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「深夜特急 オン・ザ・ロード」を聴きながら

斎藤工さん朗読の「深夜特急 オンザロード」。

放送時間は23:30-23:55。
朝型人間なのでリアルタイムでは聴けず、
radikoのタイムフリー機能で翌日聴いています。

低音で渋く優しく包容力たっぷりの斎藤さん声
とっても素敵💕

△「深夜特急」と「ミッドナイト・エクスプレス」

インドのデリーからイギリスのロンドンまで、
乗合バスを乗り継いて行くことができるか?

不可能だという友人と賭けをした私は
僅かな全財産をドルにかえると旅に出た。
ミッドナイトエクスプレス、深夜特急とは
トルコで捕まり、刑務所に送られた、
ヒッピーたちのの隠語である。

脱獄することをミッドナイトエクスプレスに乗ると言ったのだ。

もしかしたら私にとってもロンドンへのその旅は
日常という名の牢獄からの一種の脱獄であったのかもしれない。

その時、私は26歳だった。

深夜特急 オン・ザ・ロード

毎回この語りから始まる沢木耕太郎氏の紀行小説。

実は私は小説「深夜特急」を読んでいません。
ただ1978年製作のアメリカ映画
「ミッドナイト・エクスプレス」を公開時観ているのです。

そして今回初めて知ったのですが、「深夜特急」
という本の題名はこの映画に由来するそうです。

△ 映画「ミッドナイト・エクスプレス」

朗読をきいて映画のことをリアルに思い出しました。

トルコ出国直前にイスタンブール空港で
アメリカ人青年が麻薬不法所持で逮捕、投獄される。
刑務所内は生き地獄。
人間の尊厳など全く配慮されない極限状態から
自由を求めて脱獄するまでのストーリー。

トルコで実際に投獄され脱獄したアメリカ人の
自伝をもとに映画化されました。

当時10代の私がどういう経緯で
ショッキングな内容、映像のこの映画を
観に行ったのか全く記憶にないのですが、
ホラー映画を見てしまったような戦慄を
鑑賞後覚えたのはをはっきり覚えています。

そもそも違法行為をした主人公が悪いのです。
それは自明のこと。
そしてトルコ司法制度の下罪を償うのは当然。
ただ自業自得、と言って済ませてしまうには
トルコの刑務所内の環境、彼が受けた暴力、
理不尽な扱いがあまりにも壮絶。

見終わった後の感想は
「トルコは怖い国で絶対に行かないでおこう」
トラウマになったと思います。

名ばかり法治国家としてその内情を暴くための
ネガティブキャンペーンではと思うほどの
ひどい描かれ方をされたトルコ。

原作も虚実入り混じった箇所があり
又映画化に際しかなり脚色された内容となり、
当時のトルコ政府から抗議があったそうです。
(当然です)

Netflixから。リンクを貼れなかったので写真お借りしました

△ お茶の間束の間海外旅行

渡航制限がされたコロナ禍中も
海外は遠くなりましたが、
海外が今よりずっと遠かったあの頃。

インターネットもスマホもない時代、
海外は本当に海の向こうのまだ見ぬ世界。
日本から一歩も外に出たことがなかった私は
映画、本、そしてガイドブックからの情報で
見知らぬ土地のイメージを思い描き、
海外への憧れを持っていました。

それから40年以上経ち訪問国は16カ国。
歴史ある文化豊かな親日国とは知っていますが
結局トルコには未だ行っていません。

私が辿ったことのないルート、方法での
ロンドンへの旅路。
斎藤工さんの素敵な声に導かれ、
私も空想の羽を広げ旅に誘われています。

お付き合いいただきありがとうございます。

空と海 出張中の家族から

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