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完璧じゃないことば

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リリとクマ

ある森の奥に女の子が住んでいました。
リリという名前のその子は、少し小さな小屋で1人で暮らしていました。
読書したり、小鳥やリスと遊んだり、お昼寝したりする日々です。

あるとき、森に山菜を取りに出かけると、大きなクマに遭遇しました。
クマは言いました。
「お前を食べてやろう」
リリは答えます。
「食べてもいいけれど、今食べても美味しくないよ。
もっと太ったほうがきっと私は美味しいよ。」
クマは少

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春

鬱々とした日々も
雨が降って泣けてくる夜も

めいっぱい寝てしまおう

朝か昼かわからない時間に起き上がって
窓を開けて深呼吸する
春の匂いがあたたかい

空は夏ほど青くない
眩しすぎない日差しの中を少し歩く
近所の猫がしなやかに駆けていく

半分

半分

大丈夫
1人でも楽しい
1人でも生きられる

言い聞かせて言い聞かせて

いつのまにか1人に慣れた
楽しいことは全部半分になった気がした
悲しい夜は消えなかった

もう大丈夫だよってまだあなたには言えない

最近どう?って言われても
普通とつぶやいてそっぽむくのが限界
優しく聞かないでほしい
泣いてしまうから

慣れただけ
大丈夫ではないの
まだもうすこし