本に夢中になっていた。
ちょうどそのころに、仲間外れの対象が他の子になった。

 私も一緒に仲間外れにするよう言われたが、自分がされて嫌なことはしない!と宣言し、その子を図書館に誘って一緒に折り紙を折って遊んだ。
その子は、あまり本が好きではなかったようだが、私に一人になっていた時何していたの?と聞くので、ここでずっと本を読んでいたよと話すと、本に興味を持ってくれた。
読んで面白かった本を勧めたり、図書館で静かに遊ぶのも楽しかったので、仲間外れとは言え2人でそれなりに楽しんでいた。
それを見てなのか何なのか、いつの間にか仲間外れごっこは消滅していた。

 社会人になって数年したころ、何もかもが上手くいかない時があった。
仕事も恋愛もイマイチ、それに体調もスッキリしない。
気力体力も全然なく、楽しいことも何もない時期があった。
誰にでも、そんなときはあると思うのだが、やはり人間、不調の時は自分一人が不幸な様な気持ちになってしまうものだ。
私も例外ではなく、この世の不幸を自分一人で抱えて生きているような気分になっていた。
そんな時に、自分の好きなことをすれば良い的なエッセイ本に出合うことが多かった。
本屋さんや図書館に行くと、どうしても目についてしまって一度読んでみるかと手に取ると、今まで凝り固まっていた考えがスッとほぐれていく感じがした。
著者の実体験や、その時の気持ちなどを読んでいくうちに自分の考え方も変わって、読み終わった時には私は世界の不幸はどこかに置いてきて気持ちが軽くなっていた。
救われたなぁと感じている。

 今も何だか気分が晴れないときや思い通りにならないなと感じることが沢山あるが、常に本を読んで助けてもらっている。
私にとって読書は、最高の癒しであり最高の支えなのである。
そんな文章を世に生み出してくれている作家さんには感謝しかない。
それに、自分の文章も、どこかの誰かの何かになれば良いなと思いながら、書いてみている。


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