見出し画像

高齢者の疾患と生活習慣・環境

脱水・熱中症

本格的な暑さがやってきますね。この時期は、介護認定を受けている方に「介護保険負担割合証」が届く頃です。後期高齢者医療被保険者証も発送されるため、施設の相談員をしていた時は証の確認に追われたり、ケアマネをしていた時は証の確認のため居宅訪問の頻度が上がるので、なぜこの季節なのかと恨んだものです。介護保険も後期高齢者医療制度も利用料は前年度の所得に応じて負担割合が決まります。前年度の確定申告の結果が市町村に届いてからの処理になるためだとは分かるのですが、この時期は止めてと言いたかったです。

脱水の原因

高齢者はのどの渇きを感じにくいと言いますが、本当にそうだなと思ったことがあります。夏の昼過ぎに外出中、偶然お会いした利用者さんがふらつきを訴えられ、転倒してしまいました。勤務先が近かったので車いすを取りに行き、施設にお連れしました。骨折や打撲の有無がないかに気を取られ、しばらくしてから帽子を取るように促すと、なんだか顔が赤いような...。看護師さんに報告し、検温すると38℃ありました。取り急ぎスポーツドリンクを飲んで頂きましたが、一口か二口飲まれただけ。少量の食べ物と、果物を少し召し上がり、しばらく横になってもらってからお送りしました。

脱水ではないのですが、毎晩飲酒される別の利用者さんは昔ながらの「ビール以外の水分は飲まない。」とおっしゃる方でした。微小脳梗塞があり少し物忘れがある方で、訪問の度に掛け合い漫才のように水分摂取を促していました。寝る前に、コップ一杯が無理ならおちょこ一杯をこまめに、というように。特に危険だなと感じていたのが、冬場は夜中に尿意で目覚めても起きずに我慢されると話されたことでした。2階の居室から1階にあるトイレに行くのが寒くて嫌だと言い、水分も控えているとのこと。脳梗塞が再発しますよ、と言っても全く効きめはありませんでしたが、本当に発症してしまいました。同居の妻が本人のろれつが回っていないことに気が付き病院受診を勧めましたが拒否、別居の長男が電話で説得して救急搬送されました。10数か所細かい梗塞があったそうで、本人は至って元気なのですが一か月間ICUで治療を受け、後遺症なく退院されました。退院後お話したときは当日のことは何も覚えていないとおっしゃいましたが、「これからは水分を摂るようにする。」と照れながら話されたことが印象に残っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?