燐光

「貴女にとって私は何色に見えているのかしら?」
 大学での講義の帰り道、彼女がいきなりそう問いかけてきたのを今でも覚えています。俯きながら歩く癖のある私は、突然どんな色かと聞かれても、と困惑しながら、顔をあげてぱっと彼女の方を見遣りました。季節としては秋、大学のキャンパスにあった大きな銀杏がはらはらとその葉を落とす頃。夕陽も沈みかけて仄暗い中で、眼下に散らばる一面の金色と、彼女の羽織った煙草の匂いが染みついた赤いダウンジャケットだけが質量を持っているように見えました。モデルのようにすらりとした彼女、そんな彼女ほど赤という色を自然に着こなせる人はいないだろう、なんてお世辞でもなく本心でそう思います。そうでありながら、私の口を突いて不意に出てきたのは『白色』という言葉でした。
「そう」
 スタッカートのように短く返された言葉と、彫刻のような精巧な彼女の横顔からは、私の返答をどう感じたかなんて読み取ることは到底出来そうにもありませんでした。白色、白色ね。そう反芻する彼女。
「言い得て妙かもしれないわね」
 そうなの?なんて、自分で答えておきながらそう返してしまいました。
「だって私は、他の人の輝きに染まりながら生きているもの」
 そう言った彼女の眼は爛々と輝いており、顔には冷たい薄笑いが浮かんでいました。
 自分でも何故白色と答えたのか分からなければ、彼女が何故人の輝きに染まりながら生きていくことを白色と言ったのかも分かりません。ただ、そう答えた彼女の表情の中に、どこか空虚で倦怠的なものを見て取ってしまったのは私の目の錯覚だったのでしょうか。もっとも、すぐに元の無表情へと戻ってしまった彼女の顔からは、もう何も読み取ることは出来ず、そうしてそのまま、駅から別々の岐路に就くこととなったのでした。

 深夜、突然耳元で震えたスマホのバイブレーションが私を叩き起こしました。付けていたアイマスクを外し、オレンジ色に薄暗く照らされた豆球の下で見てみると、薄緑の枠で囲まれた通知が黒色の画面にぽっかりと浮かんでいます。
『ごめーん、やっぱり参加出来なくなっちゃったぁ』
 そんな軽薄に過ぎるフレーズに、いいよいいよ仕方ないしね、また今度どっか行こうよ、なんて言葉を、予測変換の履歴からそのまま滑らかに返信します。これで三人目。同じ言葉に対して同じ言葉で事務的に返すことに慣れすぎて、もはやそれに付随して怒りという感情は沸いてきませんでした。
 親睦を深めるためにGWにでも研究会の女性陣で旅行に行こうよ~、だなんて言い出したのは誰だったでしょうか。少なくとも私と彼女でなかったことだけは確かです。そうでありながら、じゃ目的地とかは保科さんに決めて貰えばいいじゃん、そういうのに詳しそうだし、なんてよく分からない理由をつけて、私にすべてが一任されてしまいました。それは、私が写真を撮るのが趣味であることからなんとなくいい場所を知ってそうだと判断したからなのか、それともその人たちがただ面倒くさいことが嫌いな性格だったからかは分かりません。他の人と旅行に行くという経験がほぼ無かった私にとっては難題でしたが、それでもその人たちの求めていた条件の場所をどうにか探し当てて(今回は人が多くない静かな場所でありながらなおかつインスタ映えするところということだったので群馬県の四万温泉を選定しましたが)、宿を予約しました。その旅行が、明日に迫った――もっとも現在深夜二時なので日付的にはもう今日となるのですが――今になって、私と彼女を除いた三人が示し合わせたように旅行に行けなくなったと伝えてきたのです。
 夜遅くに起こされてしまったせいか少し愚痴っぽくなってしまいました。過ぎたことはどうもしようがないし、朝一番には宿の方にキャンセル連絡をしなければなりません。そう思いながらLINEを開きます。スワイプを少しもしないうちに『分かったわ』なんて淡白な返事が私との最後のやり取りとなっていた、彼女のアカウントが見つかりました。そこに今回の三人のキャンセルと旅行をどうするかを至急聞くメッセージの方を打ち込みます。そうしてから『ほんとありがと~~また今度ねぇ~~~』なんて真顔で打っているに違いない方のメッセージは無視して寝ることにしました。

