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可視化される熱量#001:チャレンジの場としての地域

「地域のまちが可能にする、人生の実験と創造」

東京でできなかったことが、地域では実現できることがある。人生の転換期に新たなまちで自分を見つめ直す時間を持ち、新たな挑戦を始めた移住者たちの取り組みを、仕掛け人自らが紹介してくれます。

ゲストは若新さんです。イベント予約にはまだ枠がありますので、お時間が許す方や興味がある方はぜひご参加ください。

...とイベントの告知文から始まりましたが、色々と奇抜と思える数ある企画を立ち上げ活動されている若新さんにご登壇頂きます。今回のセミナー名は企画側と一緒に考えたものです。もしかしたら「地域を実験の場と捉えるなんて何事だ!」や「地域は都心でできなかったことができるほど甘くないんだ!」とおっしゃる方もいるかと思います。

はい、もちろんそういった考えもあると思います。決して地域や地方は都心のビジネスの狩場ではないです。

ただ、「まちのあり方」に危機感を感じている地域はたくさんあります。そして、その地域が他の「ライバル」と位置づけている他の地域と差別化をする為に「チャレンジができる」というキーワードで施策を実行する。これは決して奇抜なアイデアであったり地域のことを蔑にしているわけではないと思います。

以前、「ニホンバシ46ドウフケン(※1)」を行った際に金沢市の住民の方々にお話を伺いました。お話を伺ったのは主に役所勤務や伝統工芸のものづくりを行なっていたり、転勤族のビジネスパーソン、地元にオープンしたホテルのスタッフといった職種の方達です。彼らが話していたことのなかで忘れられない言葉が、何人もの口から出てきました。


「小学生の時に能を観れてよかった。」


金沢市では小学校の課外授業で能を観るそうです。この事のすごさをわかるのは歳を重ねて大人になってかららしいです。が、「自分の地元はこんなに素晴らしい文化があるんだ」や「小学生のうちに体験させてもらえて地元には感謝する」と思うそうです。きっとこういった原体験の積み重ねが「シビックプライド」の醸成になるのでしょう。

TED×TOHOKU2013にて小川悠氏(一般社団法人i.club代表理事 / 東京大学 i.school アシスタント・ディレクター)は、地域から若者が離れてしまう理由に「地域の良さを理解する機会がないこと」と「地域の人とつながる機会がないこと」と話されています(※2)。

しかし、どの地域にも「金沢市の能」があるわけではありません。下手するとそういった文化的なものが既に地域から消滅してしまったところもあります。

そう考えると、「まちの在り方」を女子高生(※3)が考えたり、試したりする事はシビックプライドの醸成になりそうです。鳥羽は「青春時代までにどれだけ地元で原体験をつくれたか?」がUターン時の動機付けや離れていたとしても地元に愛着を持っているファンづくりにつながるのではと考えています。

若新さんが「鯖江市役所JK課」で行おうとしていることは、上述に当てはまると思います。

彼の「プロや専門家からまちづくりを取り返す」という言葉はとても切れ味が鋭いです。が、「まちづくり」の一つの形として若者が地域のことを知り、地域社会との接点が増えることはとても重要なことと思います。本来のまちづくりは地域住民の公共財のようなものであり、既得的なものでもないと思います。

若新さんは、ある記事で以下のように書いています。

”ちなみに僕は今、自分の出身である福井県の中の鯖江市というところで、いくつかの公共事業に携わらせていただいています。そして、けっこう、夢中になっています。すると、「どうして地方に貢献しようと思ったのですか?」などと聞かれたりします。それは、生まれ育った故郷の福井に、自分の仕事と居場所をつくりたかったから、ただそれだけです。今は、その仕事を通じて仲間がたくさんできたので、多少、責任感みたいなものはあります。(※4)”

人によって地域というのは色々な意味を持ち、チャレンジする動機も色々です。地元民が故郷で錦を掲げたい役に立ちたいと思うことは自然です。そして、最初は関わりが薄かったけれどもチャレンジを重ねることにより結果その地域に愛着がわくでもいい。極論、失敗してしまってその地域から逃げてしまうことがあっても、心ではその地域に感謝していていつかその気持ちが役に立つ、こういった可能性だってあるかもしれない。

2016年12月7日(水)は、「チャレンジの場」としての地域の可能性をフロントランナーの若新さんがどう考えるのか?直接ぶつけてみたいと思います。

「地域ビジネス最前線:地域のまちが可能にする、人生の実験と創造」
日時:2016年12月7日(水)19:00〜21:30
ゲスト:若新雄純
    人材・組織コンサルタント/慶應義塾大学特任講師
住所:CAFE SALVADOR BUSINESS SALON
   東京都中央区日本橋茅場町1-5-8 東京証券会館1階
   茅場町駅8番出口直結 http://cafe-salvador.com/
参加申し込み:http://local-syukatsu.mhlw.go.jp/seminar/localbusiness-20161207/


※1:NPO法人日本橋フレンドが行っている、地域と日本橋(都心)を繋げる企画 https://www.facebook.com/Nihonbashi46DoFuKeN/

※2:TED×Talks(YouTube) https://www.youtube.com/watch?v=ubIdefd641I

※3:鯖江市役所JK課 http://sabae-jk.jp/

※4:http://www.huffingtonpost.jp/yujun-wakashin/local-action_b_8523286.html

TOP写真出典 http://www.huffingtonpost.jp/yujun-wakashin/local-action_b_8523286.html

鳥羽真(Shin TOBA)場のデザイナー・木造建築家/LikeBlaRe:主催
名古屋市生まれ。岐阜県立森林文化アカデミー木造建築スタジオ卒業。
愛知学院大学情報社会政策学部卒業後、(株)八幡ねじにて技術営業職にて大手メーカー担当。退社後、岐阜県立森林文化アカデミー木造建築スタジオ、京都大学院生存圏研究所生活圏構造機能分野研究生、同研究所技術補佐員を経て、設計事務所勤務とコンサルタント事務所に参画、木造建築物の設計や滞在型の農園開発、首都圏での農作物の販売等に従事。2012年11月に独立。現在はデザイン事務所、Like bla re: 主宰。中央区の森環境ふれあい村推進協議会協議委員、NPO法人日本橋フレンド理事、任意団体石巻・川の上プロジェクト副運営委員、農林水産省6次産業化中央プランナー、独立行政法人中小企業基盤整備機構TIP*Sアンバサダー、厚生労働省委託事業地方人材還流促進事業事業推進員、ライフスタイルデザインユニットkitökiö(キトキ)等を歴/在任。



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