歩くはやさで
うつわと手仕事のお店を始めます
2020年の8月にこんな記事を書いてから、気づけば1年半が経ちました。
会社員をしていた当時、いつかうつわやお茶や本に関わって生きていきたいという思いを綴った記事。
この記事を書くより半年ほど前、わたしがやってみたいお店(空間)は、ネットを使って小さく始められるのでは?ということにふと気がつき、その方法を模索し始めました。たしか、ちょうど2年前。
何事も形から入るタイプの変なところで完璧主義なわたしは、まずはライティング以外のスキルを身につけようとデジハリでWEBデザインの勉強を始めました。
その後、やっぱりモノを売る仕事が好きだと再認識して、まずはEC業界を経験しようと思って転職。(デジハリやりながら転職して後半めちゃくちゃ大変になってしまった話はいつか書く)
楽天のネットショップを運営したり、写真を撮ったり、真夏の灼熱の倉庫で発送作業をしたりしているうちに、気づけば1年半が経っていました。
そうしてようやく気がついたのは「形が整ったら始めよう」と思っていても、いつになればその時がくるのかはわからないということ。
どんなに形を整えたつもりでも、絶対に見通せない先はあって、全てを完璧にして臨める未来はないのだから、いまから小さく始めよう。
そう決心できたので、うつわと手仕事のお店の準備を始めることにしました。
うつわに惹かれる理由
いまから6年前、岐阜県中津川市のギャラリーで働いていたときに、陶芸家の方と知り合いました。
手仕事で作られたもの、そして実際に生活の中で使える道具に惹かれて、それからさまざまなうつわを探すようになりました。
民藝運動の柳宗悦も言うように、有名かどうかではなく、人の手で作られ、使われるもの、使いやすさと美しさの融合しているものに惹かれるようになりました。
見て楽しめる美術(アート)も好きだけど、暮らしに根付いた道具に無意識に惹かれていたのかもしれません。
また、中津川に暮らしてみて、中津川やその周囲で出会った人たちは、地域・出身地へのアイデンティティが深いと感じることが多くありました。
名古屋近郊の典型的なベッドタウンで育ったわたしには、自分が暮らしてきた街への思い入れやアイデンティティがほとんどありません。
父が生まれ育った街や、母の故郷でもあり、わたし自身が高校生活を送った街には多少の思い入れはあるものの、自分の実家がある街への愛着があまりないということに初めて気が付いたのもこの頃でした。
地元を離れてみて、自分が暮らしていた街やその周囲にあるものを見渡したときに、焼き物の産地が豊富にあるということに気がつきました。
知多半島には朱泥の急須で有名な常滑焼。東には瀬戸焼、美濃焼があり、西には萬古焼や伊賀焼もあります。少し離れるけれど、タヌキの焼き物で有名な信楽焼も日帰りで行ける場所にあります。
それに、わたしは日本茶が大好きです。
父方のルーツは静岡にあり、祖父の仕事はお茶を売ることから始まりました。わたし自身もお茶が大好きで、日本茶を売っていたこともあります。(いつか日本茶インストラクターの勉強がしたい)
また、お茶にはうつわが欠かせません。(美味しいお菓子も!)
美味しいお茶と、お気に入りのうつわとともに、ご飯やおやつを食べるとき、疲れていてもほっと心が安らぎます。
お茶を淹れるのは面倒という人もいますが、お茶を淹れて待っているわずかな時間、そんな余白の時間があるから落ち着ける気がします。
そして、わたしがやりたいことはなんだろう?と考えた時、余白の時間を作る人でありたいという思いが心の隅にいつもあって、それを形にする第一歩がうつわと手仕事のお店をやるということではないかといまは思っています。
名前をつけるということ
まだ、ネットショップの準備は始まったばかりですが、もう名前は決まっています。
「うつわと手仕事 夕凪舎」
夕凪舎(ゆうなぎしゃ)という名前は、もう5年くらい前に友人と話しているときにふと思い浮かんだもの。
その頃は何がしたいか、何をやれるかは全くわからずに、でも何か屋号を持って活動したいなという漠然とした気持ちを持っていました。
夕凪とは、夕方に海風と陸風が入れ替わるわずかな時間に無風になる状態のこと。
仕事や家のこと、人間関係、慌ただしい生活のさなかにあっても、穏やかに凪いで暮らしていたい。
そして、そんな時間を作れるような人でありたい。そう願って「夕凪」という言葉を名付けました。
まだ準備は始まったばかりですが、いつかこんなnote書いたなあと言える日を目指してこつこつやっていこうと思います。
古本 夕凪舎もはじめました
うつわのネットショップと並行して、ご縁があり、以前よりやってみたかったひと箱本屋さんの活動もスタートしました。
場所は愛知県瀬戸市にある「本・ひとしずく」さんです。
↓本・ひとしずくさんのインスタとTwitterはこちら
https://www.instagram.com/hitoshizuku_books/
お茶やうつわと同じくらい、わたしは本が大好きです。
多読できるタイプではないので、読書量は多くないのですが、とにかく本がたくさんある場所、本のかたち、質感が大好きだということは自信を持って言えます。
本のタイトルや装幀を見て、どんな世界が広がっているかを想像するとき、とてもわくわくします。
ここ数年よく見かけるひと箱古本市や、間借り本屋さんのような活動をいつかしてみたいなあと夢見つつ、旅先ではいつか行きたいと思っていた本屋さんへ足を運ぶ日々が続いていました。
今回、ご縁があって本・ひとしずくさんというとても素敵な本屋さんでひと箱本屋さんを始めることができて、とてもうれしくわくわくした気持ちでいます。
どうぞよろしくお願いします。
歩くはやさで
アフリカのことわざに「早く行きたければ一人で進め。遠くへ行きたければみんなで進め」というものがあります。
わたしの場合は、一人だし、いちいち遠回りもするし、さほど早くもない計画かもしれません。
でも、車に乗っているときには気づけない景色も、歩いているから見つけられることもあります。
一人で不器用に歩くはやさでしか行けないことも多々あるだろうと想像していますが、それでも自分の思う場所を自分で作ってみたい。
いつかネットを飛び出して、自分の空間を作れたらいいなあと夢想しながら、こつこつと目の前にあるタスクと向き合っていく毎日です。
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