息子の家出
『家出します』の紙がハラリと舞った。
裏を見ると『日帰りです』の注意書き。
「最近、気持ちがモサモサする」という思春期の通過儀礼か?と考えを巡らせる。
1人になりたいんだよね?
昼間だし探さなくていいか?
いや、探してほしくてやってるのか?
お腹が空いたら、帰ってくるか?
落ち着かない気持ちのまま、ひとまず、近くの公園へ行ってみる。
、、、いた(笑)
私を見つけるや、走るでもなく冷静に茂みに向かって進んでゆく。
大きな滑り台の上から腕を組んだ娘が微動だにせず一言。
「大丈夫。見つけてる。」と、息子を目で追う。私は、娘の視線に移動する。
かくれんぼを繰り返す(家出中の)息子に「先に帰るねー」と伝えると、「一緒に帰るー」と平和な答え。
「今回の作戦は、Tシャツとマスクを前後ろ反対に着て、いつもは使わない鞄と靴で出掛けたんだ。けど、、、あっさり見つけたねー。」と。
そんな小手先の変化には、まだ騙されません。
私はあなたが思うよりも、あなたのことを知っているつもりです。
だけど
私が知らないあなたのことも信じてるし、分からない部分がどんどん増えることを想像して、胸が一杯になります。
また日帰りの家出という、大掛かりなかくれんぼで楽しませてね。
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