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小1息子の遠足に付き添ってきた

「遠足のおやつはグミにする!」
近所のスーパーに、息子と一緒に遠足のおやつを買いに行った。
9月なかばごろからまた、登校渋りが始まった。

学校での勉強は嫌だけど、遠足は楽しみなんだなと、私も少し安心していたのだ。
それなのに、遠足当日。
「足がだるい。遠足行くの面倒くさい。」と言い出したのだ。

学校には行けた。「この時間までに入ってください」という時間に教室まで行けた。
毎日息子と一緒に登校するわたしに、同じクラスの男の子が「今日の遠足もお母さんが一緒について行くの?」なんて聞いてきたが「まさか。だって私、お弁当も水筒も持ってきてないもん。行かないよ~。」って笑って返していた。


それなのに、だ。
朝の会の途中で教室を抜け出す息子。
「え、ちょっと待ってよ。遠足だよ、楽しみにしとったやん」
私の声など聞く耳持たず、すたすたと歩き出す。
廊下ですれ違う教頭先生、保健室の先生に「あれ?どしたん?今日はたしか遠足やったよね?」と声を掛けられるも、知らんぷり。

「歩くのしんどいもん。行かん」
え、ウソやろ。お弁当作ってんよ、一緒におやつ買いに行ったやん、楽しみにしとったやん、だから今日だってちゃんと時間通りにこれたんじゃないか。友だちと一緒に、お弁当食べていっぱい遊ぶの楽しみにしてたんじゃないん?


うだうだと廊下で寝そべる息子。
準備ができた他のクラスの友だちに「ケン、どしたん?もうみんな行くよ~」と声を掛けられる。
なんとか息子を起して、クラスの列に押し込んだ。
「ね、お母さんも一緒やったら行く?」
息子の表情がちらっと変わる。
先生が「ケンさんも行きますよ~」と声をかける。
これはもう、"私も一緒に行くしかないだろう"と思った。


先生を先頭に、2列に並んで歩くこどもたち。
本当は息子と一緒に手をつなぐはずだった女の子が、息子の隣を歩いている。
私たちだけ、3列。息子は私と手をつないでいる。
「だるい~。まだつかんの?」
「まだ歩き始めたばっかりやん。もうちょっと頑張ろうや」
「え~。あと何秒で着く?10秒?」
「そんな早くつかんわね。15分くらいはかかるんじゃない?」

私とグダグダしゃべりながら、なんとか歩いている息子。
途中で何度も「疲れた、つまらん」というので、しりとりをしたり、「ほら、あそこはケンがいつも行っとる病院や」なんて周りの景色に目を向けたりしてどうにか時間をつぶした。

そして、20分くらい歩いてようやく目的地の公園についた。
着くなり「げ、遊具も少ないしちっさい公園!」と文句を言っていた。


到着してから「まずはみなさん、喉が渇いたと思うのでお茶を飲みましょう」と先生から声がかかった。
私は息子の水筒のお茶をもらった。

少し休憩してから、次は記念撮影。
しかし息子はすでに遊具で遊んでいる。
「ケン、みんなと一緒に写真撮ろうよ。」と私が声を掛けても遊び続ける。
「お母さん、いいですよ。ケンくん、その滑り台の横から顔出せる?そうそう!そしたらみんなと一緒に映るよ。」先生が気を利かせてくれた。

先生が、並んでいるみんなの少し後ろ、滑り台から顔をのぞかせる息子の写真を見せてくれた。「いい感じですよ!」

記念撮影が終わったら、「秋の落ち葉やどんぐり、木の実などを拾いますよ~。」と先生から声がかかった。
それらを使って後日、学校で工作をするのだそうだ。

息子はさっそく木の実を拾っていた。「ひょうたんみたいなの、見つけた!」それからは、私の元を離れて、好きなようにいろんなものを拾い始めた。

友だちとしゃべりながら、夢中で拾っている。
あれ、私なんでここにいるんだっけ…とふと我に返る。


「お母さん、大変ですね、毎日。」
特別支援級の先生に声を掛けられた。
1年生でひとり、支援級に入っている子がいるので、先生も付きそいできていたのだ。
来年度、支援級に入りたいという希望を出しているが、支援級の先生とはまだあまり接点がない。
「Aっているでしょ、支援級の。わかります?」
「はい。」
「私毎日、彼の日誌をつけてるんです。"今日はありがとうって言えた”とか"今日はごめんなさいが言えた"って。少しずつ、成長しているんだって、後から見返すとそれがよくわかる。だからお母さん、少しずつです。大丈夫。私たちもサポートしていきますから」

気づいたら、泣いていた。
最近また涙もろくなった。ちょっとしたことで辛くなって、ちょっとしたことでカッとなって、不安になって。

息子を探したら、もう、私の存在なんて忘れたかのように友達と笑いあっていた。

「ね、お母さん、もう帰ってもいい?」
お昼ご飯を食べる直前、息子に聞いてみた。
一瞬、「え」って顔をしたが、「いいよ。」と言った。
そして、一緒にお弁当を食べる友だちの元へ行き、敷き物を広げ始めた。


この後に、またちょっと続きがあるのですが、長くなってきたので一旦ここで終わりにします。

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