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母との対決

季節はめぐり、東京の桜はほとんど緑の葉をつけた。
今年の春もなんとかやり過ごせたようでホッとしていたら、いきなりやってきた人生の転機にどうしようかと戸惑っている。
どうしようか戸惑っていたら、男が熱を出した。

男は滅多に体調を崩さないので、いやはや、これは結婚が彼の重荷になっているのではないかと思い、
「いつでも白紙にもどしていいんだよ」(愛着障害〜!)
と言って、今朝は家を出た。

実は昨晩、母と対決した。内容は、
1、母がわたしに「未婚の母になれ」と言うこと
2、私は母とは別の人格で、個人としての権利を持っていることの主張

以下、対決の全貌です。
①未婚の母のススメ
2年前ほど前から、
「旦那はいなくていいから、あなたには子どもだけは産んでほしい」
と、ことあるごとに言ってくるようになった。
これはたまに見る、”新しい家族のかたち”とか、そういう次元の話ではなく、孫という自分のおもちゃが早くほしいからだと思う。
私に夫がいると、義理の家族にも気を遣わなければならず、思う存分孫を可愛がることができない。片親ならば、私がワンオペで育てることは難しいため、実家の母を頼ることになるのは必然で、母はそれを狙っているのだ。
私はそれに対して、
「その子が大きくなって学校でお友達ができたとき、ひいては結婚するときのこと考えてる?「なんで自分にはパパがいないの?」って聞かれた時、どう答える気?お母さんは、小さい頃のことしか考えてないでしょう。それに、産むのも育てるのも責任があるのは私だよ。子どもは親の所有物じゃないんだよ。孫が欲しいっていうお母さんの欲望だけで、そういうことを言うのは良くない。もうやめてください」
と言った。母は、
「不仲の両親の家庭で育つ子どもはかわいそうだと思って…」
とか言っていたけれど、そもそも私はまだ結婚もしてないし、最初から不仲になるって決まっているわけじゃない。不仲になるから最初から結婚しないって決めつけるなんて、んなアホな話があるかい、何言ってんだろこの人は!と思った。

②尊重されるべき人権
上で述べたように、子どもは親の所有物ではなく、一個人としての人格があり、権利がある。私もそうだし、母もそう。だけど、母は私のことをそうは思ってはいない。子どもは自分の所有物、なんでも言うことをきくお人形。何が厄介かというと、それは憎さから芽生えた気持ちではなく、愛ゆえであるということだ。
これに関しても母に申し立てたが、
「まっ、考え方の違いだよね💦💦」(本当にこの絵文字を使ってました)
とのことだった。
…私は拍子抜けした。だめだ、伝わらない。頭ごなしに言ったわけじゃない。できる限り母の気持ちに寄り添ったものの言い方をした。これ以上、どうやって伝えたらいいのかわからない。

母から返信が来て、あまりにも私の言葉が届いていないことに失望し、返信する気力を失ってしまった。まだまだ言いたいことはたくさんあるのに。
悔しい。
私はこれまで、母から気に入られるいい子でいようと努力してきた。でもそれが良くなかったのだ。余計に母をつけあがらせた。今になってツケが回ってきたのだ。

正直、母の言う通りにしていれば何でも楽だった。抵抗して怒らせると面倒なことになるし、人格まで否定される。心はボロボロに傷つき、回復までにもかなりの時間がかかる。それが怖くて、今までは逃げてしまっていた。
私は母を変えられるとは思っていない。でも、私自身を変えることはできる。彼女に境界線を示し続けること。それが私がこれからまず行っていくべき第一段階だと思う。






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