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マンガンへの早期暴露は思春期の認知機能に有益かもしれない

出生前および幼少期にマンガンにさらされると、思春期の言語学習と記憶に利益をもたらす可能性があるようだ、という米国ボストン大学などからの研究報告。 

研究者らは、近隣の合金鉄生産に由来するマンガン暴露による健康への影響を調査するコホートである「金属暴露の公衆衛生影響(PHIME)」研究において、イタリアの思春期児童140人(10-14歳)を対象とした2007年から2014年のデータを解析した。マンガン曝露のマーカーとして、妊娠中期から6歳までの乳歯の記録と、神経行動学的評価の結果を調べた。 

解析の結果、出生前の歯のマンガン濃度は思春期の記憶および学習エラーの減少と関連し、幼児期の歯のマンガン濃度は記憶想起力の向上と関連していることが判明した。しかし、出生直後(誕生から1歳まで)の歯のマンガン濃度は、思春期の記憶と関連はみられなかった。

「私たちの研究ではほとんどの関連性は無効でしたが、マンガンが思春期の言語学習と記憶に有益であるという証拠がいくつかみつかりました。人生の初期には、成長と健康な発育のためにより多くのマンガンが必要になるのは当然ですが、年齢を重ねるにつれてマンガンの必要性も変化する可能性があります」と研究者はコメントしている。

出典は『Neurotoxicology and Teratology

http://dx.doi.org/10.1016/j.ntt.2023.107307


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