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【映画感想】最近見たのをちょこちょこと『生きる』『野火』など

以前からチェックはしていたけど『今日は絶対に見るぞ!』という気概であったわけでもなく、いつものレンタル屋さんに立ち寄った際に目に付いてふと手に取った三作。

とアマプラで偶然ヒットした作品一点。



まずは「戦国自衛隊」

世界的スター、サニー千葉主演の「戦国自衛隊」が軽そうなのでこれからまず再生してみることに。
良くも悪くも昭和な価値観で、お色気などのサービスシーンもたっぷり。

しかし全然手抜きのない渾身のアクションも盛りだくさんで、やはり演技とスタントを同時にやっちゃう役者さんを何人も輩出しているJACってすごかったと改めて感動しました。

私の中では優しそうで純朴なイメージだった夏八木勲(クレジットは夏木勲)さんは、ギラギラとした野心にあふれ破天荒な長尾景虎に扮し、演習中に突然戦国時代にタイムスリップしてきた千葉真一演じる伊庭と共闘して天下を取ろうと行動を共にするのです。

夏八木さんも劇中にすごいアクションを披露していて豪気な役柄をそのままに全身で表現しているのがとても誇らしげに見て取れました。

物語の後半で主に活躍するヘリを操縦している方も凄い方らしく、役者さんではなくベテランの操縦士の方に出演していただいたらしい。
割とたくさんの名だたる俳優が、初々しくカメオ出演しているのも見どころ。

若かりし頃の真田広之が出てくるのですが、いやほんとに男前ですね。

ヘリ内での半身を乗り出してのアクション。かなりの高さに見えます。


役柄はまだ元服前のとある高名武士の子ども、というのにぬぐい去れない忍者感。やはり真田さんが演じ慣れてるのもあるせいか忍者が似合います。
最後の絵力も物凄い迫力で正月映画らしいド派手なSF大作でした。

お次は「野火」

塚本晋也監督の方だと思っていたら市川崑監督の方でした。

主演は船越英二。あの2サスの帝王、船越英一郎のお父さん。
こちらも晩年のビジュアルしか知らないため衝撃でした。

初め何も情報の無い状態で見ていたのですが、真正面を向いた顔が大写しになって物語は始まります。

この主人公ポーッとした表情をしているのですが、会話している内容が頭に入っていない様子。そのため外国人俳優かと思ったので一層驚きです。
彫りが深く目がぱっちりですが、口角のあたりなんかは息子さんとそっくり。

ざっくりあらすじ。
戦局も苦しいフィリピン・レイテ島で肺病を患ってしまった田村は、隊から外れて病院に行かされるも断られてなすすべなく戻ってきたが、「再び病院に向かえ、そして入院が無理ならば自決しろ」と言い渡される。
しかし死ぬ決断をせず、ギリギリの所で命と向き合っている日本兵たちと関わり合いながら降参を目論む田村だったが、手を挙げたまま敵兵から蜂の巣にされる仲間を見て思いとどまる。

過酷な現状とはうらはらに淡々と進んでいくので凄惨さはそれほど感じられない。とはいえ過酷な現実は徐々に島全体を飲み込んでゆく。最後はその生き様に美しささえ覚えるほどで、白黒なのに色がついているようにも見えたのは私だけでしょうか。すかさず原作を読みたくなりました。

そして「生きる」

レジェンド黒澤明監督の超有名作。私は「隠し砦〜」や「羅生門」くらいしかまだ見てない初心者です。
志村喬主演。初めて見る俳優さんでしたが、厚い唇と丸い目がなんとも憎めない純粋さを表している節があって、その飄々とした表情が余命いくばくもない男の悲哀さをナチュラルに引き立てます。高圧的な役場の助役には中村伸郎。田宮版の白い巨塔で東教授を演じていたのが印象的です。
若かりし頃の菅井きんさんも出ていたりなんかして、登場人物がみな個性的なのにキャスティングが現実世界と不思議に繋がりを持たせて作品に深みを与えています。余韻が数日経っても醒めることない、素晴らしい内容でした。

最後は「デストロイ・ヴィシャス」

ガラッと趣が変わりますが、ギャスパー・ノエ監督の検索をしていてなぜか出てきたこの作品。
遠藤ミチロウ、鳥肌実など世代的には反応せざるを得ないミュージシャンなど多数出演。

忌憚なくいいますがエログロナンセンスの極みでひどい作品だった笑
でもなんとあの大塚明夫さんが出ていると言うだけで50点加算。
そしてヤクザ役の大塚さんの関西弁やもはや監督のおもちゃと化した明夫さんの2度と聞けなさそうなセリフなどで30点加算。

全編通してひどい会話なのだが、関西弁のせいだろうかじっくりと聞き入ってしまうというか落ち着きさえ感じてくる。

でも脈略もなければ展開がシュールすぎて脳がバグってくるのだ。
年のせいだろうか。昔はこういうのが大好きだったのに。真面目になったのか。
おかしくなりそうで途中で見るのをあきらめたけど、結末はやはり知りたいのでスキップ連打してしまった。

クレジットに元・プラスチックゴーゴーのハスミマサオさんの名前があったり、ちゃんと見れていないけれど他にも知っている人がいそうなのでまた元気があるときか泥酔してからチャレンジしてみようかと思います。

他にも劇場映画なんかも見たいのが目白押しで、とりあえず時間なんとかならないかって。最近の自宅で見れるストリームは視力も聴力も良くない私にはありがたいです。

写真のこちらに加えて

ブノワ・マジメルめっちゃ好きだった
ポトフ以外はかなり重そうな内容です


「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」「ナポレオン」「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」「ゴジラ -1.0」「首」に「天號星」のゲキ×シネや「ドラえもん」も控えているし、そろそろ見にいくシアターを絞って会員にはなった方が良さそうな気がします。定期も欲しい。



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