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08. 第二レグに出発(カーボベルデ-モーリシャス)

MILAIおよび他のClass40合わせて全6艇、無事に第二レグに出発した(※日本時間7/20 21時現在、一艇テクニカルストップ中)。MILAIは現在1位、初日にルーティングミスにより他の船と違うルートを取っている間にすっかり抜かされたがその後挽回し、1位をSec Hayai(NLD)やAMHAS (USD)と競いながら進んでいる。このレグは今回のレースの中で最長のレグで先も長いので、まだまだ分からない。それになにより、このレグを無事に終えられることが最大の目的。みんな無事にゴールして欲しい。

カーボベルデってどこ?

第一レグのゴール地、そして第二レグのスタート地はカーボベルデ🇨🇻のサンビセンテ島、ミンデロ。カーボベルデは1971年にポルトガルより独立した比較的新しい国で、アフリカ大陸の西側沖に位置する、火山群島国家だ。首都はプライア、今回訪れたミンデロは第二の都市で、かつてイギリスの大西洋横断の拠点として栄えた歴史を持つ。


高台からのミンデロの風景。
海の色が素晴らしく、山は火山島らしく黒々としている。ちなみにこの4年間、雨は降っていないそう。4年?!?!水道水は海水を造水機で浄化したもので、飲料には適さない。
ミンデロマリーナ。あおい海の色が印象的。
国民食のカチュパ。
豆やとうもろこしをお肉と煮込んだ料理。とても美味しい。

第二レグ

カーボベルデを出発し、南下してアフリカ大陸最南端の喜望峰を回り、インド洋へ向かうレグ。今回のレースの中で最長の7,725マイル(約12,430キロ)を走る。赤道超え(+赤道無風地帯ドルドラム)、冬の南半球突入、喜望峰回航と、ドキドキぞわぞわするイベント目白押し。南氷洋は前回2020-21のVandee Globe で、幾艇もの船が未確認浮遊物にぶつかったエリア(※)。またケビン・エスコフィエ<PRB> が艇体放棄をした場所でもある。
Team MILAI は、スキッパー: 鈴木晶友、コスキッパー: アンドレア・ファンティーニ(ITA)の体制。アンドレアは赤道超え&喜望峰回航を行ったことがある、経験豊かなセーラー。

第二レグに臨む、鈴木晶友選手🇯🇵(左)と
アンドレア・ファンティーニ選手🇮🇹(右)

※未確認浮遊物との衝突は「避けられない事で運だ」と、アジア人初のVandee Globe 完走セーラー、白石康次郎さんは言う。ぶつからないように気をつける、では避けられない領域のようだ。

出発前のイベント

  1. インショアレース with ゲスト

前々日にはゲストを乗せたお楽しみレース。MILAIのゲストはハーバーマスターのトゥガと、海洋庁の海洋大臣秘書のルイジアナ。ルイジアナは初のセーリングを目をキラキラさせて楽しんでいた。

マサ&アンドレアと共にMILAIに乗るルイジアナ(左)とトゥガ(右)

2.ウェザー&セキュリティブリーフィング

前日には天気&安全ブリーフィング。内容は、これから1週間ほどの天気の解説、注意点、もしも何かあった時の連絡先のリマインド、レースに臨むための心構えなど。心構えのところでは、「目的はゴールすることだ、順位じゃない」「船をきれいにする」「毎日船の様子を確認せよ」「自分、相手、船の様子が大丈夫か気にかけろ」と、時間を割いて念押し。このレースはレースコミッティーが運営しているが、9ヵ月もの間、全艇、全セーラーの安全を気にかけ続けるのは、本当に胃が痛いと思う。

何かあった時の連絡先確認。今回のレグは、お邪魔する国が多い。なおこの情報は、ラミネートされたシートにして各艇に配られている。

ちなみにレースディレクターのクリストフ、レース当日は、準備の間に合っていない船のマストに登ってスピンを取り付けたりまでしていて、そこまでやるの?!を発揮していた。万能すぎる。

他艇の様子


ではここで、他の船の様子をご紹介。
第二レグに臨むスキッパーたちはこちら。

左から
106 Gryphon Solo Ⅱ (USA) 🇺🇸
128 Wisky Jack (CAN)🇨🇦 
101 MILAI(JPN)🇯🇵 
44 Sec Hayai (NLD)🇳🇱 
133 IBN Battoita Tribute 2022 (MAR)🇲🇦 
127 AMHAS (USA)🇺🇸

