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【シンガポール国立大学留学②】  ー出来事編ー

2022年の1月よりシンガポール国立大学(NUS)に派遣交換留学に来ている鈴木梨里(りり)です!
1月から 5月までの派遣交換留学生活を、1ヶ月に一回の頻度でnoteに書き記していこうという試みをしております。
1ヶ月分の日々を1つの記事にぎゅっと詰め込むととても長くなってしまいそうなので、異国の地で何をみて何を経験したかを綴る「出来事」パートと、その日々の中で自分自身が思考したことを書き連ねる「内省」パートの2つに分けて書いています。今回は2月の「出来事」編です。


シンガポールに来てから丸1ヶ月が経った2月はこちらの生活にも慣れ、ダンス部に所属し練習を始めたり、インターンシップ(無給)を始めたりと、現地での活動を本格的に開始したひと月となりました!
2月の出来事編ではNUSの課外活動やボランティア活動、そしてシンガポールでのインターンシップについて書いてみようと思います。 

課外活動

NUSにおける課外活動には大きく分けて、寮主体で行うものと大学全体でチームを組成するものがあります。前者に関しては、NUSの寮ではそれぞれが独自のチームを抱えており、寮の中にある4つ程度のHouseごとに開催される課外活動(サッカーやダンス、クッキングやガーデニングまで幅広くあります!)に参加することができ、活動頻度も1〜2週間に1回と自由度の高いものとなっています。一方後者のNUSのチームは4万人近い在学生の中からその活動に興味のある学生を集めチームを組成するので、活動はより本格的です。日本におけるサークルと体育会のような違いに近いかもしれません。

私自身は日本で週に5回チアダンスをやっており、シンガポールでも踊りたいと渡航前からNUSのダンスチームを見ていたことから、NUSのダンスチームに所属することに決めました。学期途中でNUSのチームに新たに入部することはあまりないため、チームにメールやSNSのダイレクトメッセージを複数回送り、ソロのダンス動画を送り、そして最後にメンバー全員とディレクターの前でオーディションを受けるという長い長い過程を経てやっとチームへの所属を許されました。活動頻度は週に3回と日本の体育会と比較すると少ないですが、NUSの正規生が抱えている課題の量や良い成績を取ることのプライオリティの高さを鑑みると、その忙しさは尋常ではないと思います。クマを作りながらもスタジオに来ている姿を見て睡眠時間を削りながら踊っていることを感じます。

4月のパフォーマンスに混ぜてもらえることになりました。楽しみです:)


インターンシップ

日本、もしくはシンガポールにて将来起業をしたいというライフビジョンを持つ自分にとって、今回の留学の目的の一つに、シンガポールにて人との強い繋がりを築くということがありました。そこでLinkedInを通じてアプローチをし、交換留学生を無給で受け入れてくれるスタートアップに履歴書を送り面接を受けることで、下記の2つの企業に、インターン生として受け入れてもらうことができました。

① 日本に起業家育成プログラムを販売する教育系スタートアップ

② 高齢者向けの転倒防止見守りカメラを販売するテック系スタートアップ

1セメスターのみ滞在する 交換留学生を受け入れてくれる企業はなかなかなく、まずは面接の機会を頂くのに苦労しました。面接も私が受けたものは日本の就活用の面接とは大きく異なり、事前にメールにてあなたが過去に取り組んだものを示せる資料があれば用意しておくように言われ、30分の面接では私自身のことを聞かれることはなく自分が過去のインターンで取り組んだプロジェクトを画面シェアしながら説明しました。

どちらもアーリーステージのスタートアップであり、チームメンバーとの意見交換や絆作りのための対面作業ができるという恵まれた環境です。特に見守りカメラを販売する後者はB2Cでビジネスを展開しようとしていますが、別々に暮らす年を重ねた両親の安全を確保したいという強い需要がある一方、人の生活を24時間「見守る」ための商品は倫理的になかなか受け入れられないという状況の中で活路を見出そうとしているため、そのような商品をどう伝えどう届けられるのかに強い興味があります。

そして何よりも楽しみなのが、2つの企業が扱っているテーマは教育と高齢社会であり、教育制度の変革の必要性に迫られている点や高齢化が進んでいるというファクトはシンガポールと日本の両国が共有する課題であるということです。私自身がこれまで蓄積してきた知識や経験を共有し、現地の社員とは異なる視点からディスカッションに加わることで付加価値を提供できるように頑張りたいと思います!


ボランティア活動

先ほど紹介したようにNUSの寮はまるで寮そのものが一つの大学のように、いくつかのHouseを持ち、チームを抱え、そして独自の授業や課外活動を展開しています。サイエンスやアート、コミュニケーションなど、寮ごとに設定された異なるテーマに基づいてカリキュラムが作られるのです。私の寮はコミュニティエンゲージメントをテーマとして持っているので、児童・高齢者・障がい者・保護犬/猫の里親・移民労働者など一般的に「社会的弱者」とカテゴライズされることの多いコミュニティにアプローチしています。私はこの中の移民労働者に焦点を当てたグループと、視覚障がいを持つ子供たちと交流するグループに所属しています。

先週参加したセミナーでは、兵役期間中の事故で視覚を完全に失った方が政府や家族のサポートを受けながらDialogue in the Dark Singaporeという組織で働き始め、自分と同じような境遇にいる人たちをFamilyとしてサポートしている方が講演をしてくれた。
“I am disabled but not unavailable”という言葉が印象的だった。

寮が展開するプログラムであるもののインストラクターとして教授や大人が同行することはなく全て学生のみで運営されており、代表の学生が夜遅くまでラウンジにてプログラムの設計をしている姿が印象的でした。一方これらの課外活動が次年度も寮に滞在できるかの判断材料に用いられるなど(全ての学生が寮に滞在できるわけではなく、一定程度の大学への貢献が求められます)、学生が主体的に関わるように仕向ける学校側の制度も完璧に整備されており、NUSが大学という場を、ただ授業を受ける場所ではなく、寮や社会での経験も包含した多角的な学びの場として活用し切っていることを示す一例であると感じます。

最後まで読んでいただきありがとうございました:)
内省編もこれから書いていきます〜!!


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