見出し画像

介護で思ったこと 11 ホスピス相談見学3

つづき

△ 短期入院できると知り一安心

「ご家族が介護で疲れた時など、
短期間お父さんを預かることもできます」

ホスピス見学時、緩和ケア外来の看護師さんが
教えてくれた短期入院制度。

とても心強いサポートがあると知ると、
在宅介護もますます前向きになれる。

そして自宅では
訪問診療のドクターはじめ医療スタッフさん、
訪問看護師さん、そしてケアマネさんが
連携を密に、力を合わせ
「自宅で過ごしたい」という願いがある
父を看る体制を整えてくれている。

家族は気持ちをしっかり持ち生活できていた。

野生の蘭。暖かいところに行きたい🌺

△結局ホスピスには入院しなかった


ホスピスに入院することは結局なかった。
ただ一度短期で預けようかと思ったことがある。

ある日を境にせん妄がひどくなり、
家族が振り回されるようになったのだ。

真夜中にTVをつけて、
ニュースはなぜ放送していないのか、
と家族を起こす。

夜は自宅に帰っていた私は、
大切な話があると真夜中に
突然呼び出されたことがある。
慌てて駆けつけると本人は寝ていて、
目覚めた時にはその騒ぎは全く記憶にない。

それまで穏やかで認知機能に問題なかった父が、
突然の興奮、錯乱する様に家族は混乱し、
この状態が改善しないのなら
一時入院をさせようかと皆思い、
訪問看護師さんに相談した。

明るく元気で
訪問初日から父の心の扉を
開いてくれた看護師さんは

もう少し様子を見てから
考えましょう。

ちょっと考えてそう言い、そして

残された日はあまりないかも知れません。

とも言った。

2年目の蘭💛蕾がついてる

△途中休憩所のない人生最後の下り坂

そうなのだ、父は途中休憩所のない、
人生最後の坂を加速度をつけて
降っていたのだ。

しばらくするとせん妄は収まり、
寝ている時間が多くなってくる。

ある夕方、看護師さんが帰る際
「また来るからね。心配しないでね」
と声をかけてくれると、
父はパッと目を開き、
「ありがとう」と声を出し、
手を差し出し彼女に握手を求めたのだ。

その日の夜容態が急変して
父は静かに息を引き取った。

△ つながって、教わって、救われた



2021年Noteを始めた頃、介護は
私とは無関係の世界のことだった。
要支援1が要介護2になりそれが気づいたら
要介護5のハードモード介護の
当事者となっていたのである。

どうにかこうにか難題を乗り越え、
最後まで走り抜けられたのは、
多くの人の助け、そして辛い中でも
学びが多くあったからこそなのだ。

場面毎、状況毎に
的確なアドバイスをくれる
介護・福祉・医療の専門家に相談できたから。

病院、自宅で
適切な医療を提供してくれる
医療スタッフに出会えたから。

自身の最期の時と対峙している人達が
過ごしている空間があることを教えてくれた
ホスピスとその医療スタッフに巡り会えたから。

こうして当時の振り返りをできるようになった
今でも感謝の気持ちでいっぱいだなのだ。




この記事が参加している募集

振り返りnote

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?