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ラスト・タンゴ・イン・パリ

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ラストタンゴインパリを観た。

美術、ファッション、メークがお洒落。この映画のどうにもならないつらさをファッションという視点に置き換えてみると、ポジティブな視点になります。

女性が被る帽子は、ラマンと似ていますが、ラマンの原作でも帽子の描写が出てきたとおもいます。ストーリーは、まったく違います。公開年が1972年作品なので、60年代~70年代のファッションが好きな方はインテリアや衣装などを面白いと思うかも知れません。

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暗殺の森(同じ監督)や愛の嵐(作品の公開年が近い)に似ているとおもいました。

ロリータでは、アメリカに来たイギリス人のフランス文学者の男性と、下宿先のフランス人の娘(ロリータ)という、ちょっと難しい設定なんですが、この作品ではホテル支配人であるアメリカ人男性と、アパルトマン世帯主のフランス人女性という関係が似ているなあとおもいました。

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男は女を自由にしてやるべきだと、愛の嵐の時に強くおもったのですが、今回もそうおもいつつ、女性の最後の着けれなさとそれにつけ入ってくるような男性とのラストの方の関係が、痛ましく、哀切でした。

フランス映画では、中年になると「これこそおっさん」というふんぞり返った様になる男性が多いですね。なんでだろう……。でもこの作品の男性は、内面の葛藤がすごいんですよ。

ラストで女性がエレベーターで上昇していくのを男性が追っかけるシーンが、すごく見覚えがあるのですが、他の映画にそっくりなシーンがあったっけ、とおもいました。

「終わると思えばすぐ始まる」は、男性の冗談でしょうが、少女にとっては重くつらい言葉です。この自分本位な中年男性につきあうのは大変です。

「終わりなの」という彼女の言葉を酌んでやるべきだとおもいました。

男が最後に見つめたものと、彼女が最後に見つめたものは?

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