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仕事も大事だけれど、息抜きも大事。

このところ衣替えの繁忙期で、インターネットで宅配クリーニング店を経営している身としては、少々、忙しい日々が続いています。
ですが、ちょっと息抜き。

つかの間の休日を利用して、鳥取県日野町の滝山公園というところに行きました。
山が一つ丸々公園になっているというくらい広い公園です。

私も子供のころから何度も来ていますが、遊歩道が山中に縦横無尽に張り巡らされていて、すべてを制覇しているわけではありません。

石段や急な坂も多く、なかなか手ごわいと思います。
本来はつつじの名所なのですが、まだ満開時期ではなく、つつじはちらほら咲いているといった感じでした。

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大きな木々が連なる参道をゆっくり歩いて、滝山神社に参拝します。

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神社の遥か後ろには、大きな奇岩が聳えていて、こんな所にも、たたらの遺跡が残っているそうです。
たたらというのは、日本古来の鉄づくりの工房です。

神社の右後ろには大きな滝があるのですが、現在は立ち入り禁止になっていました。
そして、水が少ない。

冬にはこの滝が凍って、壮観だそうです。
雪の深い中をここまで登ってくる勇気は私にはありませんね。
さらに、周辺の木々が生い茂り、なかなか良い写真がとれませんでした。

この公園の中腹には、お勝が池という池があります。
そして、怖い伝説があり、小泉八雲(イギリス名ラフカディオ=ハーン)が本にして残しています。
私が子供の頃に聞いた話です。

ある寒い日のことだった。
黒坂村の麻取り場で、村の女たちがいろりを囲んで麻を束ねる作業をしていた。
「こんな寂しい夕暮じゃが、幽霊滝にだれか肝試しに行かんか」
ひとりの女が言うと、隣の女が「そんなことができたら、ここにある麻束をぜんぶやるわ」
そんなたわいもないことを言い合っていた。
すると、大工の女房の 安本勝という女が
「そいじゃあ、わっしが行くけん、皆の麻束をわしにくれ」
と立ち上がった。
お勝は吾子を背負い、寂しい山道をひとりで登っていった。
細い道を登り切った先の暗闇に小さな祠がぽつんと建っている。
祠の後ろには大きな滝があり、ごうごうと音を立てて水を落としていた。
お勝が祠まで来た証拠に、賽銭箱を持ち帰ろうとしたときに、滝の方から
「お勝」と呼ぶ声が聞こえた。
お勝は髪の毛が逆立つ思いで。賽銭箱を抱え山を走って降りた。
無我夢中だった。途中までおりて背中が生暖かいのに気付き、お漏らしでもしたのだろうかと、子供を背中から降ろそうとした。すると、子供の首がなくなっていた。
お勝は子供の骸を抱えて、そこに泣き崩れた。
そこにお勝の涙で池ができたそうな。

神社は薄暗い森の中にあり、子供心に、絶対ここには一人で来ないぞと思った記憶があります。

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(写真はイメージ)
流石に怪談話を得意とする小泉八雲の残した話です。

地元には、まだ歩けない子供を、滝山神社に連れて行ってはいけないというしきたりが残っています。おぶってゆくと首がなくなるというのです。
小泉八雲が作った話なのか、もともと地元にあった話なのかは分かりません。
怖いのでお勝が池の写真は撮りませんでした。


怖い話はここまで。
春のうららかな日を浴びて、登ってきたのと違う遊歩道を通って降りてみます。

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なぜか中年のカップルが多いです。
アトラクションもないこの静かな公園が、中年向きなのでしょうね。
桜もまだ残っています。

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つつじの見ごろは4月下旬でしょうか。
ここの栗饅頭は美味しいんですよね。
チャンスがあれば、また来ようと思います。


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