 どうして、こんなことになってしまったのでしょうか。そう思いながら、私は車窓をぼんやりと眺めていました。生い茂った深緑の木々、雄大に聳え立つ鉄塔、そして私の隣には、イヤフォンを付けて目を閉じ、深く席に腰かけている彼女。絵画の中に描かれる人物が美しい調和を保ちながらその背景に溶け込んでいるように、高速バスの座席に座っているだけのはずである彼女もまた様になっていました。
 事の次第を説明するには、やはり今朝にまで遡って回想するのが適切でしょう。三人分のキャンセルを宿の人に伝えた後に何気なくLINEを見ると、夜の二時半には既に彼女からの返信が返ってきていました。『行くわ』なんてなんの感情のこもっていないような短文ではありましたが、つまるところは私と彼女の二人旅行と、そういうことに相成った訳であります。黒のインナーに白のカーディガンなんて服装をさらりと着こなした彼女が集合予定のバス停に現れてバスに乗り込んだかと思うと、挨拶もそこそこにイヤフォンをつけて寝始めました。それも窓側の席で。以上、現在に至るまでの状況説明になります。
 時間にして三十秒ほどしか持たなかった過去回想ではありますが、実のところあと二時間ほどこうして時間を潰さなければならないのです。東京駅八重洲通り発が9:00、四万温泉着12:30。そして肝心の現在時刻が10:18。出発から一時間と少しは経過したということで、都心からも少し離れて景色に変化も出ましたが、今ではもう「緑が見える」以外のコメントもありません。通路側の席ということで、首を伸ばしてまで見るものではなくなっていましたし、手持ちWi-Fiの効きも悪くなってきた今、彼女の寝顔を見ることくらいしかすることがなくなってしまいました。カスタムなんとやらでワンクリックしてランダム生成したような私の顔と比べて、高い鼻梁、長い睫毛、薄い唇……と絵心がある人がカスタムなんとやらで作り上げたような美しい調和のとれた顔をしています。彼女とは二年生で講義が一緒になった時からの付き合いですが、私は彼女ほど顔が良い人を知りません。本当に可愛い女の子はミスコンに出ない、なんてことを聞きはしますが、彼女に限って言えばその点は確かであるのかもしれません。
「保科さん」
彼女の顔をまじまじと見る機会なんて今を逃せば他にあるかどうかも分かりませんが、その顔をじっと見ていると、ふと、去年の秋に「人の輝きに染まりながら生きる」なんて言っていたことが思い出されました。あの時と違って、赤いダウンジャケットではなく白いカーディガンを羽織っている彼女は、人の輝きに染まっているのかどうかはさておき、白色と例えるのが自然であるような無垢さをその寝顔に内包していました。そんな純白な表情を保ちながら薄目を開けてどこか憂いを帯びているようである彼女は――ちょっと待って薄目?
「あまり見られると気恥ずかしいわ」
 目を開けてため息を一つついた彼女は、再び目を閉ざしながらそう言いました。気まずくなってしまった私は、アッゴメンネェなんてもごもごと言いながらアイマスクを付け、高速でリラクゼーションを倒し、自分の顔を見られないようにしたのでした。

