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【読書】おしゃれと無縁に生きる(村上龍)
手に入れようと思えばいつでも簡単に手に入るという意識は、飢えを満たし、結果的に欲望を消してしまう
日本製の服は業界全体の2%と言われています。おそらくその数字を多いとみる人はいないのではないでしょうか。
「海外で安く作れれば、それで何も問題ないのでは」と思う方が大半という現実がこの2%という数字にしっかり表れていると思います。
洋服が簡単に手に入りすぎて、商品への興味が乏しくないっているように感じます。それが作られている背景、どんな素材かは関係なく、目の前にある商品がオシャレかどうか、周りの人から賞賛されるものかどうか。。。表面的な情報だけで服が流れていく。
「欲望」本当に自分が欲しいものであればしっかり調べたいはず。どんな素敵な人が、どんな思いでその商品を作っているのか。なぜその値段がするのか。
服が2%しか自国で作れていないということは、結構危険なことなのではないかと感じます。何に関しても手を使って作り出せることが最終的に強いのではないかと思うのです。
私達が現在「使っている」と考えている世界の工場も国のパワー関係が変われば、日本が頭を下げてお願いをしないと服を作ってもらえない時代がくるかもしれません。国と国との情勢がかわれば服が入ってこなくなることもあるかもしれません。
そのときに国内で服を作れる手がないとなれば、服が手に入らないという時代が来ても不思議ではありません。
安い服は今の生活を少しだけ潤してくれるかもしれません。でも長い目で見れば日本の服作りの技術を残すことが「服の飢え」を回避する道なのではないかと思うのです。
是非ファッションが好きな方々には強い「欲望」を持っていただき、簡単に手に入る表面的な弱い「欲望」から卒業して欲しい。
そして出来れば日本で頑張る職人さんや技術者さん、クリエイターさんに目を向けていただき、自分の手でモノを作り出す方たちの商品を使う方が増えたら、日本のモノ作りも少しずつ変わっていくのではないかと思うのです。