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#3 嫌いだったのに/及川恵子

「言葉から人を好きになる」

くろさわさん、泖さん
こんばんは。

いやー。
あちぃでございまさぁねー。

あ、ついついハリウッドザコシショウの口癖が出ちゃいました。
YouTubeでザコシショウのチャンネルを見ている時は、唯一世間の嫌なことを忘れられる時間です。でも少しだけ自分の精神が歪む音がします。

唐突ですけど、私ね、お笑い芸人の皆さまが大好きなんです。

どうしてお笑い芸人に惹かれるかと聞かれたら、何より“おもしろい”という最大の理由があるのだけど、コントや漫才で

『ここでそんな言葉出る!?』

という瞬間に出合えるのがとても好きです。

時にはその言葉のセレクトに感嘆することもあります。

その瞬間に出合いたくて、ライブに行ったりもするんですけどね。

ここ最近では「山里亮太の140」という、彼が発する罵詈雑言のすべてがぎゅうぎゅうに押し込められたトークライブを見に盛岡まで行きましたし(ひとりで)、
またまた山里亮太さんと若林正恭さんの「たりないふたり」のライブを見に横浜まで行きました(これもひとりで)。
(ちなみに私はオードリーの若林さんが大大大好きなのです…。若林さんが書いたエッセイ「社会人大学人見知り学部 卒業見込」は人情と優しさと笑いへの哲学が詰め込まれている一冊なのでお時間あればぜひ…)
なぜかこの2人には惹かれてしょうがないのです。

ユーモアと知性。
一瞬で最適解を導くシナプスの俊敏性。
言葉選びの匠。

そんな素晴らしい特性と職能を持ち合わせたお笑い芸人に惹かれてしょうがない私。

しかし、長く受け付けない芸人さんがいました。

それが、狩野英孝さんです。

宮城県の田舎出身で同世代。

そんな共通点もあり、気になってはいました。
でも、失礼ながらこれまでその笑いにハマることは一切ありませんでした。

それが、この4月から、私ったら…すっかり、狩野英孝さんの魅力にどハマりしているのです。
新型コロナウィルスがじわじわと広がりつつあったあの頃。
鬱々とした気持ちを晴らしてくれたのは彼のおかげだったかもしれません。

(このDead by Daylightというゲーム。私は夜な夜な「あー!」とか「もー!」とか言いながらひとり楽しくやっています)

なんかね、彼のYouTubeチャンネルがおもしろいのはもちろんなんだけど、
動画を見ていると、なんだか「彼が愛される理由」が伝わってくるような気がするんですよ。

それは、

視聴者からのアドバイスには感謝を伝える。そしてきちんと受け止める。
悪意あるコメントにも、相手を貶めることなくしっかりと言葉を返していく。

ということ。

相手とのやりとりの中にある言葉の交し方が、すごくお上手なのです。
そういう言葉の使い方に、すごく惹かれてしまいました。

なんでしょう。
狩野英孝さんのご実家は神社なのですが、
神様に仕える仕事をしている人は世俗から少し離れた場所から物事を捉えられるのでしょうか。
それとも、俗人のしょうもない戯言をこれっぽっちも煩わしく思わないようになるのでしょうか。

気付けば
「彼はどうしてこんな人となりを得ることになったのだろう…」
と、その生い立ちにまで思いを巡らせる始末。

完全に好きじゃん。

ここまで、ぐい、と引き込まれるなんて。

そして私はどうやら、その人の言葉選びに惹かれるんだなあと改めて痛感したのです。
だから、やっぱりいろんな人に会って、言葉を交して、その人らしい言葉に出合いたいなあ。
話を聞きたいなあと思いました。

表面だけをなぞって、知ったようなことを言う人にならないためにも。
自戒を込めて。

及川恵子