「何なんw」に学ぶ文章術
note のアカウントを持ってるくらいだから、私は文章が好きだ。
いつも何となく書きたいなと思うことが浮かんだら勢いだけで書いていて、自分のスタイルと言えるような型などは持ち合わせていない。
少しでも自分の文章が良くなればと、ときどき文章術について書かれた記事を読むことはあるけれど、それを自分の中に落とし込むのはなかなか難しくて、我ながら進歩がないなと思っている。
だったら、自分で考えてみるのもいいかもしれない。そう思ったとき、頭に浮かんだのが「何なんw」だった。
藤井 風の衝撃のデビュー曲。誰しもの中に存在するハイヤーセルフを探す歌。しょっぱなから歌詞が炸裂している。
あんたのその歯にはさがった青さ粉に
ふれるべきか否かで少し悩んでる
いやいやいや、オシャレビートに乗っける事象じゃないでしょ、とビックリさせておいて
口にしない方がいい真実もあるから
で、言いたかった抽象論に持っていく。
ハイヤーセルフが忠告しても“あんた”は聞く耳を持たず
勢いにまかせて 肥溜めへとダイブ
この令和の時代の若者が、肥溜めですよ。肥溜めにダイブしちゃうんですよ。予想外すぎて意味不明な笑いが湧いてきちゃう。
そして、中国地方の方言を話す方にとっては日常語だというサビのフレーズ。
それは何なん
先がけてワシは言うたが
それならば何なん
何で何も聞いてくれんかったん
中国地方に住んだことのない私には分からない、独特のニュアンスを含んでいるらしい。分からないけれども、岡山弁で生きてきた藤井 風が自分の言葉で詞を書いていることは十分に、十分以上に伝わってくる。
真実なんてもんはとっくのとうに
知っていることを知らないだけでしょう
参りました。息子みたいな歳の藤井 風に真実について教えられました。あなたの前世はチベットの高僧ですか?
かと思えば
やばめ やばめ やばめ やばめ
いきなりスラングで攻めてくる。
もう歌わせないで 裏切りのブルース
と高らかに歌い上げるが、結局
あの時の笑顔は何なん
あの時の涙は何じゃったん
何なん
と、ハイヤーセルフの虚しさ全開で締めくくる。
こうしてみると、全方向に対して振り幅が大きすぎて、凡人にはなかなか書けるものではなく、さらに深い場所に突き落とされた気分になる。でも、めげずに風先生から学んだことをまとめてみたい。
*冒頭で具体的な事柄を述べて注意を引き、その後、抽象論に持っていく。
*予想外・印象的な言葉をアクセントとして使う。
*言いたいことは自分の言葉で言う。
*高尚さと俗っぽさをバランスよく入れる。
*願い・希望と現実の落差をつけて、話を落とす。
昨夜の報道ステーションで取り上げられ、ますます世の中に知れ渡っていき、藤井 風について書かれた文章も多くなってきた。私は、末端の砂粒ほどの書き手ではあるが、誰もが書くだろうと予想がつく内容を書くより、これ書く人いるだろうかと思う内容を書く方が楽しい。今は、報道ステーションや「帰ろう」の死生観について書く人が多いだろう。だからせっせとこの記事を書いているのだ。
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