 睡眠というのは偉大なもので、人間はその人生の約三分の一を睡眠に費やしていると言われています。モーパッサンが『ベッドは我々の全生涯を包む。というのは、我々はベッドで生まれ、生活し、そこで死ぬのだから』なんて言葉を残しているのも頷けます。いわんや、何十万分の一でしかない二時間ほどを寝て過ごすのはひどく容易であり
「起きて」
 そんな時間では惰眠を貪った気になれない私は、無表情の彼女にアイマスクを取られてぺしぺしと頬をはたかれながら叩き起こされたのでした。
 暗闇から突然白日の下に連れ出されたヴァンパイアのごとく、体をよじらせながらバスから降りると、辺りは一面の緑色と水色で包まれていました。緑は目に良い、なんてことはよく言われることではありますが、Twitterですら常時夜間モードの私にとって、黒や灰色以外の色が目に優しいと感じる訳がありません。彼女の方をちらりと見ましたが、新緑に白が照り映え、さながら避暑に来た令嬢のようで、ますます目が焼かれる思いをしました。
 ふわりとバスから降りた彼女から仄かな甘い匂いがして、ふと、煙草の銘柄でも変えたの、なんて少し場違いな質問をしてしまいました。
「煙草?」
 と、少し不思議そうに首を傾げましたが、ああ、止めたのよ、なんていう端的にも程がある解答が返ってきました。ええいそれだけじゃあなんのことやら分らんわと、どうして? と再度質問を投げ込みます。
「前の彼氏と去年の秋に別れたからよ」
 失策。これもまたちゃんとした解答にはなっていなかったのですが、きっと言いたかったのは『元カレが吸っていたから私も煙草を吸っていた、だけど別れたから吸うのを止めた』ということに違いありません。これ以上踏み込んではならない領域だと思い、そこで会話を切り上げて宿に向かうことにしました。
 新緑の季節ということもあり一面の緑という状況ではありましたが、宿泊施設のある観光地ということで、徐々に建物の方も見えてきました。ようこそと書かれた足湯スポット、立て付けの悪い古びた民家、店員がおらず本当に経営しているのかも分からないものの軒先に品物が置かれているお土産屋、ランチタイムだというのにClosedと書かれた定食屋。少し寂れた温泉宿のモデルケースのような街並みを抜けて、宿の方へとたどり着きました。『千と千尋の神隠し』のモデルになったなんて触れ込みも、これまたありふれたものではありましたが(ジブリは作品を作る際に参考とした場所を明確に名言していないことからモデルであると見栄を切って客引きを行っている施設も少なくないのです)、年期の入った建物が見えてきました。さすが交通費込みとはいえ一万二千円する宿、私が普段旅行の時に使う五千円の素泊まり宿とは風格も何も違うのでした。
 
「何もないがある」というフレーズを貴方が聞いたとして、思い浮かぶのはいったい何でしょうか。哲学の形而上学における問いを思い浮かべる人もいるでしょうし、『よつばと』のセリフを思い出す人もいるかもしれません。あるいはキハ20型気動車を売りにする千葉のいすみ鉄道のキャッチコピーがそうだ、なんて思う人もいるでしょう。突然何の話だ、なんていう人もいるでしょうが、私が今来ているこの四万も、そのようなキャッチコピーで売り出しているのです。
 ええ、そうです。「何もないがある」のです。物質的な豊かさを得た現代人が失った精神的充足云々、という堅苦しい話も出来ますがここでは置いておきましょう。
 そう、裏を返せば何もないのです。一通り街並みをぶらりと見た後温泉に入ってしまうと(温泉は泉質がよく、装飾も『古き良き』なんてフレーズが思い浮かぶほど情緒があったことは追記しておかなければならないのですが)、何もすることがなくなってしまうのです。当初は女性五人旅。メインディッシュはそれらを済ませた後、やれゼミの先生の悪口であるとか、ゼミの中で付き合うなら誰がマシかといった会話にあるのだと思っていましたが、残念ながらこれはもう私と彼女の二人旅になっています。夕食に鳥と豚のだし汁をお茶漬けにして食べる「だんべえめし」なるものを食べた後はもうやることもなくなり、二人無言でだらだらと部屋の中で過ごしているところです。そうして夕刻も過ぎ、夜の帳が徐々に降ろされて来た時のことでした。
「花火をしましょう」
 ソシャゲで正月に水着イベントが開かれないように、すべての物事にBPOやコンプライアンスというものは存在するように思うのですが、そんな季節感も空気感も何も鮮やかに無視して、そんな言葉が彼女から投げかけられたのでした。五月初め、節気にして立夏。たしかに文字としては夏を立てるとは書きますが、こんな時期に花火をやるのは小学生くらいなものでしょう。
花火をすると言っても現物がなければどうしようもないんじゃない、という私に対して、なぜか旅館の部屋の片隅にぽつんと置かれていた花火セットを指さしながら、あそこにある訳だけど駄目かしら、なんて言ってこてんと小首を傾げながら言う彼女は、まるで幼子のように見えました。結局私が根負けをする形で、花火をすることになったのです。

