見出し画像

子供とpianoさん

3歳からpianoを初めた娘。
私とpianoの関係と、娘とpianoの関係も
似てるようで違う。
世界観も、音の出し方も、環境も知識も…。
私のClavinovaでは生音には叶わず、
ステップアップにアップライトに切り替えた。

娘が4歳になった頃
数々のコンクールにでて賞を頂く様になってきた時
娘のpianoが変わってきた。

娘があるコンクールの本選にいった時だった。
結果が出るまでの時間、外に出た瞬間に涙した。
私は子供に、音を楽しむ事が大事で、
結果よりも、どう寄り添ってきたかが大事と伝えてきた。
結果は正直どうでもよかった。
むしろ、結果を求めてはいけない位に
娘は自分で追い込む性格だったから。

泣いた娘にどうしたの?と聞くと
沢山上手に弾く人がいて、
自分とピアノの向き合い方が足りなかった。
あとは、ピアノ問題を口にした。
パンとした音を出すには自分の音の力が足りないと
その時口にした。

ピアノは確かにコンクールという大きな場で
迫力があり、初めで惹き付けられるのは
音がしっかり届くことも大事だ。
しかしアップライトでは、グランドピアノと音の出し方も響きも違う。
ペダルの踏み込み方も違う。
彼女がそれを口にした時、グランドピアノを買う決意をした。
アップライトからグランドピアノに変わる時、
彼女は相棒だったアップライトの
彼女が名付けた"pianoさん"との別れを
感謝を込め、ギリギリまで弾いた姿が目に今もやきつく。

確かにグランドピアノにしたからと言って、
弾かなければ意味が無い。
しかし、音の楽しさや広がりを理解出来る様になったのだなと感じた。
グランドピアノにした時、
「なんて綺麗〜!凄い音がキラキラ!」
そう言って弾いた瞬間は今も写真にある。

平屋で、リビングと、各部屋に行く通路途中に
ピアノを設置していた。
娘は確認する様に通る度に、pianoに触れ、
気になる部分や、頭に思い浮かんだメロディを弾き
通り過ぎて、部屋やリビングに行く。

彼女は3歳からピアノを初め、スパルタと呼ばれる先生に、怒られることもなく、先生ともpianoと同じ距離感で
日常を話したり、時には一緒に語り合い、親子のような
そんな関係だった。
先生は子供がいない方で、娘の様にいつも連れ出しては色々なpianoに触れさせてくれた。

私は先生に娘のpianoを全て委ねた。
彼女と先生の時間や、信頼があるから。
私よりもずっと娘をpianoを通して、性格や好みを理解しているのかもしれない。

娘は音に張りはないが、綺麗なpianoを弾く。
4歳を過ぎた頃、数々の遠方の方や、ピアニストの先生に教えて頂き、セッションもさせて頂いた。
先生たちのお言葉は、娘のpianoがとても心地がよく綺麗に聴かせる音で、このままでいて欲しく、これからずっとpianoを続けて育てて欲しいと言われた。

そんな娘がコロナ禍になった時、
コンクールが画面越しになり、
娘が3年生になった頃、pianoを少し離れたいと言った。
毎日生活の1部になってたpianoを…。
私は引き留めなかった。

彼女の中のpianoとの関係は彼女にしかない。
コンクール等で自分の中の何かと戦い疲れたのか…
多くを口にしない彼女のpianoとの距離がある。
幼少期から過ごしてきた時間の糧はある。
またやりたいと言い出した時に、
ゆっくり自分と向き合ったらよい。

私は親に1度も練習しなさいとか、
言われた事もなく音楽を楽しんできた。
娘は、pianoにつまづいたら私に聞けば…
と、環境の違いは大きくある。

クラシックや、ジャズ、オケ
色々な良き音楽に触れ合った彼女は
何か作業する時には結局pianoやオケを流してる。
今も時々私のpianoを弾きに部屋に入り
ゆっくりpianoと向き合う時もある。

私の離婚を期に住んでいた場所が変わり
それでも1度pianoをしたいなと、
週に1度、先生のとこに通った時期もある。
ホルモンや身体の成長で、足を痛めて、
そこからまたpianoをお休みしている。

これから先、またpianoと向き合いたいと
思う時がきたら、彼女はまた違う音楽を奏でるだろう
その時は彼女の弾くpianoをゆっくり聴かせて欲しい。
そして彼女とpianoさんの時間を楽しんでほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?