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貧血ガイドラインのためのヘモグロビン閾値

WHO(世界保健機関)の要請を受けて、1968年以来更新されていなかった貧血ガイドラインを改定するために、世界中のデータを分析し、年代別の新たなヘモグロビン閾値を設定した、という研究報告。

現在の WHOの貧血の定義は、50 年以上前に設定されたヘモグロビンの統計的閾値 (5 パーセンタイル) に基づいている。

研究者らは、新たなヘモグロビン閾値を定義するために、米国、オランダ、バングラデシュ、英国、オーストラリアなどの国々からの数十万人の健康な個人のデータを分析した。

「以前の貧血ガイドラインの基礎となった1950年代の研究には子供は含まれておらず、このデータがいかに限られているかが浮き彫りになりました」と研究者は述べている。

「私たちの研究に健康な子供を含めたところ、子供たちのヘモグロビン閾値はわずかに低下するはずであることがわかりました。これは小さな変化のように見えるかもしれませんが、何百万もの子供たちが貧血として分類されなくなり、治療の必要がなくなることになります。」

また、アジアやアフリカの一部の国では、これらの民族的背景を持つ人々は貧血のリスクが高いという一般的な考えがあるため、別々のヘモグロビン閾値を設定すべきかどうか疑問が生じていることから、研究者らは、この種としては最大規模の遺伝子研究の1つを実施した。

しかし、先祖の背景に基づいて現在の推奨を変更することを裏付ける確かな証拠は見つからなかったという。

今回の研究結果を受けて、改定された WHO ガイドラインは、世界中の何十億人もの人々の貧血の診断と治療を調和させるために初めて統一的に使用できる明確なヘモグロビン閾値セットを提供するものである。

「これらの新しいガイドラインが新たな世界的なアドバイスとして採用され、世界中で貧血がもたらし続けている健康負担の軽減に役立つことを願っています」と研究者はコメントしている。

出典は『The Lancet Haematology

http://dx.doi.org/10.1016/S2352-3026(24)00030-9


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