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舞台『モンスター・コールズ』東京楽日のあれこれ(当日券・東京楽挨拶簡易レポ)

 『モンスター・コールズ』東京公演、結局複数回観劇し、カテコの挨拶あるかもしれないし東京楽にも行きたい行きたい~!! となったので当日券チャレンジをしました。初めての当日券チャレンジで何が何だか分からないまま挑み、結果なんとかなったのですが、いつか誰かの役に立てたらと淡い期待を込めて流れを書き記しておきます。


1. 当日券電話チャレンジの記録

 渋谷PARCO劇場『モンスター・コールズ』での当日券対応は以下の通り
 ✅ 当日朝9:30~電話受付
 ✅ 一人1公演1枚のみ、座席指定不可
 ✅ ナビダイヤル対応、プリペイド式、CATV接続電話は不可
 ※大事なことは全部公式サイトに書いてあるので大変便利!

 チケットのために電話をかけるのは学生時代振りかもしれないと感慨深くなりながら、携帯電話2台と固定電話1台とメモ帳とペンを用意して10分前から待機していました。
 9:30を迎えたらひたすら電話をかけ続けます。回線混雑で最初から弾かれるパターン、ナビダイヤル案内までは行くものの本線接続時に話し中になるパターン、色々ありました。繰り返し再ダイヤルしてると、今ダイヤルしてるのか電話が切れてるのか、混みあっています案内なのかナビダイヤル案内聞いてるのか、状況が全然分からなくなってきます。頑張るしかない。
 腕が2本しかないため結局固定電話はほぼ使用せず、再ダイヤルが比較的容易なスマホ2台で397回・286回(発信履歴による)ずつかけたところ、9:57くらいに電話が繋がりました。

 ナビダイヤル音声案内のあと、数秒の呼び出し音を挟み人間のオペレーターさんが電話口でご対応くださいます。ずっと機械音声を聞き続けていたので少しビビるわたし。

オペレーターさん「本日分の当日券販売は予定枚数を終了し、キャンセル待ち整理番号のご案内となりますがよろしいでしょうか?」
わたし「問題ありません」

 その後、キャンセル待ち整理番号についての注意事項の説明を受けます。
 ✅ 確実に公演を観られるとは限らないこと
 ✅ 顔写真付き身分証明書を持参出来ること
 ✅ 開演10分前に開場に集合すること
 ✅ (案内出来た場合)チケット代は現金払いのみであること
 全ての条件を了承すると、キャンセル待ち整理番号を教えてもらえます。早い番号から案内されますので、整理番号が若ければ若いほど入れる可能性があります。わたしは1桁前半の番号だったので、うっかり電話で「えっ絶対入れるじゃないですか」とか口走らないか我慢するのに必死でした。
 整理番号を聞いて承諾すると、氏名と電話番号を聞かれます。このとき伝えた内容は当日券案内の際に必要になるので、名前と電話番号を間違えないように控えておいた方がいいです。何言ってんだお前と思われるかもしれませんがガチです。特に自分の携帯番号を覚えていない方とか複数番号お持ちの方とか!! 朝からの連続電話で死んでる脳をナメちゃいけないぞ!!

 話が前後しますが、当日キャンセル待ちで集まった方全員のうち、整理番号10番目くらいまでの方は座席でお見かけしました。何番までは確実に入れる! と言えないのが心苦しいですが、そこそこ希望を持ってよさそうです。

2. 当日券集合~座席案内まで

 開演10分前集合のギリギリさにドキドキしつつ、PARCO劇場に向かいます。キャンセル待ちの列形成は開演15分前くらいまで一切されないので(案内掲示等もないので予兆すらない)、呼ばれたらすぐ集合出来る場所で待機します。わたしは不安過ぎて劇場スタッフの方に「キャンセル待ちなんですが、ここで待っていて大丈夫ですか?」と確認してしまいました。逆に早めに行く必要はないので、ゆっくり向かって大丈夫です。

 時間になると集合がかかり、整理番号順に整列するよう指示があります。同時に顔写真付き身分証明書と整理番号、電話番号等の確認作業を行います。済ませたらあとはお金を準備して待つだけ。キャンセル席が用意されると、先頭から順に呼び出しがかかります。絶対入れると確信しているのですが妙に緊張しました。

 チケット代を払って入場します。すぐ着席するよう案内がありますが、一応お手洗いや物販に行ける自由はあります。ただ入場出来るのはどんなに早くとも開演10分前以降の時間なので、全く余裕はありません。色々あらかじめ済ませておいた方がいいです。
 PARCO劇場は真ん中を横切る通路を挟んで前方ブロックと後方ブロックに分かれているのですが、前方・真ん中のブロック端の席になりました。当日券は座席がいい、というのは嘘じゃなさそうです。

 休憩中や終演後、周りがあまりにもざわざわきょろきょろしているので、これはやんごとなき方が観劇に来られているな……?? と思っていたのですが、まさか風磨くんだとは思いませんでした。カーテンコールで登場する際、佐藤さんがある一点を見つめていたので、その視線の先にいらっしゃったのかなぁ~? などとぼんやり考えています。風磨くんと同じ舞台を観てしまったな……フフ……!!

