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見えざるモノの正体

タイトル“不思議なSNS友達”
5000文字ミステリー


この話しはある人からの相談から始まりました。
以前、noteでも紹介しましたが、SNSを通して訪問営業についての相談をされました。

第1章 [謎のメッセージ]


わたしはその日も部屋にこもっていた。
夜中から朝にかけて、小説の執筆をしたりYouTubeの動画作りをしていたので、とても寝不足でした。
いつも睡眠時間はあまり無いので睡眠不足気味です。
日差しがカーテンの隙間から差し込んできて、顔を包み込んできたので、目が覚めた。
ん?眩しいなッ…
目覚めたわたしは、起きたらすぐにチェックするものがある。数少ない他人とのつながり「SNS」である。
その日は、最近知り合ったばかりのXから連絡がきていた。

▼Limeさん。この前から変なメールが来るようになったんで、みてもらえますか?

XとはSNSつながりの人である。
男か女かも分からないがXはわたしに信頼をおいている。
Xにとってわたしは唯一無二の心を開ける人物らしい。

▲わたしは「どんなメールなんですか?画像送ってもらっていいですか?」

▼はい。ちょっと待ってもらえますか?

数分待ったのちにXからこんなものがきた。

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▲とくに怪しそうなところはない普通のツイートだと思いますよ。

▼それがですね。わたしはこの人物は知らないんですよ。
 素性はおろか性別、年齢すら分かりません。
 ある日、何気なくフォローしていたんですよ。
 そんなこと、ありますでしょう?Limeさんも。

▲そうですね、わたしもTwitterやってますけどバンバンフォローしてますね。

 おそらくその中の誰かなんじゃないの?とわたしは言ったんですけど、Xがいうには自分の身近なこととかも詳しくて気味が悪いと思ってわたしに相談してきたんです。
Xは先日、訪問営業の件でわたしなりにアドバイスをあげた人なんですけど、それ以来いろいろと相談されるようになりまして。
あのときは、Xに営業を回っててもなかなか獲得できません。と相談されたのでわたしは…

「営業という戦闘に来てるのに、弱気になってませんか?」そう答えました。
断られるのは100も承知。始めから弱気だと獲得できませんよね?と答えました。
笑顔でハキハキと声を大きく、相手より身体を張って大きく見せる。

と、答えてあげたんですよ。もちろんXはただのSNSつながりです。
わたしはあまり人とのコミュニケーションをとらないんですけど、つい返信してしまってからちょくちょく会話するようになりました。
知恵袋とかの相談みたいに軽い気持ちで答えてあげる程度だったんです。
あ、直で電話とか無しです。わたしはそういうのは無理なんで。
わたし自身LINEは身近な2〜3人としかやりとりはしないです。
ショートメールもそうですし、TwitterでDMが来るんですけど、返信などしたことはないし。
Xも人付き合いもあまりなく家にこもっていることが多いらしい。仕事も在宅ワークらしいので出かけると言っても近くのコンビニに行くこととゴミ捨てくらい。
食事はウーバーで宅配をしてもらっているので、不自由はしないようです。
欲しいものは通販サイトから購入できるし、給料は銀行振り込みかキャッシュレスだから、わざわざ銀行やATMで引き出すこともない。
現金など使わないし持ち歩かない。最近はそういう人が増えたし、わたしも現金など持たない主義です。

わたし自身、Xの素性がわからないので、わたしからしたらあなたも不気味な存在なんだけど…と思っていましたが、馴れ馴れしく親しげに話してくるXに対応してあげてました。

第2章: 意気投合


Xと相手はメッセージのやり取りを通じて、共通の趣味や興味を見つけ、次第に仲良くなっていったようです。彼らは本名を知らずに、SNS上でだけの友達として繋がっていったようです。

▼その人なんですけど、趣味とか興味あることも似通っていて唯一気が合う人なんですよ。

▲どんな趣味なんです?

