見出し画像

「脳育」 -脳と神経、正しい姿勢、五感を刺激して脳を育てる-①

はじめに-五感とは-

人間の脳は、脳に送り込まれるさまざまな感覚情報を、的確に処理できるか、できないかによって、喜び(快感)や不快さを経験する。そしてこのような経験を繰り返すことで、脳は成長し発達する。

脳に送り込まれるさまざまな感覚情報は全部で5つ。
① 視覚 ( 見ること )
② 聴覚 ( 聞くこと )
③ 嗅覚 ( 臭うこと )
④ 味覚 ( 味わうこと )
⑤ 触覚 ( 触ること )

では、幼児期の子供 ( 1歳~6歳 ) の食事においてこれらの感覚はどのように脳に刺激を与えているのか。ここでは特にスプーンやフォークの使い始めの年齢 ( 1歳後半~ ) を基準として考える。


① 視覚 (見ること)
食べ物がもつ色の刺激によって脳は経験し発達する。例えば、トマトだと赤色であり、キュウリは緑色。ご飯は白色であり、ミルクもまた白色である。幼児は視覚を通して、色の違いの変化を脳に伝え認識し、経験を再構築している。

② 聴覚 (聴くこと)
幼児は食事をするとき、必ず咀嚼をする。幼児はこの時のモノをかんだ時に発生する音を認識する。例えば、りんごは、シャクシャク、キュウリはポリポリである。ミルクはゴクゴク、お茶もまたゴクゴクである。咀嚼音は食べ物の種類によって異なるが、これらの食べるモノによって変化する音の違いを聴覚を通して脳に伝え認識し、経験を再構築している。

③ 嗅覚 (臭うこと)
幼児は食事をする時、食べ物の臭いを嗅いでいる。これは能動的、受動的に関係なく、臭いは自然と幼児の鼻に到達する。また、臭いの種類は食べ物の種類によって変化する。
例えば、りんごは爽やかな香り、イチゴは甘酸っぱい香りである。焼いたお肉は脂の香り、焼いた魚は脂の香りと少し生臭い香りである。幼児はそれぞれの食べ物が発する臭いを認識する。これらの食べるモノによって変わる臭いの違いを嗅覚を通して脳に伝え認識し、経験を再構築している。

④ 味覚 (味わうこと)
食事をするとき、舌を通して食べ物が持つ味を経験する。味の違いは食べ物の種類によって変化する。例えば、レモンは酸っぱい、りんごは甘酸っぱいである。メロンはすごく甘い、ご飯はほのかに甘いである。幼児はそれぞれの食べ物が持つ味を認識する。これらの食べるモノによって変わる味の違いを味覚を通して脳に伝え認識し、経験を再構築している。

⑤ 触覚 (触ること)
幼児は食事をするとき、スプーンやフォークを使い食事をする。乳児であれば、食べ物を直接手で持ち口に入れる。乳児であれば、食べ物が持つ感触を楽しみながら食事をする。例えば、りんごは堅い、キュウリは堅いである。豆腐は柔らかい、ご飯は少し堅いが柔らかいである。乳児はそれぞれの食べ物が持つ感触を手を通して認識する。幼児はこれらの感触をスプーンやフォークを通して認識する。これらの食べるモノによって変わる感触の違いを触覚を通して脳に伝え認識し、経験を再構築している。

以上が、五感を刺激し脳を育てる(脳育)上において重要な要素なのであるが一つ考慮しなければいけない点が存在する。それは、今現在のスプーンとフォークの形状で触覚機能が効率良く機能しているかどうかである。通常のスプーンてフォークの形状は柄の部分が細長くなっている為、初期の使用段階において幼児は握り持ちをすることになる。握るという行為は、脳の中の大脳における運動野が、脊髄神経の中の運動神経を通して握るという指令を脳から送っている結果である。

次回は、“握る” と “持つ” の視点から、手を通しての感覚情報が脳の成長発達に及ぼす影響を考察していく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?