 花火をしましょう、なんて意気揚々と言ってきた割に、彼女が花火セットから取り出して来たのは線香花火だけでした。バケツなんてもの当然のごとく持ってきているはずもなく、自動販売機の飲み物を買って空き瓶を作ったあと、近くの河原で水を汲むこととなりました。街灯が届かずぬらぬらと鈍色に照り映える水流を背に、私と彼女は二人きりで花火を始めます。彼女の白いカーディガンは街灯のオレンジに照らされて影を帯び、その輪郭をぼんやりと揺らめかせていました。五月とはいえ、夜になると少し肌寒さが残っており、彼女は夜風にぶるりと身を震わせました。私は、自分の着ていた水色のジャケットを彼女に羽織らせます。ありがとう、と短く返した彼女はそのまま手元の線香花火を見つめていましたが、
「燐光」
突然、そんな短い単語を呟きました。リンコウ? と返す私に対して、ええ、そんな単語貴女は聞いたことがないかしら、と続け
「あるものに光を与えると、その光が与えられなくなってもしばらくの間は青白い残光を見せることを燐光と言うの」
 線香花火から目線を離すことなく、彼女は私にそう言って口を閉ざしました。彼女が手に持った線香花火が赤く小さく熱を帯びてぱちぱちと膨らみ、その重さに堪え切れなくなった、とでもいうように最後の瞬きを放って地面へと吸い込まれていきます。冷たい石で出来た地面に、誰も気付かないようなほんの僅かな温もりを残して。そうして、そこに小さくともたしかに火花があったのだという事実さえも風化させて、あとに何も残ることはありません。潜むようにして熱を帯びて、そして消えていく。そんな線香花火を見る彼女の眼差しは、哀切を帯びているというにはどこか他人事で、慈愛に満ちているというには酷く同情的な感情を含んでいました。
「全部、消えちゃったわね」
 その言葉は、おそらく花火に向けてのものではあったのでしょうが、まるでそれに重ねるようにして彼女自身に向けらているもののように聞こえました。そんな彼女に目を奪われてしまっていたからか、じゃあ戻りましょうか、なんて言って立ち上がる彼女を、私は見ていることしか出来ませんでした。いい、もうちょっとだけここにいるから、なんて答えた私に対して、彼女は少し不思議そうな顔をした後、それじゃあ戻っているわね、なんて言って静かに街灯の明かりの照らさない闇へと溶け込んでいきました。私はそんな彼女を無意識のうちにでも引き留めようとしたのか、彼女の背へと手を伸ばしましたが、距離の離れた彼女に届くはずも無く、それから熱の消えた線香花火が手の中でオレンジ色の光を受けて萎れているのを、ただじっと見ていました。