▼その人もLimeさんみたいに小説を執筆したり読書も好きなんですよ。最近は画像生成AIにも興味を持っているらしくて執筆の合間を見て、いろいろなモデルを生成してます。

▲何だかわたしとも気が合いそうですねwww
わたしもまだAIは触って間もないので、勉強不足なのでお互いを高め合いたいですね。 

SNSでの繋がりって素性が分からないから自分の本心をぶつけることができますよね。2ちゃんみたいに。普段の日常生活で自分の本心をぶつけてくる人ってあまり見かけないですよね。
わたしは逆なんですけど。つい本心をぶつけてしまいます。
それが誰だろうと。言いたいことがあれば言うべきだと考えています。うちに込めるとそれが次第に膨らんでいって、いつか爆発するんですよ。ストレスやイライラや不満などはその場で小出しにしていってすぐに解消してないといけないと思います。
似たような性格の人には似たモノが引き寄せられるものです。
わたしとXが似た性格だと感じてるようにXとその人も同じなんでしょうね。
彼らは、毎日のように連絡を取り合う仲になっていき、お互い意気投合しだしたようでした。
ただ、やはりSNSということもあり本名は明かさないで接していた。わたし自身、SNSでは本名など決して明かさないし、写真などをアップする際にも細心の注意を払って掲載しています。隅から隅までヌケがないかチェックした上でアップします。
SNSとは見えない相手とのやりとりなので、携帯を持つようになり始めてから気をつけています。
わたしも以前、SNSで連絡しあって会ったこともありましたが、一度怖い思いをしたこともありもう会うことはやめたくらいです。
Xは仕事のことでもわたしではなくその人に相談を始めたらしいです。気が合う仲…といえばいいでしょうか。
趣味嗜好まで似通っていて、ソウルレイなのかもしれませんね。前世からの繋がりのある人がまさにそれにあたります。知り合ってばかりでも何だか話しがあって気が合う人っていますよね?会話がなくても普通の自分のまま、飾らない自分のままでいられる人。
そう言う人って体臭も合うらしいですよ。
また合わない人の匂いって受け付けないんですよね。
みなさんも心当たりがあると思います。
わたしは以前に聞いたことがあります。
わたしもそう言う人は出会ったことがありました。
もう先に亡くなってしまいましたけど。
noteでもたまに不定期連載している「わたしの相方のこと」でも紹介している人です。
あの人とは出会った瞬間に分かりました。
あ!わたしのこの人と一緒になる。結婚する…って、出会って目が合った瞬間に分かりました。感じとったと言った方が伝わるかもしれません。
だから、Xもそうだったのかもしれませんね。


第3章: 信頼の深化


Xは次第に相手に対する信頼を深め、日常生活での悩みや喜びを共有するようになりました。SNS上での友情はXにとって非常に重要なものとなったらようでした。
毎日のように連絡をしあって、日常生活のあらゆることを会話したり談笑したりして、その仲はさらに深まっていったようでした。しかし、素性がわからないのは相変わらずです。
やはり、仲良くなっていくと次第に相手のことをもっと知りたくなるものです。
その信頼関係は、いずれどちらかが会ってみようと言い出すのは時間の問題であるだろう。
わたしはあまり深く関わらないようにしていました。が、逐一報告してくるので、どういう状態なのかは把握していました。
相変わらずXはわたしにも心を開いてくれているらしい。と感じていました。
わたしはと言うとどちらかといえば、あまり人と関わりたくない…けど、実際にはコンビニの店員さんにもペラペラとおしゃべりするタイプです。
きちんと並ばずに列に割り込んでくるような人にも遠慮なく注意します。変に正義感があるところはトラブルを招く原因でしょうね。今のところは何にも問題はありませんけど、そのうちトラブルを引き起こしそうです。
わたしは、自分自身もXに対して心を開き始めているのでは?と感じ始めていました。
はたして、わたしはこの人を信用してもいいのだろうか?
Xが言ってることを100パー信じていいのか?
ほんとは、すべてが嘘でわたしを陥れようとしてるのでは?と感じずにはいられない。しかし、馴れ馴れしく接してくるXはどこか憎めない。この人もわたしみたいにコンビニの店員さんにも馴れ馴れしく喋る人なんじゃなかろうか?と思い始めていました。
この人はきっと寂しがりなんだな。わたしと同じ。
誰かと繋がることで自分の中に安心感を与えているんだな。
わたしの中にもこの人のイメージが膨らんでいた。
人の心って奥深い。本当か嘘か本人にしか分からない。
まるで目に見えない駆け引きみたい。
そういう人の心の隙をついてくる人がいるからわたしも気をつけないといけない。そう思っていたときにXから連絡がきた。

