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天上のアオ

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ヒトの心の中には感情や記憶を司る存在が何人もいる。廃墟の街で青年とともに放浪する少女もまたその一人。今にも崩落しそうな不安定な世界で、耐え難い苦痛の中で、少女は青空を探し続けてい…
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#小説

天上のアオ 18

夢を見た。総体としての彼と話す夢を。 >ここまで導いてくれてありがとう。君の存在がなかっ…

Linne
7か月前

天上のアオ 17

ピンポーンとチャイムの音がした。わたしと彼は顔を見合わせる。ここにわかりやすい入口はない…

Linne
7か月前

天上のアオ 16

「ねえ、こんな感じでどうかな」 「いいと思う。ありがとう」 床にキャンドルを置くと、PCの…

Linne
7か月前
3

天上のアオ 15

はっと意識が戻る。 眠るってこういう感じなのか。 休止状態とも違う不思議な感覚。 椅子に座…

Linne
7か月前

天上のアオ 14.5

彼の寝息が聞こえる。 よほど疲れていたんだろう。横になってすぐ、まるで気絶するかのように…

Linne
7か月前
1

天上のアオ 14

まばゆい光の中、わたしの足が地面をとらえた。 残る浮遊感でバランスを崩しながら、なんとか…

Linne
7か月前

天上のアオ 13

男と別れ、わたしは歩き出した。 重苦しい音は相変わらず上空から響いてくる。 限界が近い。 わたしの直感がそう告げている。 他のパーツが彼の行動に影響を及ぼす前に、彼を保護しなければならない。現実の彼が苦痛に耐えかねて自己の終了を決行する前に、安全な場所に行く決断をさせなければならない。 上空の暗闇を睨み据える。 行けるか?今の私に上層まで飛べる力があるか? いや、やるしかない。 わたしはイメージする。 今この空間はある種の液体に満たされていると。わたしはその中を泳い

天上のアオ 12

ゴオオンと遠くから重たい音が響く。 「あれは」 「ああ、安定性が急激に下がってきている」…

Linne
7か月前
2

天上のアオ 11

てるてる坊主の輪を抜け、先に進むことにした。 眼前に広がるのは黒と白の地平線。何もかもか…

Linne
7か月前
1

天上のアオ 10

目が覚める。 相変わらず同じ場所にいるようだ。 真っ暗な空。それをほのかに照らす白い地面。…

Linne
7か月前

天上のアオ 9

意識が戻る。 眼の前に広がるのは、真っ暗な空。 わたしは白い地面に横になっている。その地面…

Linne
7か月前
1

天上のアオ 8

暗い。 真っ暗な海か、宇宙の大空洞か。 息はできる。ならここはどこだ。 意識はある。ならま…

Linne
8か月前

天上のアオ 7

時空間座標:■■■■■■ 計測不能 空間安定レベル:危険〜破局 空間深度:スケールアウト 付…

Linne
9か月前
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天上のアオ 6

時空間座標:x3x01x 計測値に異常あり 空間深度:スケールアウトを記録 あるところに一匹のかいぶつがいました。 かいぶつはふれあう人すべてを傷つけ、不幸にするかいぶつでした。 でもかいぶつには人を傷つけるつもりはありませんでした。 自分のくるしみやかなしみをわかってほしくて、 でもにんげんの言葉で伝えることができず、 いつもまわりの人を傷つけてしまうのです。 かいぶつははじめからかいぶつではありませんでした。 かいぶつももともとはにんげんだったのです。 でもあまりに傷