スキッパーの写真は Globe40 オフィシャルFacebookより

44 Sec Hayai (NLD)
スキッパーのフランス は、建築会社の社長さん。船&チームカラーはオレンジ色で、応援隊もいつもオレンジで目を引くチーム。船は綺麗に準備されている(早い船は、船も綺麗なことが多い)。水力発電(Watt&Sea)2つ付き。なおこの船は造水機を予備も積んでいて、代わりに飲料水をほぼ積んでいないそうだ。コスキッパーのイスは、ミニトランザット出場者。2人ともいつも快活な笑顔でフレンドリー。

44 Sec Hayai (NLD)
Frans🇳🇱/Ysbrand🇳🇱

127 AMHAS (USA)
スキッパーもコスキッパーも変えてきたアメリカ艇。スキッパーのクレイグは、ミニトランザットを2度走っているそう。この船も綺麗。

127 AMHAS (USA)
Craig🇺🇸/Oliver🇬🇧

133 IBN Battoita Tribute 2022 (MAR)
モロッコ艇。がちゃがちゃですね。。。参加表明してからの日も浅いようで、2人のコミュニケーションも心配。出発直前まで準備も手間取っていた。無事に着いてくれよ〜。
→7/19現在、サンティアゴ島でテクニカルストップ中。

133 IBN Battoita Tribute 2022 (MAR)
Omar🇲🇦/Simon🇲🇦

106 Gryphon Solo Ⅱ (USA)
ちょうどコスキッパーのロジャーが船底掃除をしていました。カーボベルデの海はあたたかいので、いい感じに藻や海藻が育ってしまう模様。スキッパーのジョー・ハリスは、アメリカ人ですね!という感じのおじちゃま。ロジャーはイタリア人だがアメリカに住んでいて、イタリア語、英語、フランス語を流暢に話す。ムードメーカー的存在。MILAIの今回のコスキッパー: アンドレアもイタリア人なので、2人ではイタリア語で話していたりして、目にするとなんとなく和む。

106 Gryphon Solo Ⅱ (USA)
Roger🇮🇹/Joe🇺🇸

128 Wisky Jack (CAN)
スキッパーのメロディーは、今回唯一の女性スキッパー。クリッパーズレースで世界一周をするはずが、コロナで中断してしまったそう。1レグ、2レグはコスキッパーが交代しているが、3か4あたりから、クリッパーズレースの仲間が参戦するようだ。
がちゃがちゃとかそういうことでなくて、めちゃくちゃ搭載物が多い!特に牛乳とスナック。コーラも多い!Class40は、タック/ジャイブで方向転換をする時に荷物も全部移動させるはずなので(船に依る可能性はある)、これらを移動させるのは大変そうだなぁ。シャワーが浴びられるように改造してあるそうだが、水は海水らしい。気持ちいいかどうかは不明。

128 Wisky Jack (CAN)
Mikael🇸🇪/Melodie🇨🇦

ドックアウト&レーススタート


現地時間7/17 14時、ドックアウト。1位の船からポンツーン手前に停まっているので、離岸は6位(外側)から。セーラーたちがお互いに健闘と安全を願ってハグし合う様子は、何度見てもグッと来る。「ライバルであるが同志である」という言葉が限りなく似合う。

スタート時は風がない予報だったが、程よい向かい風が吹き、風に向かって進むClass40全艇、とても格好よく見えた。Sec Hayai がいいスタートを切り、グループを牽引。その後MILAIがトップに躍り出るが、ナビゲーションのミスにより風のない海面にでてしまい、他艇に追い抜かれる。全力で追い上げた結果一位を奪還するも、再びSec Hayaiが先行。そして無風地帯を抜ける頃に、再びMILAIはトップへ、そして日本時間7/20 21:00現在、再びトップはSec Hayaiの手へ。目まぐるしい!Sec Hayai は一時期目視も出来る距離にいたそう。お互いに安全に、レースを楽しんでいてくれるといいなと思う。

↓出発の様子

↓スタート時の動画。Sec Hayaiが良いスタート。

レーストラッキングはこちらから。

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