3. 東京楽挨拶簡易レポ

 東京楽は前半のシーン、従来おばあちゃん役の銀粉蝶さんが担当されていたアンサンブルを、スウィングキャストの塚越志保さんが演じておられました。スウィングキャストとは万が一の事態の際、代役として出演するキャストの方の呼び名だそうですが、ただの代役ではなく全員分の代役を担います。全役の台詞を覚え動きを覚え、全体の流れを把握し、公演が無事行われるようサポートする、素人が想像しただけでも大変な役割です。
 佐藤さんが挨拶で紹介されていたのですが、特筆すべき内容と感じたので抜き出してご紹介いたします。他2名のスウィングキャストの方もカーテンコールでご登場なさっておりました。

 以下、東京楽挨拶で覚えているところ簡易メモです。

 いつも通り(?)山内圭哉さんとキャッキャしながら舞台に登場する佐藤さん。この日はベッド前に出て来てからもお二人でじゃれ合っていて、微笑ましいやりとりに我々も瀬奈じゅんさんもニッコリ。

佐藤さん「本日はご来場ありがとうございます。話したいこといっぱいあるのに、話したら泣いちゃいそうで……コナーであんなに泣いたんですけど、まだ泣くんかって」

山内さん「今日はですね~こんなことがありましてね~、みたいに話始めるわけにはいかんもんな。舞台の余韻台無しになるもん」(漫談みたいな話し方でカットインしてくださる関西弁の山内さん)(客席からこぼれる笑い声)

瀬奈さん「(面白くなっちゃって)もうすでに台無しかも!笑」

佐藤さん「オファーを頂いたのは4年前で、コロナで出来なかったんですが絶対やりたいと思っていました」
山内さん「何を?」
佐藤さん「コナーを。モンスター・コールズを、です」
(笑っちゃってる佐藤さん)
山内さん「4年越しのな。絶対やりたかったんやもんな」
佐藤さん「はい。4年越しの悲願で」
山内さん「その間に初舞台あったんやんな? 4年前にやってたらこれが初主演(ストレートプレイの)舞台やったなぁ」

佐藤さん「ねえ! ちょっと漫才やろうとしてます?」
(笑う山内さん)
佐藤さん「素直な気持ちを話そうとしてるのに……すごい(ツッコミが)くる……」

佐藤さん「今日はスウィングの3名が……」
(スウィングキャストの3名が一歩前に出られます)
山内さん「みんなスウィングって分かるんかな? 誰かが倒れた時代わりに入ってくれる人たちのことで」
佐藤さん「イギリスのカンパニーでは当たり前の制度らしいんですが、日本では珍しいかも。全部の流れと全員分の台詞を覚えていて、僕は台詞飛ばしてないかとかたくさん相談させてもらいました。他のキャストもみんな頼りにしてる存在です」
佐藤さん「気づいた方いるか分かりませんが、今日は一人出演してくださっています」
(塚越さんが客席に深くお辞儀されていました。会場とキャストからは拍手)

佐藤さん「まずは改めて、今日観に来てくださった皆様本当にありがとうございました」
佐藤さん「そして先ほどのスウィングキャストをはじめ、舞台の裏にはたくさんのスタッフが控えてくれていて、公演を一緒に作ってくれています。初日までの滞在でしたが、演出を担当してくれたイギリスチームも。きっとイギリスにも届くと思うので拍手をお願いします」
(佐藤さん、キャストの皆様、会場で空に向かって拍手)
佐藤さん「イギリスチームも、日本のチームも、表には出てこなくてもたくさんの人に支えられて東京楽の日を迎えることが出来ました。盛大な拍手をお願いします」

 とても佐藤さんらしい、誠実でかわいい東京楽挨拶でした。山内さんをはじめキャストの皆様との和気あいあいとした雰囲気も伝わってきましたし、何より ”裏方” スタッフの紹介に丁寧に時間をかけていたのが印象的です。

 善し悪しというよりエンタメ美学の話だと思うのですが、表に出ているもの、観客という消費者が作品として受け取るものが全て、という考え方もわたしは大好きです。ただ、昨今のエンタメについては少し事情が異なるとも感じていて、何よりコロナ禍によるエンタメ業界への影響が甚大であること、そして事務所問題により新たな懸念事項が出てきたことなど、そもそも ”表に出すまで” の労力が以前とは比べ物にならないほど大きくなっているのかもしれないと想像してしまいます。
 プロの美学により公表されないことの多い苦労、むやみやたらにその苦労部分に焦点を当てて取り立てる必要はないと個人的には思いますが、素晴らしい作品への感謝を、表に立たれる方だけではなく、関わり支え続けてくださった全ての方へ向けて拍手に乗せ伝えられるというのは、消費者としても非常にありがたいことだと改めて感じました。
 そしてその ”見えない部分” への想像力を助けてくれるような佐藤さんの挨拶、改めて大好きだなぁとしみじみ感じた東京楽の日でした。

4.まとめ

 当日券はマジで狙い目!!!!!

 大阪の感想、モンスター・コールズという作品についての改めての感想は千穐楽後にまた書きたいな~と思っています。


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