はちみつの謎

はちみつについて分からないことがあります。

米粉パンの材料の砂糖24gを、百花蜜はちみつ20gに置き換えたらうまくいくのに、アカシアはちみつ20gでは陥没してしまいます。

両者の違いとして今調べて分かっていることは、前者はグルコースが多く、後者はフルクトースが多いということです。

酵母の栄養源としてはフルクトースでもよいという論文を見ました。またフルクトース存在下ではグルコースによる発酵が促進されるというのもあったように記憶しています(ちょっとうろ覚えです)。

フルクトースの特徴として、水を吸着して保持する力が糖類の中でも高いことが分かりました。

またはちみつのような単糖類が主成分の糖類は、砂糖よりも高い浸透圧となり酵母の発酵を抑えてしまう可能性もあるそうです。

糖分のパン生地に対する作用は複雑で多岐にわたるので、その影響を推測するのはとても難しいです。

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ちなみに、いろいろ調べていたらフルクトースは冷やすと甘味が強くなるということが分かりました。

生化学の教科書をみると、フルクトースは温度によって5つの異性体の平衡混合物の比率が変化する、とあります。
つまり甘みの強い異性体が低温下で増えるから、全体として甘くなるということみたいです。

果物は冷やした方が甘くなるのはこのためなんですね。

そういえばフルクトース含量の高いアカシアはちみつ入りの米粉パンは、冷凍すると常温の時より甘くなって美味しいです。冷凍のままで食べてみて気付きました。

砂糖よりフルクトースの方が甘みを強く感じるということは、アカシアはちみつを砂糖の代わりに冷菓に使うと効果的かもしれないです。少量でカロリー抑えて甘みを出せるから。
でもフルクトースは中性脂肪に変わるからダイエット向きかというと難しいところなのかな…

参考文献
酵母の果糖発酵と資化能力を再発見 理化学研究所
「スイーツや料理をおいしく感じる」科学 石川伸一

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