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それゆけ李白マン~中国街歩き詩選~

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#中国旅行

それゆけ李白マン~中国街歩き詩選~ 第35回 本場の本場の関帝廟

(25)後漢の関羽(?─220)は河東郡解県、現在なら山西省運城県の人。中華街(チャイナタウン)でおなじみ、赤ら顔と長すぎる髭(ひげ)がトレードマークの神様でもある。美髭公(びぜんこう)なんていうあだ名もある。偉大すぎる彼の経歴は、あえてここに紹介するまでもないが、蜀漢の始祖である劉備(昭烈帝、字は玄徳)の義弟であり(さらに年下の三男坊が本書冒頭で登場した張飛)、人並み外れた武勇と忠義でその名を後世に轟(とどろ)かせる、そんな三国志きっての英雄である。四川盆地の成都を拠点に漢

それゆけ李白マン~中国街歩き詩選~ 第38回 巨大商業モールで考えたこと

(34)街はすっかり暗くなった。金鳳広場から徒歩十分で、万達広場(ワンダーグワンチャン)というショッピングモールに到る(本日の夕食を摂るためにやってきたのだ)。くわしい説明は省くが、万達広場は全国二百都市、全三百におよぶ店舗網を誇る商業施設である。近年は地方都市への出店も加速している。此処(ここ)荊州店の開業時期はしかとは分からないが、口コミサイトでは2016年10月以降の投稿が確認できるので、おそらくそれと近い時期にオープンしたと推測できる。寸法はざっと南北200米(メート

それゆけ李白マン~中国街歩き詩選~ 第39回 サーモン三人の兄弟!?

(39)このように興味は尽きないが、さはさりながら、長時間かけてモール内のディテールを調査・研究している余裕はない。そろそろ手頃な店を探して、美食にありつきたい。キラキラした化粧品ないし衣料品店テナントを横目に、さあラストスパートとばかりグルメフロアへと向かう。そういえば一階の吹き抜けコーナーには、(日本でもよく見かけるが)無数のボールが敷きつめられた有料遊戯スペースがあって、親子連れでたいへんな賑わいであった。ショッピングモール内だというのに直径20米(メートル)以上、おそ

それゆけ李白マン~中国街歩き詩選~ 第41回 果汁天国へようこそ!

(45)食事を済ませたぼくは、思いがけない御馳走で膨れぎみの腹をさすりながら、ふたたびモール内を歩き始めた。そして、先刻から気になっていた同フロアの生ジューススタンドで、西瓜汁(シーグアジー=スイカジュース)をもとめた。店名を辛迪果飲(シンディーグオイン)という。白が基調のシュッとした外観の専門店で、他にも金桔百香茉莉緑(金柑とパッションフルーツの入ったジャスミンティー)や雪梨芒果汁(ユキナシとマンゴーのジュース)などに惹かれたが、中国の旅でおいしい西瓜汁を何度も堪能していた