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緑の地中海食は劇的に大動脈硬化を抑える

緑の地中海/高ポリフェノール食は、血管老化と心血管リスクの増加のマーカーである近位大動脈剛性 (PAS) を大幅に減少させるようだ、というイスラエル・ネゲヴ・ベン・グリオン大学などからの研究報告。

大規模な臨床介入試験である 「DIRECT PLUS」 において、緑の地中海食は、健康的な地中海食および健康的なガイドライン推奨の対照食と比較された。研究者らは、緑の地中海食が近位大動脈硬化を 15%、地中海食は 7.3%、健康的な食事ガイドラインに沿った対照食は 4.8% 減少させることを発見したという。

「DIRECT PLUS」 は、300 人の参加者を対象とした 18 か月にわたる大規模な長期臨床試験であり、大動脈剛性を測定するために最も正確な非侵襲的測定法である MRI を使用した。

大動脈剛性は、血管壁の弾性の尺度であり、動脈壁内の弾性繊維 (エラスチン) が機械的ストレスによりほつれ始めると発生する。近位大動脈剛性 (PAS) は、上行から近位下行胸部大動脈までの大動脈の剛性を反映している。近位大動脈剛性は、血管老化の明確なマーカーであり、罹患率と死亡率を予測するための独立した心血管危険因子である。

「DIRECT PLUS」臨床試験チームは、緑の地中海/高ポリフェノール食の概念を初めて導入した。この改変された地中海食は、伝統的地中海食からは区別される。何故なら、それはポリフェノールがより豊富で、赤肉・加工肉がより少ないからだ。緑の地中海食群は、1日28gのクルミ、緑茶3-4杯、マンカイ(ミジンコウキクサ)植物グリーンシェイク1杯を18か月にわたって摂取した。マンカイは、生物学的利用率の高い鉄分、ビタミンB12、200 種類のポリフェノール、およびタンパク質が豊富であるため、肉の優れた代替品であるという。

チームはこれまでの研究で、緑の地中海/高ポリフェノール食には、マイクロバイオームの再形成(Gastroenterology 2021)から脳萎縮の停止(AJCN 2022)、脂肪肝(Gut 2021)および内臓脂肪過多(BMC Med 2022)の退行にいたる種々の健康効果があることを示している。

「健康的な食事を維持するだけでも、PAS の退行と関連があります。緑の地中海の食事は、PAS を 15% 劇的に減少させます。これは、食事とライフスタイルを簡単かつ実行可能な方法で変更することによって得られます。私たちの研究の結果は、すべての食事が同様の利点を提供するわけではなく、緑の地中海の食事が血管の健康を促進する可能性があることを改めて強調するものです」と研究者はコメントしている。

出典は『Journal of the American College of Cardiology


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