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コーチング~問題解決せずに問題を解決する方法

コーチングの講習受講中、フォローアップセッションということでコーチのセッションを受けることができる。その時間は自由に使ってよいと言われており、私は以前は受講していてわからなかった疑問点などについて教えてもらうセッションにしていたが、先日、思い切ってコーチングをしてもらった。
自分の中では、自分の悩みや想いを人に聞いてもらうのは心理的にすごくハードルが高いと感じていたために、これまでコーチに話すことには抵抗があってセッションは避けてきた。が、「やってもらってみよう。コーチングでどうなるのか聞いてみたい」と、お願いしてみた。
こういう気持ちになったのはたぶん、講師への信頼関係がかなり熟成されてきたからではないかと思う。

お題は、子どもの学校における保護者による勉強会グループを抜けるかどうかについて。勉強会グループの方向性が自分と合わないことはわかりつつあったので脱会はほぼ決心がついていたが、どうもすっきりと「じゃあ抜けよう!」と行動できない。これはなぜなのか、その気持ちの整理ができればと思った。

受けてみて。

とにかく、コーチングってすごい。

本当にすっきりと気持ちの整理がついた。それも、そのやり方が鮮やか以外の何物でもなかった。
相談前は、「このグループを抜けようかどうしようか悩んでいる」という相談なら、そこに残ること・離れることのメリデメについて比較することになるだろうと単純に思っていた。
しかし、セッションの最中に、メリデメの話は一切出なかった。
ましてや、私がなぜそのグループを抜けたいのか、何が問題なのか、そんな話も一切しなかった。ひたすら、私が今後どうしていきたいか、どんな暮らしをしていきたいのか、将来の話に終始した。

コーチ「今、どう感じていますか?」
私「グループを抜けるかどうかの相談をしていたつもりなんですが、その話は全然出てこなくて、私の将来の夢の話ばかりしていて、あれ?という感じになっています。」
コーチ「あ、ばれたか(苦笑)。じゃあ、今、私が感じたことを言ってもいいですか?」
私「お願いします。」
コーチ「○○さん(私のこと)は、将来やりたいことがかなり明確に決まっていて、それにむかうための判断軸が既にできているように見えます。だから、それとは相いれないことをしたり合わない人と過ごす時間がもったいないと思っているような印象をうけましたが、いかがですか?」

図星だった。

というか、コーチに言われて初めて気づいた。ああ、そういうことか、と。脱会について迷う必要はないんだ。進みたい方向に進もう。
これはコーチングの当初の目的である「脱会に際してなぜ後ろ髪をひかれるのか」という問いには応えてないが、結果としてすっきりと脱会を決断できるということであればなんら問題ない。
コーチとは今後の行動について約束して、セッションを終えた。
「コーチングは問題解決の方法をアドバイスするものではない」ということについて実感したセッションだった。

その後の講習で、「なかなかクライアントのありたい姿を引き出すことができない人が多い」「すぐに問題解決の方向に走ってしまう人が多い」という話を聞いた。
私も練習中に時に問題解決の方向へと迷子になりそうになる。しかし、このときのコーチングの実体験を思い出すと、そうではないのだ、ということを思い起こして迷子にならずに済むようになった。それくらいに衝撃的なセッション体験だった。