高葉酸と低ビタミンB12はマウス胎児の脳発達に影響
多過ぎる葉酸は胎児の脳の発達に悪影響を及ぼす可能性がある、という米国カリフォルニア大学のマウスを用いた動物実験の報告。
葉酸はビタミンBの一種であり、二分脊椎などの神経管欠損を予防するのに必要な栄養素である。葉酸は、妊娠中の女性が十分な量を摂取できるようにするために、米国および他の 80 か国以上でビタミン、朝食用シリアル、その他の製品に添加されている。
しかし、今回研究は、葉酸が多すぎる可能性があることを示唆している研究者らは、葉酸とビタミン B12の不均衡がマウスの脳の発達に影響を与える可能性があることを示した。
研究者らは、妊娠前および妊娠中のマウスを対象に、葉酸が過剰で、ビタミンB12が欠乏するような食事を与えて、その影響を検討した。
その結果、葉酸の過剰またはビタミンB12の欠乏により、神経発達に変化が見られた。通常、脳の発達の後期に出現する皮質ニューロンが、より長い時間をかけて生成され、発達中の脳に定着して適切な位置を占めるまでに長い時間を必要とした。さらに、葉酸過剰とビタミンB12欠乏の両方により、多くのニューロンの相互接続が減少した。
体内で代謝されて葉酸になるフォリン酸の過剰はマウス胎児の脳の発達に影響を及ぼさなかった。
研究者らが予想した通り、葉酸過剰とビタミンB12欠乏が最も顕著な神経発達以上を引き起こした。
これらの結果は興味深いものであり、最終的には人間の病理に関連する可能性があるが、研究者らは十分な注意が必要であると強調している。動物モデルは、代謝率や葉酸の処理効率など、重要な点でヒトとは異なるからである。
「葉酸、ビタミンB12、フォリン酸に対する身体の反応は非常に複雑です。私たちは、これらの要素がどのように相互作用するかを決定する初期段階にいます」と研究者は述べている。「最終的には、神経管欠損やその他の潜在的な脳の健康問題を回避するために、どのくらいの量の葉酸塩をどのような形で摂取するのが最適であるかについて、最終的な答えを見つけたいと考えています。」
http://dx.doi.org/10.1038/s42003-023-05492-9
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