タンパク質と脂肪もインスリン産生を促進する場合がある
血糖値の管理といえば、ほとんどの人は炭水化物の摂取量を数えることを考えるが、人によっては食事中のタンパク質や脂肪を考慮することも同様に重要である可能性があるようだ、という研究報告。
本研究は、炭水化物(グルコース)、タンパク質(アミノ酸)、脂肪(脂肪酸)という3つの主要栄養素のそれぞれに対して、さまざまな人がインスリンをどのように生成するかを大規模に比較した初の研究である。
研究結果は、血糖値を調節するホルモンであるインスリンの生成がこれまで考えられていたよりもはるかに動的で個別化されていることを明らかにし、同時に脂肪分の多い食品に対して過剰反応を示す集団があることを初めて示したものである。
研究者らは、幅広い年齢層の死亡した男女140人のドナーから採取した膵島を検査した。膵島は3つの主要栄養素のそれぞれにさらされ、研究者らはインスリン反応を他の8,000種類のタンパク質とともに測定した。
ドナーの膵島細胞のほとんどは炭水化物に対して最も強いインスリン反応を示したが、約9%はタンパク質に対して強く反応し、さらに8%のドナー細胞は他の栄養素(グルコースを含む)よりも脂肪に対してより強く反応した。
研究チームは、2 型糖尿病のドナーから採取した膵島細胞のサブセットも調査した。予想通り、これらのドナー細胞はグルコースに対するインスリン反応が低かった。しかし、タンパク質に対するインスリン反応はほぼそのまま残っていたことが研究者らを驚かせたという。
「これは、タンパク質を多く含む食事が2型糖尿病患者に治療効果をもたらす可能性があるという主張を裏付けるものであり、タンパク質刺激によるインスリン分泌に関するさらなる研究の必要性を浮き彫りにするものです」と研究者はコメントしている。
出典は『Cell Metabolism』
http://dx.doi.org/10.1016/j.cmet.2024.06.001
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