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予備試験教養対策について思うこと~過去問を「見ておく」だけはしましょう

 なんか昨日くらい?から予備試験の教養科目の対策について炎上したようななので、それについて一言思うことを書き連ねようかなと(炎上していたのでないならごめんなさい)

1 前提としての立ち位置

・予備試験の教養は60点で法律科目2科目分。

・教養の出題範囲は自然科学、社会科学、人文科学に英語など幅広く出題。

・40問程度の中から20問選択(1問3点)。5択問題

・最低得点率などはないので教養が0点でも法律のみで合格基準を超えればOK(理論値)

・教養は択一のみ出題(論文の教養は令和4年度から廃止)

2 問題の所在

 法律科目は当然、論文や口述でも使用するし、司法試験なのでここがメインになることは疑いようのない事実です。

 そのため、99%の時間は法律基本科目、実務科目、選択科目を勉強するべきなのは間違いない。問題は法律科目の割合を100%にして、教養を全くやらないで試験に挑んでよいのかということになると思う。 

3 私の意見①教養対策を実施すべきか?

 試験の配点的には択一は非常に大きいのは前提の通り。加えて法律科目だけで、合格基準点(160点から170点)を超えるためには、80%以上をとる必要がある。

 択一で80%を取るのは非常に難しいといえる。70パーセントは過去問を3週程度回して復習していれば可能性はあると思う。通常の経験に従えば、70%のものを80パーセットに上げるのは非常に難しい。加えて、7法のすべてとなると相当である。

 さらに、試験の現場で8割をとれるようにしておかないといけない。そもそも、予備試験は択一の突破がないと論文式試験を受験できない。論文式試験は受験経験があった方が当然によいので早期に択一に突破する必要がある。

 そこである程度、教養科目が取れればいいと思う。できれば5問(15点)はどんなにミスをしても最低限とれば、法律科目は150点程度(約72%)でよくなる。80%よりはずいぶん楽である。

 もし、半分の10問(30点)取れば、法律科目は140点程度(約67%)でよいことになる。この程度であれば択一の過去問をそこまでやったり、択一プロパーを細かく覚えないくてもいい水準になると思う。

 法律科目といっても、択一式試験でしか出題のないものも多い。法律科目を一概にやりこめばいいというものでもないと思う。法律科目で180点近く取れても論文が全然書けなければ最終合格しないのであるから、当然といえる。なお、択一試験の法律科目の点数が高くても、論文式試験はそれのみで評価されるので意味がない(司法試験は択一と論文の総合評価)。加えて、択一と論文の点数にそこまで大きな相関関係があるとは私の指導経験上は思えない(択一がぎりぎりでも論文に合格することはよくあるし、択一が高得点でも不合格はある。もっとも、知識量ということでは当然に相関する部分もあるので一概には言えないと思うので、ここはあくまで主観的にはそう思うというだけですが)。

 そこで、択一合格の安定感を上げるために、ある程度教養が取れることが必須であるといえる。加えて、択一の法律科目の勉強の量や質の圧力を緩和するためにも教養をある程度確保できておくといいと思う。そのため、対策が必要となるといえる。

4 私の意見②じゃあどの程度の対策が必要か?

 もっとも、前述のとおり、99%近くは法律科目の勉強になることは間違いないので対策の程度は、一考が必要になる。

 対策の程度として、予備校の講義をとるor自身で勉強するなどはあまり必要ないと思う。特に予備校の講義は社会科学や人文科学の問題を行うものが多いが、数時間の対策で広範囲にわたるものを押さえられるのか疑問もあるうえに、費用をかけるまでは…という判断もある。英語等はTOEIC等をやっている人はその対策の延長でいいと思うが、わざわざ予備試験のために…という感じである。個人的に好きな部分があれば社会科学でも自然科学でも「趣味的に」やっていいと思うが、それは予備試験の勉強?という感じである。

 公務員試験の対策で勉強している人などはそれでいいと思う。また、国公立大学の受験で共通テスト(センター試験)などを受けた時期が近い人はなんとなく見返しみる?とかでもいいと思うが、これも必須といえるほどではない。

 以上から、対策として勉強するかは微妙な感じである。そのため、教養のインプットは不要といえる。

 もっとも、アウトプットは行うべきといえる。予備試験の教養は40問程度の中から20問を選択する形式である。そのため自分が解けるものを選べばよい。そうすると、多くの方はおそらく文系なので、歴史や政治経済、現代文、英語あたりを解くと思う。こうした社会科学人文科学系は結構難易度が高い(個人的感想)問題も多く、選択したとしても正解が選べるとは限らない。しかし、結構自然科学系の問題が解けたりするし、英語が苦手でも実は簡単な問題があったりする。また、現代文や論理学の問題は少しの対策で(なんかYouTubeの動画みておけば)解ける問題も多い。そうした、「解けそうな問題」を試験時間内(90分)の中で選び、解くという能力を身に着けておく必要はあると思う。むしろ、これができれば4問から5問程度は解けるんじゃないだろうか?(この試験を受けている大多数の方が大学に進学するだけの勉強をしていることからなんとなくそう思う)。

 自分が得意な分野から2問程度、論理問題から2問程度、現代文から2問程度、なんか解けそうな問題から4問程度選べば5問は当たるんじゃないかなという。

 そのため、インプットは不要だけど過去問を通じたアウトプット(インプットしていないので単に解くだけ見るだけのような感じ)くらいは必要と思います。

※論理の問題はインプットが必要な方もいるのかもしれない。

5 私の意見③じゃあ実際に何をやればいいの?

 私の意見としては、公開されている過去問を年度ごとに予備試験の問題を解くときに教養科目も含めて解いてみる、という程度でよいと思います。それをもし、すべての年度平成23年までやればまぁなんとなくはつかめるだろうし、そこまでやらなくてもいい感覚はつかめるはずです。どの分野が案外難しいとかそういう点も含めての感覚です。なお、問題は法務省の公開されているもので十分だと思います。そもそも教養の問題集はないですし、回答例があるとすれば辰巳法律研究所の単年度版くらいでしょう。これをすべて買いそろえたりするのは非常にコストがかかります。もちろん、現代文などは著作権の関係で法務省の問題ではみれないのですが、、そこはもう個人の好みの問題かなと思います。

 要するに、無料でできる範囲で過去問を解いておきましょう、別に知識を確認する必要まではないです(好みでどうぞのレベル)という感じです。

6 最後に~この問題について思うこと

 この教養どこまでやる問題はよくよくTwitterで話題になります。しかし、『教養』なので知識の幅は人それぞれなわけです。ですから法律科目のように一概にどの程度何を勉強すればいいのか?なんて正解はそもそも存在し無い部分だと思います。そうい意味では自由演技的な部分だと思います。ですので、自身で客観的な資料(得点割合等のデータ)をみて、過去問をみて判断すればいいのです。下手にいろいろな人の情報をみて、惑わされることなく批判的にみて自身で判断することが必要に思います。

 ビジネストークに踊らされて受かる人、まったくやっていないといいつつ実は予備校の講義を聞いていたり、自身で勉強していたり、専門で勉強している部分だったり、理系だったからとけたり、、どんな人でも結局は170点台を超えていればいいのです。そのためにどの程度の時間どのくらいの割り振りをするのか?その時間で何をすべきか?という点を意識してほしいです。

 理論上は~~ということも現実には違うなんてよくあることです。

 以 上 

 長くなりましたが、教養は過去問だけみてなんとなく解けそうな問題の探し方だけ決めておけ!って話でした。

 参考になれば幸いです。



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