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バスマティライス  うちにあって 日本の一般家庭の1%未満にしかないだろうと思うものを挙げてみる その1

「朽ちた百葉箱とジャングルみたいな庭の家です」
家に初めて来る人のためにそうLINEグループに送ったら、中の実際来たことのある人がツボにハマって爆笑しているのを子どもに見られて怪訝な顔をされたそうです。自分からは言いにくいけど、他の人からもそう思えるような所に住んでいるのは確かなようです。

そんなところに住む私の家にあるもので、まあ所持率1%未満じゃないかな?と思うものを挙げてみます。また反対に所有率数%くらいは行っていると思っていても、そうでないかもしれません。

日本の一般家庭としたのは、日本に住む外国の人なら「こんなのあって当然じゃないか」と思うかもしれないからです。
ちょっとエスニック寄りなことは自覚しています。


さてまず1個目は

バスマティライス

20年以上、家にジャポニカ米、いわゆるうるち米の他に、インディカ米は常備しています。
タイのジャスミンライスのことが多いのだけど、時々手に入るとこのインドやパキスタンの高級ブランド米、バスマティであることもあります。
今あるのはこれ。5Kg入り。

ジャスミンライスは、地方のスーパーでも「ガパオライスの素」やら「レトルトグリーンカレー」などが売られているのを見ると、常備はしていなくとも家にある率1%を超えるかも?と身構え、1回目はインディカ米の中でもインド亜大陸あたりの高級米のこれにしました。
ネタに困ったら加えるかもしれません。

上 ゆめぴりかの米粒
下 バスマティの米粒

米粒の状態でこれだけ形に違いがあるので、炊いたご飯はさらに縦の長さが違います。

子どもの頃膝を折って正座した時の太ももの形がまるでご飯粒のようだなあ、と思ったことがありました。
娘が一番プリプリと体重があった頃、体幹部に比べて太ももが太めの体型なので、ご飯粒ではなく炊く前の米粒みたいだと口にして軽く怒られました。あまり気にしない性格なので半分笑ってはいましたが。
そしてこの下のインディカ米は、実はうまい具合にインド人の太もものシルエットに似ているように思います。インド人は膝下がとても長いのですが、膝上だって長いのです。
そして炊き上がったら更に長くなって、ここでようやくそのシェイプは人間の太ももから離れ、まるでバゲットとか蚕が伸びている時に近くなります。
香りや艶が分かりにくければ、もはやごはんとは考えにくく、息子は「生しらす?」と言っていました。

香り
これは随分違います。

ほこり臭いとスレスレの香り。

インドで自炊していた時、ほぼ高級なバスマティではなくもっと安い一般的なインディアンライスを買っていました。
というのは、自炊で日本人である私が作るとやはりどうしても広義の日本食になるからです。そしてバスマティ(特にコヒノールやデラドンなど名産地のものは特に)は香り高く、香り高いということは日本米ではない独特のにおいが大変強く、現地の料理と合わせると妙なる香りとハーモニーになるのですが、醤油を使ったおかずと合わせると拮抗しあってちょっと妙な具合になるのです。
その上、水分が多くツヤツヤモチモチの新米を至上とする日本と正反対で、水分が抜けて香りが凝縮して更にほこり臭くなったような古米の方がランクが上。値段も上。
パラパラとモチモチの違いも極端です。
自然と香りが薄く主張の少ない、しかしあまりに安価だと石とか入ってるし違う意味でにおうので、まあまあの等級の、インド人にとっては面白味のない米を選んでいました。

常々不思議に思っていることがあります。
今こそタイ米は一回分の300g程度の袋であったり、パックご飯であったり、スーパーや輸入食材店で売られているのも見ますが、それにしてもレトルトのタイ、インド風のカレーなどの普及に比べ、随分少ない気がしてなりません。
〇〇の素系の食品のパッケージを見ても、大抵の日本人にも馴染みのあるものを加えて作れるようになっており「できたらごはんにかけます」的になっているものも多いようです。

でも、「ごはん」と言って片付けてしまっていいのでしょうか?こんなにも風味が違うのに。香りも味も食感も。それとも日本のごはんにも合うようなアレンジがされているのでしょうか?

長期旅行中、スリランカの海老の産地で、それまで2年口にしていなかったシュリンプではなくプラウンサイズの海老で、日本から送ってもらった海苔とすしのこを使い、ちらし寿司を作ったことがありました。それはとてもとてもおいしいものでしたが、米はそこでは高級とされているサンバライスという種類のものを使ったので、2年間の日本食への著しい飢えという調味料がなければ、ちょっと微妙だったかもしれないと思います。
それくらい米の風味は料理とのマッチングに影響を与えます。
もっとも、サンバライスは、食材の好き嫌いがあまりない現夫が「いいお米であることもこっちではこれが好まれることもよくわかるが、炊いた時のにおいがどうしても受け付けない」と言ったもので、相当においは特殊です。青臭い感じです。栗の花みたいなにおい。
現夫に言わせると、「精液臭」だそうで、確かにと思わなくもないのです。スリランカのチリだけでなく山椒系の痺れる辛さのカレーとは相性が良いのですが。

このようにごはんといっても風味が全く違うのに、おかずだけを本格的な味付けにしても、ごはんはあくまで日本米を使った場合、その地域の味を体験したと言えるのか?

「日本ではSOBAというヌードルが人気だ」という評判で、とある国でそばの出汁が家庭用調味料として売り出されているとしましょう。
鰹だしなどを使ってそれなりに再現してあるそれの作り方の最後に
「茹でたフェトチーネをこの出汁につけて食べましょう。お手軽に日本の味!」
と書いてあったら微妙な感じがしないでしょうか?

まあ、そう面倒臭いことにこだわるのは私だけ、自分の口に合ってそんな気になれたらそれでいい、と思う人が圧倒的なのかもしれませんが。

というわけで、バスマティはこんな感じの料理には合います。
粘りが持ち味の最高級コシヒカリと合わせる気にはなりませんが。

上 右 アルゴビ(じゃがいもとカリフラワー)
中央 ダル(豆のスープ この日はムンダル皮付き)
トマトのライタ(ヨーグルトサラダ)
下 バスマティライスにかけたパラックチキン(ほうれん草カレー)

チキンが入っているのでノンベジですが、北インドでよく食べたものが好きなので、取り合わせを変えてよく作ります。

やっぱり、炊いたお米、細長いでしょ?

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