▼Limeさん。実は、その人から連絡があって今度会ってみようってことになったんですよ。
▲えっ?どうするの?会うわけ?
▼ずいぶん悩んだんですけどね。その人を信用することにしました。Limeさんも来てくださいよ。
▲えー!わたしやだな。そういうの。
Xのしつこい異様なほどの説得を受けてわたしは渋々受けることにしたんです。だだし、5分だけですからね。5分したらわたしは勝手に帰りますから。店には行きます。遠くから一目見てから帰りますので。と伝えました。
Xもそれには納得して応じてくれました。

第4章: 衝撃の告白



Xはその日の夜に部屋で相手のメッセージを見ていた。
いつものようにTwitterのDMを開いてみると、相手は自分の名前を書いてきました。
彼女は(蒼井 桜子)というらしい。まず間違いないだろうと本人も思っていました。
先日わたしとのやりとりのときに話しが出た喫茶店と時間が指定されてあった。Xはわたしにも同じ彼女からのDMを添付してきた。
内容を見ると言葉を選んで丁寧な文言が並んでいた。
言葉にはその人の魂が宿るというが、この女性の人柄が目に浮かぶようだった。

Xは(メッセージを読みながら)不思議な人だけど、何か引かれる…と感じたらしい。

SNSチャット

蒼井桜子:こんにちは、Xはわたしにとって本当に特別な人なのよ。

X: ありがとう、でも実際に会うのはやっぱりちょっと…

蒼井桜子: 分かるわ、でも私たちがつながるのは運命だもの。

カフェ - 日中

Xと蒼井桜子は初めて対面することになる
わたしもXに約束したから仕方なくカフェにいた。

X: Limeさん…すみません。わたしが蒼井桜子です。

わたし: やっぱりそうだったのね。薄々勘づいてましたけど。

X:Limeさん、私は特別な存在なんです。Limeさんにとって。


X: 今からわたし(蒼井桜子)の真実を明らかにします…

蒼井桜子と名乗ったXは、ふっ…消えた。目の前で。

わたし: 桜子さん?どこに行ったんだろう?

そのとき、スマホ画面に怪しいメッセージが送信されてきた。

メッセージ: 「蒼井桜子はあなたの内なる友達。」

わたし: いったいどういうことなの?
今までずっとわたしがSNSで会話してきたXって?
わたしは自分自身と対話していたことに気づいた。

Lime: なぜ自分を見つめることができなかったんだろう?

Lime: 自分で鏡を見つめ、笑顔で結末を受け入れることになる。

Lime: これからは、本当の友達と向き合っていこう。


これで物語は終わりです。不思議な友達が実はわたしの内なる存在だったことが明らかになり、物語は自己受容と真の友情へと続いていきます。

結局のところ、わたしが待ち合わせ場所に行くと、驚くべき事実が明らかになった。相手は実在しない存在で、SNS上でのやり取りはすべてわたし自身の内面の対話でした。この2人の友情は自分自身との対話と成長の過程で生まれたものであり、孤独を克服するための手段でした。わたしは自分の殻にこもっていた。それで別の自分自身を産んでいた。そんなことにも気づかないでいたなんて。

見えざるモノの正体は、現実と仮想の世界、孤独と友情、自己発見と成長についての多くを深く考えさせられました。わたしは目に見えない相手を通じて新たな人生の道を切り開き、自身の内なる強さを見つけることができた。

この話しはフィクションです。Lime〜笑


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