 朝に目が覚めたとき、部屋に彼女の姿はありませんでした。
 昨晩、結局三十分ほど外に居たあと部屋に戻ったのですが、十二時を過ぎていたからか彼女は既に布団の中に潜り込んでいました。話し相手もいない今、だからといってSiriと軽快なトークを繰り広げる訳にもいきませんし、私も(普段とは違って二時間ほど早い就寝となるのですが)寝ることにしたのです。そうして、この顛末です。彼女の布団は綺麗に折りたたまれており、自分の布団の中から見渡してみる限り、彼女の痕跡はぼんやりとした甘い香水の残り香だけでした。突然のことに惚けてしまった私の前で突然に襖が開き、
「あら、そんな呆けた顔をしてどうかしたのかしら」
なんて言って彼女が現れました。浴衣を着て濡れ髪を横に流している色気のある姿は、往年のアイドルのヌードグラビアのようで、まるで見てはいけないものを見てしまったような気恥ずかしさが私を襲いました。結果として、どこ行ってたの、なんて目を反らしながら問う形になります。
「ごめんなさい、チェックアウトを済ませる前にお風呂に入りたかったの。駄目だった?」
 そう返す彼女に、鞄もなくてびっくりしたわ、と言いかけたものの、ちょうど彼女の布団の影になっていて見えなかったところに彼女の小さな鞄を見つけて、慌ててその言葉を飲み込みました。別にいいよ、なんて早口でいう私に、彼女は小首を傾げて、そうして部屋に備え付けられている洗面台へと向かいました。
 チェックアウトするまでのことと帰り道のバスの中の行程については割愛するとしましょう。ぼんやりと辺りを散策しながら時間をつぶして、バスに乗り込み、少しの間外の風景と彼女の寝顔を眺めて、そうして私自身も眠りにつくだけの焼き回しに過ぎなかったのですから。

「保科さん、起きてちょうだい」
 どこかで、私を呼ぶ声が聞こえた気がしました。目を覚ましたはいいものの、まだアイマスクを取る元気は出ません。そもそものところ、私の起き抜けは低血糖気味であるということを人類はみな認知していて欲しいものです。しかしながらがくんがくんと小刻みに揺さぶられている今の状態からはどうやっても逃れられないようでした。
『まもなく東京八重洲口前、東京八重洲口前です』
 そんな、終幕を迎える耳慣れた音がしました。ゆっくりと倒した背もたれから起き上がり、アイマスクを外しながら辺りを見回します。
「そろそろ終点に着いてしまうのだから、降りる準備をした方がいいわ」
 呆れ顔の彼女。小さいバッグを膝の上に乗せしゃなりと座席に座っている姿が見えました。ぼんやりしている間に、いつの間にか終着のバス停に着いていたようで、車内に残っている乗客は最後尾に座っていた私と彼女の二人になっていました。
 彼女に連れられるようにして慌ててバスを降りました。寝ぼけ眼に、見慣れた街の電灯の明かりが夕闇に染み込むようにして白色に交錯し、人熱れがそれを陽炎のようにしてぼうと揺らめかせます。そんな情景が、彼女の透き通るような白いカーディガン姿を融解させて、都会という場所へと希釈させていくような、そんな奇妙な感覚を私にもたらしました。そうでありながら「それじゃここでお別れね」なんて言葉一つで彼女の存在はますます薄まっていくのです。あの時、河原で感じたのと同じような感覚。慌てた私は、無意識のうちに彼女の腕を取っていました。
「希島さん」
「あら、どうかしたのかしら」
 突然手を握られたからか彼女は少し驚きながら、私の方を見て軽く微笑みました。彼女のその子供をあやすような優しい顔は、これまで私が見知ってきた彼女がするとは思えないような現実味のないような表情をしており、このまま手を放してしまえば彼女はどこかへと溶け去っていくのではないかと思うほどでした。なんと言っていいかも分からず、苦し紛れに、このままちょっと歩かない、なんて歯の浮くような、ナンパ台詞にしても冴えない言葉を吐く私に、
「それもいいかもしれないわね」
彼女は少し驚いた表情を浮かべたあと、目を細めてそう言いました。

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