ピントが合わない

最近目のピントが合わない。
しばらく眼科に行かないうちに視力も落ち、乱視も入っていた。
早急にコンタクトレンズを作り替え、眼鏡も新調した。
思ったより乱視が進んでいたので、新調したコンタクトレンズでも思いっきりクリアに見えるわけではなくなっていた。
運転免許の更新には問題ない程度に視力が出るレベル。
正直ショックだった。
いつまで目が悪くなるんだ。
裸眼では約2メートル先しか見えない。
コンタクトレンズやメガネがなければ、安全に生きていけないほど全くピントが合わない。
裸眼の私は常に目と鼻の先しか見えないのである。


人生の先の先まで考えて不安になることがある。
ありもしないことを考えて、こうなったらどうしよう、ああなったらどうしようと考えて、どうしようも不安になることがある。
先のことまで考えて行動しなさいと良く言われるが、本当にそうなのだろうか。
先のことまで考えるが故に不安になることが多すぎやしないか。


前の会社にいたときに、ふと不安になった。
このままここに居続けるのか。
毎日同じ時間に会社に行き、毎日同じような仕事をし、たまに怒られ、平日疲れを溜めて、休日はあっという間に過ぎていく。
こんな日々をずっとずっと続けていくのかと思うと、このままで良いのかと漠然と不安になった。


結婚して専業主婦になった時、これもまた不安になった。
どこにも属していない自分が、社会から浮いた存在なような気がして。
周りは仕事や子育てで進んでいっているように見えるのに、自分だけ取り残されている気がしてならなかった。
このまま家の中で過ごして、何も前に進まないまま時間だけが過ぎていくのではないかと不安だった。


結局のところ仕事にしろ、専業主婦にしろ、全然不安に思う必要はなかった。
その時その時で前に進んでいたし、振り返ってみても充実していた。
何も心配しなくても大丈夫だった。
後から考えたら心配しなくても良いことが沢山ある。
心配しなくても良いのだ。


視力が落ちてピントが合わない。
裸眼では、目と鼻の先のものしか見えないようだ。
でも、それくらいが調度良いのかもしれない。
少しだけ前を見て、そこに向かって少しずつ頑張るくらいが調度良いのかもしれない。

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