べーさん

NGO駐在員(人道/開発)2年目。パレスチナ在住。外資メーカー→在外公館→政府機関→現…

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NGO駐在員(人道/開発)2年目。パレスチナ在住。外資メーカー→在外公館→政府機関→現職/SOAS Univ. of London MSc.Humanitarian Action(online) |トビタテ一期|トルコ留学

最近の記事

楽曲レビュー MOROHA「命の不始末」

“「いっそ殺せ!」なんて呟く。だけど本当に危険が迫ったとしたら恐らく命乞いする自分の姿が目に浮かぶ、" MOROHAの最新アルバム「V」で紡がれた言葉、とりわけこの「命の不始末」という曲の殺傷能力は、もう下手な化学兵器を超えてきた。そろそろ国連の偉い人たちは、SDGsがうんたらと講釈を垂れるのをやめて、ジュネーブ条約を改定してこの破壊力満点の代物の脅威をいかに低減すべきか、真剣に検討した方が良いのではないか。 MOROHA「命の不始末」 https://www.youtu

    • ストレイテナーという呪縛

      2月12日、かれこれ15年間、人生の半分ずっと愛聴しているストレイテナーのワンマンに行ってきました。 30年の人生で最高の記憶は2013年2月、武道館のアリーナ5列目で観た彼らのメジャーデビュー10周年です。 ファンのマニア心が反映された投票ランキングに忠実に組まれた31曲のセットリスト、結成当初のホリエ・ナカヤマの2人編成→ひなっち加入後の3人編成→OJ加入の最終形態、それぞれを再現した粋な演出、個性際立つリズム隊の刻む骨太なゴリゴリの音、それに彩を添える温かくも激しい

      • MOROHAと私

        2024年2月24日、私の音楽観を根底からぶち壊した音楽ユニット・MOROHAの生音と、長野・松本の300人規模の箱で遂に相対した。 彼らに出会う前、自分にとって音楽を聴くことは、紛れもなく現実逃避そのものだった。 私はその世界に、世俗的な物、生活感を感じるもの、ひいては固有名詞が入ってくることを極端に嫌った。 ブルシットな現実を一時忘れさせてくれたのは、部屋で壊れた機械や古い映画を味わっているという描写を多用するホリエアツシの歌詞であり、比喩に比喩を重ねたような90年代

        • 「人生には、代打もリリーフもない。」発達障害グレーゾーンと共に歩んだ20代最後の戯言

          20代最後の9月20日、筆者はADHDアスペグレーゾーンの本領を業務で遺憾なく発揮した。まさに、「一歩歩く度に足を複雑骨折する」と形容しても差し支えないレベルにやらかしまくった10年間を締めくくるに相応しい炎上劇であった。 こういう時に筆者がすることというのは、酒を飲みながら2chの野球スレ「なんj」の閲覧なのだが、最近はどうもスレッドをめぐる指が進まない。 かつて私にとって唯一ガキに戻れる現実逃避の手段だったプロ野球はここ数年、現実を突き付けてくるコンテンツに変わりつつ

        楽曲レビュー MOROHA「命の不始末」

          人間機関車~「当たり前」への執着を捨てる~

          「鳥栖の雀は真っ黒雀と言われていたんだ。」 いつだったか、死んだ祖父が蒸気機関車の模型を走らせながらそんな話をしてくれた事があった。 私の生まれた佐賀県鳥栖市は、福岡と長崎、熊本を結ぶ交通の要衝で、大きな機関区があった。そこでは何百もの蒸気機関車が煙を出していたから、街の雀はすすけて真っ黒になっていたそうだ。 戦時中に物資不足が深刻化すると、石炭を一切無駄にしないためのコスト削減への意識が高まり、「黒煙は機関士の恥だ」という横断幕が掲げられていたという。黒煙は石炭が不完全燃焼

          人間機関車~「当たり前」への執着を捨てる~

          アレルギーのあった'SDGs'を敢えて大学院で学ぶ理由①

          私は、民間企業、在外公館、政府機関を経て、社会人五年目の終わりにようやく国際協力のサブ(事業の中身)に深く関わる機会を得ることができました。 国際協力を志した多くの人は、「世界がもし100人の村だったら」のような本を読んで、貧困や不平等を是正したいという動機から始まる人が多いようですが、私の入り口は貧困ではなく紛争、具体的にはトルコのクルド問題でした。 あるクルド系女性国会議員の獄中書簡を読み、大好きなトルコで、民族的マイノリティのクルド人が存在を無視され迫害を受けてきたこ

          アレルギーのあった'SDGs'を敢えて大学院で学ぶ理由①

          【自己紹介】国際協力NGO職員、(半分)学生に戻る

          皆様、初めまして。国際協力NGOでパレスチナに駐在している者です。 大学を卒業後、メーカー、在外公館、政府機関を転々としたのち、2021年12月から、現職でガザ地区への人道支援に従事しています。 先日、イギリス・サセックス大学大学院のMsc Sustainable Developmentから正式な合格通知が届き、来年1月から修士課程を開始することになりました。 関連分野でフルタイム勤務する社会人を対象にしたオンラインのコースなので、パレスチナでの仕事は今まで通り続けつつ、二足

          【自己紹介】国際協力NGO職員、(半分)学生に戻る