流行体感から読み解くサービス未来予測 流行予想シリーズ~お花の定期便編
私たちは「モノ」や「サービス」を選択する際、「みんなが使っているかどうか」を目安にすることがあります。「みんな」とは果たして誰でしょう?よく考えると極めて曖昧なイメージであり、感覚的なものであることがわかります。しかしその空気が私たちの行動を決める1つの要因になっているのも確かなことです。
本シリーズでは「みんなが使っている」という空気感を頼りに、今と近未来の流行の予想をしてみたいと思います。
2回目となる今回は、広がるサブスクリプション方式の中から「お花の定期便サービス」の分野を取り上げます。どのくらい普及しているのかという現状から、これから先の流行がどうなっていくのかを探っていきます。
1.お花の定期便サービスの現状と認知度
「お花の定期便サービス」とは、毎週や隔週、毎月など選択した頻度で、自宅に花を届けてもらえるサービスです。1回あたり1000円~3000円前後の金額設定が多く、「色だけ指定して何が届くかはお楽しみ」のようなサプライズ感があるものもあり、そこも魅力のひとつです。自宅への配送サービスのほか、ポスト投函や店頭受取ができるサービスもあります。花屋へ行かなくても、自宅に居ながら季節の花々を楽しめることが特徴です。
主な結果は以下でした。
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・「お花の定期便サービス」の認知率は全体で41%
・「知っているし、使っている」という現在利用率については全体で1%
・「知っているし、以前使っていたが、いまは使っていない」を含めた
利用経験率は全体で3%
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男女別では、女性のほうが男性に比べて認知率が高く、特に30~50代の女性では55%と約半数が認知。また、男女ともに30~50代のほうが、10~20代よりも認知率が高いことがわかりました。実際にサービスを利用している、または利用していた「現在利用率」と「利用経験率」については、男女差・年代差はほぼみられませんでした。
2.どのくらいの人が使ってそう?~現在の流行体感~
次に「お花の定期便サービス」を利用している人が、現在身の回りにどれくらいいると思うかを想像して答えてもらいました。グラフにある流行体感スコアは、100人中どのくらいの人が利用していそうかをスコアとして算出した数値です。
その結果「お花の定期便サービス」の流行体感スコアは全体で「1.7」。およそ100人に1~2人が利用しているイメージです。最も高いスコアとなったのは、10~20代の女性で「2.6」でした。若い女性の間では、周りの人がこのようなサービスを使っていそう、という認識が強いようです。
3.1年後はどうなるか~近未来の流行予想~
次に「1年後、自分のまわりでどのくらいの人が使っていると思うか」を想像して回答してもらいました。グラフにある流行予想スコアは、100人中どのくらいの人が1年後に利用していそうかを算出した数値です。
「お花の定期便サービス」の流行予想スコアは全体で「11.0」で、およそ10人に1人が1年後に利用していそうというイメージ。スコアとして高かったのは10~20代女性の「12.7」となりました。現在の流行体感から比べると、1年後の予想では今より6倍浸透しているようなイメージを持った人が多いようですが、1年後に利用していそう/していなさそうと思う、それぞれの意見を聞きました。
4.自分は使ってみたいか?~今後の利用意向~
次に、自身の今後の利用意向について回答してもらいました。 利用意向がある人の割合(「ぜひ使ってみたいと思う」、「機会があれば使ってみたいと思う」の合計)は全体で25%でした。利用意向がある人の割合は、男性よりも女性のほうが高く、特に10~20代の割合が高い傾向にありました。
一方、利用意向がない人の割合(「あまり使ってみたいと思わない」、「まったく使ってみたいと思わない」の合計)は全体で56%でした。利用意向の有無での理由は以下の通りです。
5.お花の定期便サービスは、今の6倍伸びる!?
ここまでの主要な数値をまとめてみました。 2020年12月13日時点、サービスの認知率は全体で41%、現在利用率は1%強でした。
流行体感としては、全体で”100人に1~2人くらいが使っている”イメージを持たれているようです。そして、いまから1年後には”現在の6倍程度の人が利用しそう”というイメージを持たれています。
「お花の定期便サービス」は、コロナ禍において需要が減ってしまったために起こった「店舗でのフラワーロス」と「生産者のもとでのフラワーロス」を削減することも期待されているサービスです。“花のサブスクリプション”という新しい形態のサービスのため、現状の認知・利用率はまだ高くはありません。また生活必需品ではない「お花」ではありながら、生鮮品の配送に該当する意味で価格も一定以上するため、花を好む人の中での需要にとどまりそうですが、それでも今よりは数倍伸びるのでは、という感触を抱く人が多いようです。今回の予想は20年12月10日時点の消費者体感であり、今後コロナの状況によってどのように変化していくかはわかりませんが、今後の動向が気になるところです。
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【調査について】
LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の18~59歳男女
実施時期:2020年12月10日~13日
有効回収数:2108サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数点以下第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならないことがあります。
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