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アスリートの間で広く行われている実践は、パフォーマンスと健康の両方に害を及ぼす

アスリートが減量のために食事摂取を減らすことは、運動パフォーマンスと健康の両方に有害であるようだ、という研究報告。

アスリートの間では、減量がパフォーマンスを向上させるという考え方が普及しており、特に長距離走、水泳、サイクリング、ボートなどの持久力スポーツのアスリートの間では、競技前に食事摂取量を減らすことが広く行われている。

研究者らは、通常のエネルギー摂取量を持つ 12 人の女性トライアスロン選手(平均年齢27歳)を対象にランダム化単盲検クロスオーバーデザイン試験を実施した。試験の 1 つの段階では、選手らに 14 日間分のカロリーが与えられ、その後、パフォーマンスがテストされた。同じ選手らは、通常の集中トレーニング スケジュールを守りながら、必要なエネルギーの約 50% のみを摂取する 14 日間の期間も過ごした。

カロリー不足の期間中、アスリートは平均して体重の約 4% を失い、その約半分は筋肉だった。そして、パフォーマンスの低下を経験した。

また、免疫機能にも影響が及び、エネルギー摂取不足は全身のストレス増加と関連していることが明らかになった。アスリートのコルチゾール(ストレスホルモン)が大幅に増加し、免疫細胞のストレスレベルも劇的に上昇した。

その後3日間通常の食事をしたが、パフォーマンスは依然として低下していたという。

「多くのコーチが、アスリートに減量を強い続けています。何年もの間、減量はスポーツ界の文化の一部であり、今もそうなのです。私たちはこの現象を明らかにし、批判的に問いかける必要があります。私たちはアスリートに対して、身体的にも精神的にも実際何をしているのでしょうか?」と研究者はコメントしている。

出典は『Redox Biology

http://dx.doi.org/10.1016/j.redox.2024.103250

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