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別れた日の不思議なやり取り

彼と別れた日、別れることでお互い合意したあと、
ふたりとも結構泣いた。

なんとなく一息ついたところで
彼は、よかったところと改善した方がいいところでも言い合おうと言った。

なんてビジネスライクなことするんだろう
感情に任せて別れを惜しむよりも
この別れをいかに有意義にするか、に振り切っている
これは今私たちの話であると同時に、
別の先の未来に向かった話でもあるのだ。
冷たく感じる人もいるかもしれない。
私も少し冷たいなと思った。

ただでさえ悲しいのに、悪かったところを今から言われるんかと思うと身構えた。

良いところは優しいところ。
悪いところも優しすぎるところと言った。
もっとわがままになっていいのに。
自分が辛い思いをする必要はないよ。
と、彼は言っていた。
さすがに彼も鬼ではなかった。

私の番。
良いところはたくさん出てくる。
悪いところが言えない。
彼といて泣いたことも多々あるのだから、
悪いところはあるのだろうけど思いつかない。

ああ、優しすぎるとはこういうところか?と思った。

感情だけ、共感だけがどうしてもできない彼
解決策とか、こういうことが原因だと思うからとか

感情だけが先行してしまう私。
彼のそういうところに救われもしたし、苦しみもした。

感情と理屈のちょうど良い塩梅が見つけられずに
私たちは終わってしまったけど、
別れたあの日のミーティングを
私は多分この先思い出して笑ってしまうと思う。
ああ、なんて彼らしいんだ。

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