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【エンタメ小説】東海道五拾三次OLスキー珍道中 第13話 沼津

沼津

 狩野川《かのがわ》沿いに下っていくと、沼津に到着。
 近未来に復元された、沼津城にて、昼食を取ることにした。
 ここのレストランは、セルフサービスで、好きなものを取ることができる、カフェテリア方式。

「丼にするでしょ?」
「する、する!」
 沼津は、新鮮な海の幸が豊富。
 丼にご飯をよそったら、好きな海鮮を乗せていく。

「私、生シラス、釜揚げシラスのダブルでいっちゃう」
「私も、それに、生サクラエビに、釜揚げサクラエビ」
「私も、それ追加」
「さらに、アジにサバにイワシにカツオ」
「さらに、ハマチにタチウオ、深海魚!」

「さらにさらに、マグロにタカアシガニ、それと深海魚追加!」
「追い深海魚!」
「同じく追い追い深海魚!」
 丼から溢れそうになるほど、豪勢に盛り付けた。

「いただきま〜す!むふうっ、幸せ……」
「口の中の浅いところから深いところまで、ぜ〜んぶ駿河湾だわ!」
 おいしい海の幸で十分に英気を養ったなら、出発だ。

 この辺りから、しばらく駿河湾沿いを、まっすぐ進む。
 ここは千本松原で有名。
 それにちなんで、近未来では、コースの上に松林が生えている。
「本当に千本あるのかしら?」とミケコ。
「やるとなったら、本当にやるのが弥次喜多グループじゃない?あなた、数えてみたら?」とタマコ。

 松林をポールに見立てて、ジグザグに滑り抜けていく。
「1、2、3、4……」ターンした回数を数えるミケコ。
「こっちにも、あるわよっ」とタマコ。
 松は何列にも渡って植えられている。
 残念ながら、数えるのは難しそうである。

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