見出し画像

「未知との遭遇」 LUD Personal Works vol.11

グラフィックデザイナーの梁取瑶(やなとりよう)です。

今回は「LUD Personal Works vo.2」で制作した球体を用いたビジュアルのシリーズ2作目を制作しました。

テーマは「未知との遭遇」です。

ビジュアルに人がいるとそれだけでストーリーが生まれる感覚があります。なんでこんなところにいるんだろう、なんのために、今どんな感情なのだろう、とさまざまな想像が湧きます。作った自分に答えがあるわけではなく、それを想像してわくわくしながらビジュアルを制作しています。

前回はシンメトリーな構図でしたが、今回はそれを崩してアシンメトリーな構図になるように意識して制作しました。

普段仕事でデザインをしていてもシンメトリーな構図にしがちなところがあります。シンメトリーな構図が好きですし、左右対称なのは気持ちがよく、とても安心できるからです。でも、それを崩した中で成立しているデザインには、シンメトリーなデザインにはないインパクトがあったります。

また、前回と大きく違うのはモノクロのビジュアルにしたことです。

僕はこのモノクロの世界が好きです。白と黒の濃淡だけで表現されたビジュアルには無駄がない故の厳格さ、品格、繊細さ、美しさがあります。また、色がないということは、逆に言えばどんな色にもなりうるということです。このモノクロゆえの余白は、人に想像力を働かせるとてもいい要素だと思います。

モノクロにすると色の情報がなくなる分、より鮮明に構図や濃淡のバランスが際立ってきます。デザインの仕事をしていても、一度モノクロにして見るとそれまで気づけなかった部分に気付けたりします。

色はとても魅力的な要素ですが、それに頼りすぎてしまうと本質を忘れてしまう時があります。デザインが良くなくても色でそれっぽく見えてしまうことがあるからです。このようにしてたまにモノクロに立ち返るのはデザインの本質に立ち返るいい機会になるなと改めて思いました。

梁取 瑶 / Yoh Yanatori
Designer
1996年生まれ。千葉県出身。芝浦工業大学デザイン工学部プロダクトデザイン領域卒業。大学在学中よりLiNK-UP DESIGNにてCDジャケット、ロゴ、グッズ等、様々なプロジェクトに携わる。幻想的な作風を得意とし、個人でもビジュアル作品をSNSなどで発信している。

Instagram
https://www.instagram.com/y_yanatori/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?